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あーかい部! 52話 快眠リベンジ

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。



3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!


趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!


面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!


独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)



そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「ごめん、待っ……、


「どうしたあさぎ?何か……




あさぎとひいろがドアを開けると、中ではきはだは机に突っ伏していた。




「「帰るか。」」


「待てぇぇええい!!??」




回れ右したひいろとあさぎの肩がきはだに掴まれた。




「あ、きはだ起きてたんだ。」


「起きてるよ……!」


「そうか。じゃあ


「待て待て待て待て。」


「いや、この流れ前もやったしもういいだろ。」


「そんなこと言わずに寝かせてよぉぉ……。」


「切実だな。」


「はぁ……わかったよ。」


「ありがと……グハッ。」




きはだは再び机に突っ伏した。




「で?じゃあ今回もきはだが寝られるように色々考えればいいわけ?」


「うむ……。」


「そもそもなんできはだは寝不足なんだ?」


「恋でもした?」


「ひいろちゃんじゃあるまいし……。」


「じゃあ違うかぁ。」


「ワタシは別に恋してないぞ?」


「わかった!怖い映画観たとか!?」


「あさぎちゃんじゃないんだから……。」


「じゃあ違うか。」


「私そんな風に思われてるの……?」


「結局のところなんでなんだ?」


「うぅん……理由はないけど、定期的に調子悪い日が来るんだぁ……。能力に恵まれ過ぎたきはだちゃんのバランス調整……?」


「「帰るか。」」


「待て待て待て待て。」






「じゃあ、原因を絶つのは無理ってことで寝かす方法を考えていくぞ?」


「ありがと……、」


「う〜ん……確か、この前は羊数えて失敗したんだよね?」


「白ちゃんもアレは効果ないって言ってたな。」


「めぇぇ……、」


「……子守唄でも歌う?」


「いやいや、流石にきはだも子どもじゃないんだから


「くるしゅうない。」


「……もうなりふり構わないんだな。」


「じゃあきはだはそのまま目を閉じてて。」


「はぁい……。」


「子守唄なんて懐かしいな。」


「……、




高まる2人の期待に応えるように、あさぎは大きく息を吸い込み、




「Walk on the land! Attack the couple!


Destroy the building, and push forward!」




ベビーでメタルな声で力強く歌い出した。




「Let your name!resound in this land!


lond shark,rush shark,running shark!」




「「待て待て待て待て!?」」


「yeah,bite them ♪ yeah,bite th……なに?」


「子守唄で英語のラップはないでしょ!?」


「しかも『ランニングシャーク』って……ク○映画の主題歌を子守唄に選曲するやつがあるかっ!?」


「練習したんだけどなぁ……。」


「うん、英語めっっちゃ流暢だったけど違うよねぇ?寝れても絶対サメの夢見るよねぇ!?」


「最高じゃん☆」




お目目を星のように輝かせてあさぎはサムズアップした。




「諦めろひいろ、あさぎの頭の中はサメ映画で一杯なんだ……。」


「その頭かまぼこにしてやろうか……!?」


「子守唄は逆効果だったかぁ。」


「子守唄自体は悪くないと思うぞ?うん。」


「じゃあ次ひいろ、何かある?」


「そうだな……膝枕はどうだ?」


「「……。」」


「……2人とも?」


「ああ、いや……なんか意外なチョイスだね。」


「そうか?2人も家族にしてもらったりしないのか?」


「2人『も』……?」


「ん?」


「ひいろちゃんは最近誰かにして貰ったのぉ?」


「ああ。直近だと、この前おばさんの家に泊まったときだな♪」


「…………ひいろ、元気に育ってね。」


「え?」


「大きくなれよ。」


「な、なんだ2人とも……!?」


「「ひいろ(ちゃん)はそのままでいい。」」


「?……よくわからないが、ワタシの膝でよければ貸すぞ?」




ひいろは椅子を引いて膝枕するスペースを取ると、きはだに膝枕を促した。




「わぁい…………、」




きはだは身体を預けようとしたが、途中でピタリと止まった。




「きはだ?」


「……ごめん、やっぱ無しで。」


「ワタシの膝じゃお気に召さなかったか……。」


「そうじゃない、そうじゃないんだひいろ。」


「え?」


「その膝は、彼女に取っておいてくれ。」


「え、誰に……?」




困惑するひいろを他所に、あさぎときはだは席を立ち部室を後にした。




快眠リベンジ、失敗……!!






あーかい部!(4)




きはだ:投稿完了、そして寝る


あさぎ:おやすみ


ひいろ:おやすみ


白ちゃん:おやすみ……?


ひいろ:今回は快眠チャレンジの続きなんだ


白ちゃん:快眠チャレンジ……ああ、きはだちゃんが寝れなかったヤツね


あさぎ:今回もダメでした


白ちゃん:それは難儀ね……睡眠障害の可能性もあるかもしれないから一度病院を受診してみたら?


きはだ:それはない


白ちゃん:そうなの?


あさぎ:きはだは恵まれ過ぎた能力のバランス調整で定期的に寝れない呪いにかかっているんです


ひいろ:カードゲームのデメリット効果みたいなものだな


白ちゃん:なにそれ


きはだ:人生の幸不幸は平等にやってくるものなのさ……


白ちゃん:じゃあ今日は不幸のターン?


きはだ:うん

きはだ:子守唄と称してサメ映画の主題歌歌われた


白ちゃん:あさぎちゃん……?


あさぎ:なんでピンポイントなんですか!?


ひいろ:あさぎくらいしかいないだろう


あさぎ:モーラさんだって毎日『あんよがジョーズ』かけて寝てるよ?


きはだ:出たなお隣さん


白ちゃん:あんの愚妹(いもうと)は……


ひいろ:そんな曲名なのかアレ……


きはだ:ヘビメタは子守唄にしちゃいけません


あさぎ:え〜


白ちゃん:あさぎちゃん、モーラを基準にしちゃダメよ


あさぎ:まぁ〜たそうやって世間体だの常識だの!やっぱりあのクソ親の娘なんだから……!


ひいろ:お?


きはだ:モーラさん降臨!


白ちゃん:だからって年下に変なこと吹き込むのはやめなさい!教育に良くないわ


きはだ:姉妹喧嘩だ〜


あさぎ:ふ〜んだ、教育者様が偉そうなこと言っちゃって!善悪なんて相対的なもん、国境跨げば簡単にひっくり返るんだから!

白ちゃん:ここは日本よ、ヒアイズジャパン。教員免許状も持ってない風来坊が偉そうなこと言わないの!

あさぎ:あ〜あかわいそ、凝り固まった島国の価値観に囚われちゃって、人生つまんなそ〜!?

白ちゃん:これでも人生謳歌してますよ〜だ!

あさぎ:そんなに鳥籠の居心地がいいなら実家に帰れば?

白ちゃん:それとこれとは別でしょ!?

あさぎ:別じゃないもん!すみ姉だって立場を盾に手前(てめえ)の良識押し付けて、あのクソ親とやってること変わんないじゃん!




ひいろ:白ちゃん……?


きはだ:ねえねえモーラさん、2人の親ってどんな人なのぉ?


あさぎ:モーラ・コロルに親はいないよ


きはだ:そっかぁ

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