テロリストが来て無双する妄想をしていたところ、本当にテロリストが来てしまった件について
理系に行こうとしている高校生が書いているので、文章が拙いのはご理解いただきたいです
教室の扉が開く。
平凡で退屈だった授業の黒板の二次関数のグラフに鉄砲玉がかすめく。温厚な男教師の右肩は撃たれて、しばらく動かせそうにない。銃を撃ったのは三人ほどの男たちで、黒いマスクに、フード、どこかの中東のテロ組織を彷彿とさせるような容姿をしていた。クラスのマドンナ鈴木と、イギリスからの短期留学生のソフィアが、高い悲鳴を上げる。後からクラスに動揺が走る。教室の男子たちは、女子を押し退けて後ろのドアから、我先にと逃げ出した。
やれやれ、ようやく俺の出番ってわけか・・・
教室の隅っこに座っていた、ニキビメガネとあだ名された男子生徒は、自己陶酔した様子で立ち上がる。俺のかっこいいところを女子たちに見せてやるぜ!と自分に心酔し切っている様子で彼は立ち上がった。ある生徒は彼を英雄だと、またある生徒は彼を無謀な馬鹿だと感じたことだろう。しかし彼には、そんなこと知る由もない。無謀で馬鹿な英雄はケタケタ笑いながら、メガネを外し、机に投げ捨てた。
なんだァ?てめェ・・・
中でも一番大柄なテロリストが、彼に近づく。次の瞬間、英雄の体は大きく傾き、強烈な後ろ回し蹴りを、テロリストの頭に打ち込んだ。テロリストは、気を失ったまま大きく倒れた。他のテロリストたちが慌てて銃を構える。遅い。彼はすでにテロリストたちの背後にまわり込み手刀をお見舞いしている。
彼はテロリストたちをロープで縛り、遅れてやってきた先生たちに、いつものプリントを出すかのように提出した。クラスのみんなからは英雄扱いされ、彼の好きだった女の子に告白され___
__また夢から覚める。どうやら今までの出来事は全て彼の妄想だったようだ。突っ伏して机に寝ていた間にも、二次関数の説明は進んでいる。彼は授業からも置いていかれてしまったようだ。彼は教師の田中と目が合う。
「清原、お前三番の答え書きに来い」
妄想に浸っていた男、清原は自分の開くべきページすら把握できていない。清原が「分かりません」と答えると、教師の田中は「お前、本当に大学に行く気あるのか?」とキレ気味に返してきた。
しかし清原は「ないです」と答えた。教室中が緊張の渦に包まれる。清原は田中の逆鱗に触れることになってしまった。
彼が授業後、呼び出しをくらったのは容易に想像できるだろう。しかし、彼は反省していない。いつかこのデブ教師をギャフンと言わせてやろうと心に誓うのであった。
数日後、数学の授業時に事件が起きた。
雨の湿気の感じる嫌な音を立てながら、教室の戸が開く。
テロリストたちの襲撃が起こったのだ。彼らは、教師の田中に鉄砲を突きつけている。
眠りの英雄は、今回も自分が眠っていることに気がついた。
またかよ!
早く覚めろ!
清原は右の頬をつねる。
痛い。
どうやら、ここは現実らしい。清原はニヤつき立ち上がる。「おい!お前ら!俺がまとめて相手してやる。」と本人は叫んだつもりだった。実際には、おどおどした様子でボソボソと何か呟いているだけなのだが。
清原は自分の右足に激しい痛みを感じる。彼は撃たれたのだった。クラス中が大騒ぎになる。清原はこれまでにないほど大声を上げた。それほどまでに銃で撃たれるというのは痛いのだ。
しかし次の瞬間、思いがけないことが起こる。教師の田中が、銃の一つを片手で、押さえて曲げてしまった。
見た目と性格だけでなく、強さも魔人ブウだったようだ。他のテロリストたちが一斉に田中に襲いかかる。しかし田中はそばにあった黒板のチョークを飛ばしてテロリストたちを一瞬で全滅させてしまった。あまりの速さに、清原は田中のことを本当に魔人ブウに重ねてしまった。
クラスの女子たちは、驚きと歓声の声を上げる。男子たちはすでに逃げ出していた。
誰もが、夢の中でイメージトレーニングをしていた哀れな被害者のことを気にも留めない。テロリストたちは魔人田中によって捕まり、警察に引き渡された。ようやく清原も、他の教員たちに怪我のことを気づいてもらったが、誰も彼の無謀な行動を賞賛はしなかった。
その後テロリストたちの目的が判明する。クラスの留学生のソフィアが、外国のすごい会社のお嬢様で、テロリストたちは日本で彼女を捕まえたかったようだ。しかし、このことは大々的にニュースとなった。何せ、治安の良い日本の学校でテロが起きたのだ。
そんなこととは裏腹に、清原は、恥ずかしさのあまり学校に行く気力も出なくなった。幸い、テロの影響で、しばらくは学校が休みとなっていた。
清原は、もう全てがどうでも良くなってきた。右足も手術で治療してもらえたが、心のメンタルがもう耐えられない。カウンセラーの人を呼ぼうにも、自分なんかが呼んでもいいのかという思いがある。彼は、病んでいた。
そこに教師田中ブウから連絡があった。どうせ、メンタルケアにきたのだろうと思っていた。しかしブウから発せられた言葉は意外な言葉だった。
お前も強くならないか。
なんとブウは、数学教師だったが、いろいろな戦い方を独学で修得していた。清原は意外な言葉に、驚きを隠せなかったが、最終的には、頷いた。
彼はその後、魔人ブウこと田中のもとで、戦い方を学んだ。とはいえ田中も独学だったため、技術的なところは足りず、一部を体重で補っていた。清原はヒョロガリメガネの代表とも言える存在だったため苦労した。少しずつついていく筋肉に彼は、自信がつき、毎日が楽しくなった。彼は銃を持った敵との対峙を想定して、練習もした。妄想だけだった男に、行動力がついたのだ。
彼は、その後、正式に別の師範のもとで格闘技を学んだ。体力の向上に運動神経の向上、最初は全然できなかった縄跳びの二重跳びもできるようになった。海のテロも考え、水泳もきちんとした先生のもとで学んだ。初めは田中ブウに学んでいたが、田中は体が浮き輪のように浮いていて、全く参考にならなかった。彼はどんどん強くなりもはや、ただのニキビメガネというあだ名では表せない。名付けるならインテリ風筋肉ゴリラだろう。しかし、彼の学力はインテリの一文字も当てはまらない。彼は、自分の意思で自衛官になることを決めた。
必要なことは全て努力した。
もう二度、妄想だけの男にならないために。
その数十年後清原は、アメリカで最大級のハイジャック事件を止めた英雄として名を残すことになるが、それはまた別のお話である。
ただのインキャだった彼は世界中の人たちの人たちに愛された。
彼はその時でも師匠田中に恩は感じても感謝はしなかった。しかし彼なりの恩返しなのか、田中の戦い方を世界に残そうと活躍した。
彼は、とあるインタビューの特番でゲストとして登場したが、その時にこう残したそうだ。
「妄想に逃げたがる全ての人に伝えたいことがあります。
自分にもっと自信を持って欲しい。
そのために努力することに挑戦してみてはいかがでしょうか。
もしかすると自分の妄想だったことが実際に叶うかもしれません。」
後書き
めちゃくちゃフィクションですが、物語で読者に伝えたいメッセージは、実話も元に考えています。




