asmi『恋』に関する考察8 長良川鵜飼い編
太古の昔、地球で最初の生物は、海で生まれました
細菌みたいなものだったようです
だんだん進化して、魚が生まれます
陸へ上がる生物、両生類と、
川へ新天地を求める川魚に、分かれていきます
海と比べて、川の水は栄養、つまりえさが少なく、
川をさかのぼるのは、本当は不利です
しかし、競争相手が少なければ、
川のほうが有利だという見方もできます
ちょっと話は飛びますが、
人間にとっても、これは同じことで、
海辺に住んでいたほうが、魚介類が豊富です
川のほうが、漁獲量が望めません
海辺のほうが移動にも便利ですしね
だから、海辺の領地は、取り合いになります
海に通じていない領地は、魅力的に見えません
例えば、岐阜県?
長良川の鵜飼いって、
カワウという鳥を使って、
鮎を捕まえさせるんです。
カワウをひもでくくって、
かがり火でおびき寄せた鮎を捕まえさせる
で、捕まえると、ひもをたぐられて、
せっかく捕まえた鮎を、吐き出させられるんです
せっかく捕まえたのに
しかも飲み込んだのに
例えば、十匹捕まえたら、
一匹とか二匹とか、もらえるんでしょうけどね
恨むでしょうね、鵜匠のことを
お客様が多い日は、全部売れちゃって、
鵜がもらえる鮎が残らない日もあるでしょうね
そういうときは、養殖鮎を食べさせられたり、
養殖鯉の刺身を食べさせられたりするんでしょうね
いや、お客様がとんでもなく多い日は、
とれた鮎が少ない日は、
あらかじめ用意した養殖鮎を、
お客様に出さざるを得ないかも
根拠のない想像ですけどね
鵜匠も、自分のカワウが捕まえてきた鮎を、
口にする機会なんてないかもしれませんね
つまりそれは、売れ残ったということですものね
お客様がたくさん来られたときは、
自分の分は残らなくて、
仕方がないから養殖の鯉でも食べて、
あしたも頑張ろうかな、と
鵜は鵜で、自分の捕まえた
鮎なんて持っていない
鵜匠も鵜匠で、自分の食べる分の
鮎なんて持っていない
鯉を食べる地域は、やはり内陸です
食べなれていない人には、
ちょっと抵抗があるかもしれません
泥の中に住んでいるイメージがありますよね
でも、食べる鯉は養殖です
釣ってきたのをさばくんじゃないんです
最初の鯉は、川にいたんでしょうけど、
それを何世代も何世代も養殖して、
川で泳いだことがない鯉が、
鯉料理になるんです
そりゃ、もう、
高純度の鯉
鮎なんて持っていない
あるのは高純度の鯉
ゆっくり溶けてく私からあなたへの想い
・・・とろけるようなおいしさ、大好きだ
言葉は何より危うい鋭く純粋な氷みたいだ
・・・氷で締めていただく、言葉は要らない
最終電車の逃し方は覚えてしまっている
・・・ずっと食べていたい、帰りたくない
でもこんな夜を前にしては役に立たないな
・・・きょう、5月11日、鵜飼いの解禁日か
涼しい風が吹いて私の迎えが先に来る
・・・船上で風を受けてかがり火の火の粉が落ちる
じゃあねバイバイのリズムで駆け出す
・・・ひもをつけて鵜がもぐっていく
頭の中にはマンボのリズム
足音がドアをくぐった
・・・じゃぶっとね、足音じゃなくて水音だね
愛なんて持っていない あるのは高純度の恋
・・・鮎なんて高くって手に入らないよ
養殖に養殖を重ねた鯉なら、まあ、たまに
心が悲鳴を上げてもそれすら笑っていたい
・・・鯉って、まな板の上に乗ると、笑うね
やべっ、目が合った 目が合ったよ、鯉と
愛なしでどこまで行けるか試したい恋で
・・・鮎は食べなくても平気 鯉は我慢できない
今が一番若いの私いつまでも光っていたい
・・・鯉にはタウリン、アルギニンたっぷり
たどり着いた先や未来がね ここにはない
・・・何匹捕まえても、全部吐かされちゃう
好きという気持ちだけでは長く続かないことを
知っているからこそ
・・・鮎が好きなのに一匹も食べさせてもらえない
全部横取りされちゃう
毒を帯びた魔物 下がらないでいて体温
・・・鵜匠って悪魔 もぐるたび寒い
もしも今夜月がきれいなら二人共犯者になろう
・・・鵜といえども、鮎がいないときは捕れません
月夜は、かがり火がきかないんですよね
そんなときは、養殖物を出します ね、鵜匠
横顔にキスをしたいつもずるいのは私でごめんね
・・・鮎は縄張り意識が強いので、
ほかの鮎が縄張りに入ってくると、
横から攻撃します 口でつつきます
しりびれでたたいたりもします
刺さって抜けないまま痛いくらいがいいでしょう
・・・友釣りの場合、
おとり鮎には、針がついていますので、
そこに攻撃しちゃうと…
好きですあなたが
・・・実は、鮎の縄張り意識は、
恋の駆け引きだったりします
自分より強い相手を選別するための
牢屋の中で二人は永遠を夢に見て愛に向かった
・・・お互いをひもでつながれた鵜と鵜匠は、
ずっとこの仕事するんだろうな、と思って、
鮎に向かっていった
息はできているんだろうかできないでいてくれ
・・・のどいっぱいに鮎を捕まえてこいよ
ずっとずっと恋をしてる
・・・でも、鯉のほうが、
食べ方にバリエーションがあるしね
自分で食べるなら、鯉だね
安いし、いっぱい食べられるし
※本考察では、asmi作詞の『恋』の歌詞の意味について、長良川の鵜飼いを暗喩しているという独自の説を唱えるため、著作権法第三十二条に規定する研究の範囲内において合法的に引用している。