Ep.08 心の儘に、纏いし意志で。
かなり機体に負荷が掛けているのがさっきより鮮明に分かる。
ただどうにかなることもわかる。
今ならなんだって出来る。そうだろう?
WEPを限界まで。過負荷が掛かる。
ただ大丈夫。
翼よ舞え。
今度こそ守り抜いてみせるさ。
一瞬で狙いをつけ、墜とす。
数発で十分だろう。
「お前が……お前らが燃やしたんだな……」
重爆に向けて30mmを放つ。翼の根元に当てて一撃で捥ぐ。
「次。」「お前も。」「墜ちろ。」「帰すわけない。」
30mmももはや僅かだ。
「今なら出来るはず……」
武装選択を30mm×1にする。
重爆の真正面に相対する。
「一撃必殺だ。」
操縦席に撃ちこむ。
炸裂した弾は飛行士をぐちゃぐちゃにし、操縦不能にする。
「次。」
下に回り込む。
最後の弾丸を撃ちこむ。
大爆発。
爆弾槽を正確に撃ち抜いた一撃は花火を咲かせる。
「さあて、残り3門だ。」
◇
「これで30mmは終わりか。」
30mmは在庫切れ。
ただ空は緋く、なおも明るくなっていた。
残るは20mm二門。弾も僅か。
燃料は四分の一。
被弾痕は無数。
発動機は過熱状態。
「まだいけるだろう。そうだろう?」
翼を奮わせ、僅かになった敵に突っ込む。
◇
「まだ足りないのに……」
ついに弾を撃ち尽くした。
敵はもはや三桁も居ない。
地上には無数の残骸が墜ちている。
味方ももういない。
「全機、現在地は?」
「研究所基地で補給が終わり、再出撃中です。」
「すまない、後は頼んだ。」
「緋空少佐殿!?大丈夫ですか!?」
「弾が無くなった……」
「はぁ……良かった……任せてください。」
スロットルを一気に下げて発動機を冷却する。
基地の方に舵を取る。
燃料も僅かだ。
◇
飛行場が見えた。
そこに降りる。
「ふぅ……もう再出撃は……無理そうだな……」
過熱した発動機、被弾痕が目立ち、一部は穴が開いている翼。
そして疲弊した搭乗員。
「流石に……もう休むか……」
操縦席で眠りに落ちる。
◇
「少佐殿……緋空少佐殿!」
うるさい。
「ん?どうした……」
「大金星ですよ!敵を撤退させました!」
まじか。
「周りの戦況はどうだ……」
「まず飛行機から降りましょうよ。」
それもそうか。
◇
「戦況は東方、南方は壊滅状態、中央部の王都も陥落しました。」
もう敗戦寸前じゃないか。
「しかも此処と西部も分断されています。」
「結局駄目だったのか……」
例え最強の部隊があったとしても寡兵では戦局には影響しないのか……
「ただ此処は王国最大の資源地帯ですので燃料不足にはならないでしょう。それと……」
「ここか!英雄が居る街は!」
なんか凄そうな人が入ってきた。
「俺はクロード・アルファシアだ。よろしくな英雄殿。」
誰?
「第二王子がこちらへ来て……徹底抗戦するようです。」
「そうだぞ!俺が第二王子だ!」
「よろしく。」
ん!?徹底抗戦?ここで!?




