Ep.04 或世界屠龍
工場の準備をしたり飛行場の整備、燃料の調整や機体の改修を進めているうちに二週間位が過ぎた。
「偵察員より司令部!超大型龍と中型龍がこちらに向かっている!属性は風と思われる!」
一本の電信が響く。
「超大型龍?」
王国の人に聞いてみる。
「おそらく……古代龍でしょう……皮膚は基本的に攻撃がほぼ効きません。地上からは大砲や魔法などでも全くダメージを与えられません。もう終わりだ……」
どうやら化物がやってくるようだ。
「弱点は?」
「一応……眼と逆鱗と口腔内とかでしょう。ただ地上からでは狙えないですし……そこまで近づけないんです……」
「57mmなら逆鱗や眼にどこまで効く?」
「その部位は基本的に防御力がないので効くでしょう。ただ破壊するにはそれなりの攻撃力が必要ですが……」
よし分かった。これならいける。
そして一本の電信を送る。
「曙大尉、57mmガンポッドの準備を頼む。」
「倉庫の隅で埃被ってるあれですね。襲撃機の火力強化用でかなり反動低減はできますが発射速度は低いですよ。大丈夫ですね?」
「ああ、問題ない。」
電信を終える。
「では超大型龍の攻略の準備をするため研究所に戻らせてもらう。」
「えっ!?やる気ですか!?」
「では。」
◇
「緋空少佐殿、天風にガンポッドの搭載が終わりました。」
「有難う。それと墜星……払暁も全機出せるか?」
「相手は龍でしたっけ。墜星の武装は?」
「墳進弾を頼む。爆撃はきつそうだ。」
「了解しました。」
◇
「出撃可能機体は天風と払暁×9、墜星×8です。まだ払暁と墜星はラインに乗っている機体が全部完成していないのでこれが今の限界です。」
「了解した。では行ってくる。」
◇
ガンポッド内の弾は一門あたり8発。墜星の墳進弾は一機当たり8発。最悪天風なら30mmである程度は対抗できるだろうが流石に払暁と墜星の20mmだけではきついだろう。
「払暁隊は中型龍を攻撃、可能なら撃墜せよ。」
「「「了解。」」」
「まぁ龍がどのような存在かはまだ判らないんだけどな。」
◇
「おいまじか……」
流石に想定外の大きさだった。
多分100m以上はありそうな怪物が空を飛んでいる。
そして中型龍も双発爆撃機並みのサイズがある。
そして航空機も戦闘機14、重爆4、軽爆8くらいか……
「!!」
発見された。
「払暁隊は半数で戦闘機を攻撃!もう半分は中型龍を!生存を最優先に!」
「「「了解!」」」
「墜星隊は待機せよ!攻撃機会を待て!」
「「「了解!」」」
「これより作戦:屠龍を行う!」
まずは注意を引くために20mmを頭に向けて撃つ。
「ギャァッ!グルゥ?」
気付いたようだ。そのままヘッドオンに持ち込む。飛び道具が無い奴なら大丈夫だろう。
「グルルルル……ギャァァァァァ!」
「!!」
急旋回から急降下して避ける。口からなんか出たからやばそう。
振り返って見てみると光線の様なものを放っていた。今のうちに態勢を整える。
そして突き上げる形で逆鱗を狙う。どうやら疲れているのか動きが緩慢になっているからその隙を狙う。
「ドォォン!ドォォン!」
57mm砲弾が4発放たれる。
「グァァァァァァアアアアアォォォォ!」
一発が 急所にあたった!
凄い量流血しているのが分かる。57mmの一撃は逆鱗を正確に穿った。
「墜星隊!突入せよ!対象は現在流血している逆鱗!」
「「「了解!」」」
まず半数の機体が全弾発射する。
半数以上は外れ、さらに大体の弾は胴体などに当たったが、数発が命中し傷を掘り穿つ。
「ガァァァアアァァ……グゥゥゥ……」
少しずつ高度が落ちて行っている。これは撃墜確実だろう。
「今射撃した墜星隊は戦闘機、爆撃機の迎撃に向かえ!墳進弾が残っているやつは現在中型龍と交戦している払暁隊の応援に行け!」
「「「了解!」」」
ガンポッドには残り12発残っているがどうなることやら。
◇
side 帝国軍航空隊
「悪夢だ……」
捕らえた古代龍や数多くの龍種を使って報復作戦を行っているがもうほとんど部隊の体を成していない。
その原因は言うまでもなくあの藍色の機体群、特にあの双発機だろう。
「何だよあいつ!空を舞う古代龍など……最強の一角だろう!それに龍種すら一撃で墜とすような火力!」
もう龍はほとんど残っていない。古代龍は地に墜ちた。
戦闘機も半数以下になった。爆撃機はもはやいない。
「この街には怪鳥が棲んでいる……近づかない方が良いかもしれないのかもな……」
「!!」
単発の戦闘機が迫る。
なんとか回避するも機動力の差で後ろにつけられ逃げ切れない。
「この機体も新鋭機なんだけどな……王国軍機とは世代が違うと言われてたのにあいつらとも世代が違うだろう……」
弾丸が命中する。頑丈なはずの翼は吹き飛んで途端に失速する。
「これで終わりか……どうやら皆一緒らしいな……」
空を舞う味方はもはやいなく、目に映るのは散りゆく銀翼のみだった……
◇
side 王国軍
「これは……夢でも見ているのか……?」
目の前で屠龍を見て正気かわからなくなっていた人はきっと彼だけではないだろう。
なにしろ科学技術の発達で魔法の優位性が無くなり、龍などの頑丈な生命体に対しても十分な火力を発揮できるようになった現代だとしても風龍などの空を飛べる存在に対しては全くと言っていいほど無力だった。
それほどまでに空を飛べる存在というのは優位だったのである。
それが今見ているものは龍を一撃で沈め、あろうことか古代龍すら地に墜としていた。
中型龍ですら一頭で町を焼き、古代龍は都市を焼くという存在なのに……
彼らがいなければこの街は灰燼に帰していただろう……
「ありがとう……」
◇
side ■■■
(解放されたか……ただ我は致命傷で、同胞たちも墜とされたか……最期に屠龍の英雄と話してみるか……)
ちなみに彼らがいる街は前線に近い大都市です。
資源がよく出る鉱産地帯で工場なども多くあります。
また、航空機の技術レベルですが王国の新鋭機がキ11みたいなので大体1935年位、帝国軍はF4F-3とかで1940年位の五年位のギャップが存在しています。
そして研究所の機体はキ83とかキ87、流星改とかをモデルにしてます。




