Ep.02 時飛ぶ嵐と新天地
とある研究所
「はい……大丈夫です。」
「良かった。早く休め。」
「了解です。」
◇
「緋空少佐殿!少佐殿はいますか!」
部屋に研究所の人の声が響く。
「ああ居るぞ~!」
なお、返事は工廠より帰ってきた。
「少佐殿、司令部との連絡が付きません!それどころか測量したところ、全然違う座標を示しています!」
「だろうなぁ……ほら外を見ろ。いつもの町じゃなくてどう見ても平原じゃないか。」
「はっ……は?」
外には見慣れた町ではなく何もない平原があった。
「この様子じゃあ昨日出かけて行った所長は帰ってこれなそうだな。」
「ああ!そうでした……なら最先任の緋空少佐殿に指揮権が移譲されることになると思われますが……」
「皆を集めてくれ。話がある。」
◇
「皆集まったか。話というのは今の状況についてだ。」
「少なくとも研究所があったあの地域じゃないですね。どこかは判りかねますけど。」
「だろうな、だからこれから偵察を行おうと思っている。」
場内がどよめく
「ちなみに聞きますけどどの機体でですか?」
今研究所内には天風11型×1、払暁11型×6機、墜星11型×4機、百式戦闘機62型丙×18機、そして増加試作中の払暁11型が10機、墜星11型が12機ある。一応迎撃拠点でもあったため少しは機体が配備されていた。
「俺が天風で出て、あと墜星で後部搭乗員にカメラでも持たせてある程度行けるだろ。」
「試作機はまだ試験すら行っていないんですよ!大丈夫だと思いますか!」
試作機の不調を心配する声が上がる。
「お前らは自分たちが作った機体が信頼できないのか?」
その発言ではっと気づいたようだ。
「了解しました。この研究所にいる搭乗員の中で爆撃機乗りか攻撃機乗りを探してみます。」
「それとここの所長が不在だから所長が帰還するまで俺が代わりに所長代理となる。」
「「「了解しました。」」」
◇
「エンジン回すぞ!離れてろ!」
「ブロロロロロォォォォォォ!」
「掛かった!では行ってくる。もしかしたら方向が分からなくなるかもしれんから電波を発信できる準備はしといてくれ。」
「了解しました。緋空少佐殿、どうかご無事で。」
「わかった。クラッチ接続、離陸する。」
怪鳥は空を舞う。果てなき大空に向かって。
◇
「おお、軽い軽い!よく回るな!」
なお4tくらいはある模様。
「一通り試したしとりあえず研究所より100km圏を捜索してみるか。」
◇
「電探に謎の波形、何かあるな……20km先か。」
「おお……都市があったか……?街並みは我が国らしくないな……ん!?龍!?御伽噺じゃないよな……」
「他に無いか……っ!航空機!!ただずいぶんむっくりしてやがる。って見つかってるし緊急発進してんじゃん!」
少し考える。相手は単葉機と思われる機体が4機ほど。逃げ切るのは簡単だが。
「近距離で見れるチャンスだし受けてみるか!」
◇
side 航空隊
「何だあの機体!単機だがこれまでのどんな帝国軍機より速い!」
「あいつを迎撃せよ!4機の新型を出せ!」
「了解!」
◇
「あいつ反転してくるぞ!空戦する気だ!」
「墜としてやれ!王国軍人の矜持を見せてやる!」
◇
「速すぎる!そしてこっちの機体4機相手にまったく隙をみせねえ!」
「後ろに付かれた!あれ……?」
「撃ってこないぞ!というかこいつ帝国軍機じゃないぞ!翼につけてるマークが全然違う!」
「なにぃ!全機空戦止め!……白旗を振れ……」
◇
side 緋空少佐
「白旗か……空戦も止めているし降伏か?」
(応援を呼んでとりあえず話してみるか。)
「こちら緋空少佐。ビーコンを発信するから今すぐ戦闘機二機をこちらによこしてくれ。現地人と接触した。」
「少佐殿!?了解しました。払暁で大丈夫ですか?」
「ああ問題ない。」
相手の航空機に下に降りるようにハンドサインをする。
◇
side 航空隊
どうやら相手は下に降りろとのサインを出しているようだ。
こちらの機体だと敵わないから従うことにする。
「全機、着陸せよ。」
「「「小隊長……了解しました。」」」
降下していくと相手の機体も降下していくのが見えた。
どうやら相手も着陸するらしい。
帝国軍機じゃないなら話して協力を取り付けられるかもしれない……
はぁ……もはやジリ貧で巻き返せないこの国が情けない……
◇
side 緋空少佐
相手が下りたのを確認してから着陸する。
とりあえず広い平原があったのでそこに降りた。
降りると相手の人達が駆け寄ってくる。
「|~=~$R&&%$%$ERP)&?>'*」
何言ってるかわからん。
首をかしげていると何かの石のペンダントらしきものが投げ渡された。
「何が目的で来た?」
聞こえるようになった。不思議石もあるもんだな。
「嵐に遭って何故か知らない場所にいたから周りの状況を知るために偵察していたんだが街があったから見ただけだ。」
何故か兵士らしき人の何人かがどよめく。
「まさか………時の漂着者……?」
「それとどうして空戦を受けた?……悔しいが、十分逃げられただろう?」
問われたから偽りのない意見を述べる。
「自分で開発した機体の試験に使えると思ったから。それにそっちの機体も気になったし。」
あっはっはっはと笑い声が響く。どうやら指揮官らしき人だ。
「そりゃあ傑作だ!4vs1でも勝てると踏んだわけか。それとあの機体何km/h出るんだ?500km/h以上だろ?あっ、言いたくなければ良いぞ。」
「700km/hは出る。まあ高高度の方がいいけどな。」
「は?冗談だろ?」
「残念ながら事実だ。」
「それなら帝国軍機すらも逃げられなさそうだな。」
「帝国軍機?」
新しい単語だ。敵対相手なのだろうか。
「ああ、我が王国と戦争状態にある国の機体だ……圧倒的な性能差で制空権は奪われ、飛行機と飛竜の攻撃で街は焼かれて……少なくても最高速が400km/h台後半のうちの機体とは全然違うんだ……」
ウゥゥゥウウウウウゥゥゥゥゥ!
「空襲警報だ!すまんが話はここまで。出撃する。……それと……出来れば助けてくれないか……」
「承った。任せろ。」
「本当か!」
◇
「緋空少佐殿!到着しました!ってどうして空戦間近なんですか!」
「すまんが空襲だ。とりあえず攻撃側を全機墜とすぞ。」
「ああもう……了解しました。」
味方もやってきたし十分対抗できるはずだ……
王国軍機は……は?
単葉機(張線付き)×4と飛竜×12かぁ……飛竜は知らんが戦闘機の方は色々とやばいな……
敵機は……戦闘機24に四発重爆撃機10か……十分行けるな。
弾薬はフル搭載だし30mmなら消し飛ばせるはず。
「では行くか。」
ちなみに緋空さんが少佐になれたのは主力戦闘機開発の功績と純粋にパイロットとしての技量です。
ただ天風プロジェクトを始めるためにいろいろやってたら研究所送りとなりました。




