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ハイファン「魔王が言い寄って来てもやっぱ世界平和ですわ」

 いきなりラスボスBATTLE・・・。


 旦那ちゃんと嫁ちゃんは、艱難辛苦を乗り越え、ついにラスボス魔王の元へと辿り着いた。

 ギロリ。

 魔王は品定めをするような目つきで、嫁ちゃんを見る。


「やめろ魔王っ!そんなやらしい目つきで見るな。嫁ちゃんは一応、俺の奥さんだぞっ!」


「一応ってなんなのよ」

 旦那ちゃんの及び腰台詞に、嫁ちゃんはツッコミを入れる。


「ふふふふ。よい、よいぞ。その貧相なぼでぃ、実にワシ好み・・・ワシの物になれぃ。嫁ちゃん!」


「なに言ってんの。この時代錯誤のハゲたおっさん」


(ワシ)のこと」

 旦那ちゃんと魔王は同時に言った。


「気が強いのも実に良き、ワシの嫁になれぃ。旦那ちゃんの嫁ちゃんよ」


「日本語が変っ。旦那がいるのに、まさかのプロポーズっ。この世界のアイデンティティはどこにある?」


「魔王は世界を闇に陥れる者。コモンセンスなぞあるものか」


「それはその通りか。ならば戦って退けるのみ」

 旦那ちゃんは上段に剣を構える。


「ふはははははははっ!それはいい。旦那ちゃんを叩きのめして、嫁ちゃんを奪う・・・そして寝取られ旦那の・・・ムフフ」


「妄想が過ぎる。あ~もう、やっちまおう」


「来いっ!なんちゃって勇者どもよ」


 旦那ちゃんは勇者の剣を抜き、嫁ちゃんは賢者の杖をかかげる。


「いくぞっ!」


 嫁ちゃんの攻撃強化魔法により、旦那ちゃんの力は3倍となる。

「食らえっ!これが愛の力だ。ファイナルっ!クラッシュ!!!」


 魔王は両手をかざし、バリアをはる。

「無駄、無駄、無駄っ!」


「くっ!なんて強度だっ!」


「これが魔王の力だっ!嫁ちゃん、お前も魔王の嫁になれぃ。魔族はいいぞぉ」


「どっかで見た勧誘・・・煉獄さんの赤い炎かが見えそうだ」


「旦那ちゃん、こうなったら奥の手よ」


「らじゃ」


 嫁ちゃんは、杖を示し、旦那ちゃんの立つ地上に魔法陣を描く。

「火風水土の精霊に命ず。旦那ちゃんの身体を介し、その叡智の力を授けよっ!カモンヌっ」


 眩い光に包まれる旦那ちゃん。


「キタキタキタキタ~」


 バーンっ。

 それは全裸の旦那ちゃんの降臨だった。

 実に神々しい・・・それ。


「実に貧相なソレ。嫁ちゃんが可哀そう」

 魔王は輝く裸の旦那ちゃんを見て開口一番に言った。


「うるさーい。ヌーディストフラッシュ!」

 旦那ちゃんは、両腕を後ろ首に回して、反り返った。


「なにぃ!闇の壁が一瞬にして消えたっ!」


「からのー。はーいっ、ジャンピング・ヒップ・アタック!」


「ぐほっ!尻の穴が・・・見えるっ、見えるっ、丸見えだねぇ」


 魔王の鼻に旦那ちゃんのケツ穴がジャストフィットする。


「鼻がもげる~」


「とどめだっ!」

 旦那ちゃんは、身体をしならせ、全裸アピールを続け、高く飛んだ。


「・・・この動きっ!まさに自由奔放・・・太陽神〇カの如し」

 

太陽と旦那ちゃんのシルエットが重なる。

「旦那ちゃんっ、ビックバンっ!」


 詳しくは書けないけど、アルティメットな必殺技に、魔王は悶絶し倒れた。

 そう、世界に再び平和が訪れたのであった。

 めでたし、めでたし。


「ねぇ、旦那ちゃん、いい加減、服着たら」

「もう、ちょい、余韻に耽りたい」

「あっ、そう」


 ちゃん、ちゃん。



 にて。

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