純文学「旦那と嫁」
純しとる?
夕焼けが沈むころ、黄昏の街を旦那は足早に走っていた。
外は日中の暑さが抜けず、蒸し暑く、歩いていると身体中の穴から汗が噴き出し、不快感がたまらない。
旦那はマンションの階段を、息を切らしてのぼり、片手で首筋を仰ぎ、家の扉を叩く。
「ただいま」
と、いつもの帰りの挨拶をする。
「おかえり」
と、嫁が答える。
リビングはクーラーが効いていて外界の気だるさが嘘のようである。
旦那はクーラーの前に立つと、しばし冷気にあたり生気を得る。
「汗臭いよ」
嫁の一言に、
「うん」
と、頷いた旦那は名残惜しそうに、文明の利器の側から離れ、脱衣所へと向かった。
一度、クーラーの涼しさを味わうと、もはや居ても立っても居られない。
旦那は汗ばんだTシャツを窮屈そうに脱ぎ、それから慌てながらベルトを外し黒ズボンも脱いだ。
ついでに、ボンサーパンツも脱衣籠にかなぐり捨てる。
全裸・・・彼が信じて疑わないハダカという完全体となり、威風堂々、玉袋と竿を揺らしながら、リビングへと凱旋した。
勇者の帰還である。
クーラーに真裸の旦那が仁王立ち。
「・・・・・・」
嫁は白い目を旦那に向ける。
「アイル・ビー・バック・ヌーディスト・メン」
旦那のしたり顔に、
「汗臭いって言っているでしょ。ゲット・アウト」
ダダンダンダダン。
T2のラストシーンをイメージしながら、旦那は脱衣所へと戻っていった。
雰囲気変えてみました。
味は同じ(笑)。




