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ヲタッキーズ171 死ぬまでヲタ友

作者: ヘンリィ

ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!

異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!


秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。

ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。


ヲトナのジュブナイル第171話「死ぬまでヲタ友」。さて、今回は秋葉原の路地裏で引退したハズの銀行強盗が拷問され、挙句に感電死させられます。


3年前に捜査中に殺された捜査官の影がチラつく中、全てを知る捜査官の妻、ワケありな強盗の妻、内務捜査官が入り乱れる中、巨悪が浮上して…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 ファラテリストの品格


"秋葉原マンハッタン"の摩天楼が黄昏に染まる。首都高渋滞の赤いテールランプが、やがて光の河へと変わって逝く。


ビシッ!バシッ!


万世橋(アキバポリス)の地下リング。敏腕警部のラギィがシャドー"キック"ボクシングのスパーリング。

ソレを横目に入って来るイケメン。笑みを浮かべ、何気に片手懸垂を始める。凄い腕力だ。


「サンドバックは支えた方が良いな」

「そうね…お願い出来る?」

「あぁモチロン」


イケメンは筋肉隆々だ。ラギィは、安心してサンドバッグに向かいパンチとキックを繰り出す。軽くのけぞるイケメン。


「かなり良いね」


絶妙のタイミングで合いの手が入り、得意になったラギィはローリングソバット!さらに、打ち込もうとしたトコロで…


スマホが鳴る。


「ありがとう」

「いつでもどうぞ」

「はい…ラギィだけど」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御屋敷(メイドバー)のバックヤードをスチームパンク風に改装したら居心地が良く常連が沈殿、収益率は急降下でメイド長はお冠だw


しかも、今宵は…


「ソレじゃターンね」

「うーん今のはリバーだ」

「えっ。そっか5枚目はリバー。もしくは第5ストリートって言うのか」


そう言ってタブレットを見るスピアはサンバイザーにカマーベスト。白ブラウスに赤いリボン。ディーラーのコスプレw

御相手スル僕も同じコスプレ。爪楊枝をくわえ、ポーカーフェイスでカードをチラ見。挑むような視線でスピアを見る。


「スピア、大分わかってきたな。さすがはハッカー。飲み込みが早い」

「じゃあ誰の勝ち?」

「お?」


スピアの手札は…スリーカード?僕は目がテンになるw


「うーんスピアが勝ってた…リバーまでは」

「え?テリィたんもスリーカード?しかもジャック?」

「悪いな」


スピアは9のスリーサイズ…じゃなくてw


「またテリィたんの勝ちか」

「落ち込むな。初めての授業だろ?じゃ今宵はココで」

「なぜ?まだヤレる。もう一勝負。さぁ、配って」


トランジスタグラマーからトランプを渡される。


「ただいま…あら?何のコスプレ?テリィ様、何事?」

「あ、ミユリ姉様。おかえりなさい。ポーカーよ。ノーリミットのテキサスホールデム」

「ショックだわ。御屋敷(メイドバー)の中でギャンブルだなんて!…じゃ入れて」


僕の推しのミユリさんだ。コートの下はメイド服。彼女は、"潜り酒場(スピークイージー)"のメイド長ナンだ。賑やかにテーブルを囲む。


ココでスマホが鳴動。


「ごきげんよう、ラギィ警部。コチラは禁酒法下の"潜り酒場(スピークイージー)"だ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


殺人現場に駆けつける。地下アイドル通りの路地裏に古いセダンが乗り捨てられている。

警官が非常線を張り、鑑識が車内に首を突っ込んで写真を撮る。ドライバーズシートに…


「被害者はポルフ・インチ。車の登録者から割れました」


ポルフは、ドライバーズシートに目を瞑り、ガムテープで首や頭、胴体を固定され、手錠をかけられて…死んでいるw


「どんな人?」

「妻がいる。もう知らせました。今コチラに向かってます…

過去に前歴のある泥棒で銀行強盗が専門。"blood type RED"ながら、霊知(クレアコグニザンス)の可能性があるので、ヲタッキーズとの合同捜査をリクエスト…にしても、何年も捕まってないから運が良かったか…」

「もう引退してたか?」


一言付け加える僕。


「死因は…見る限り、感電死ね」

「でも、かなりの高電圧でなければ、こうはならないな」

「そうね。リード線をイグニッションにつないで、エンジンを急回転させてる」


"解答"は、僕のタブレットをハッキングして、車椅子の超天才ルイナがラボからの"リモート鑑識"で教えてくれる。


「状況からスルと拷問した挙句に殺した?」

「とにかく、やり方が残忍だわ」

「恐らく目的は何らかのメッセージか、彼から何かを奪おうとしたかね」


タブレットを囲んで、ラギィ警部やヲタッキーズのメイド2人と超天才の間で"タメ口"の女子トーク。僕も割り込む。


「引退した銀行強盗から一体何を奪うんだ?ソレより…」

「何?」

「目を閉じてる」


遺体は目を閉じている。高電圧の感電死なのに。


「ねぇ!誰か遺体に触った?」

「いいえ、警部。来た時から同じです。殺害後に誰かが目を閉じたみたいです。恐らく犯人w」

「犯人は被害者の知り合い!」


僕とラギィが異口同音。今回も僕達の息はピッタリだw

目を合わせ、大きくうなずく僕達。ウンザリする周囲←


「だから犯行の後、罪悪感を消し去ろうとして目を閉じたんじゃないかな!」

「ウチの鑑識に車を調べさせて。あと瞼の指紋も採取!」

「わかりました」


さらに、ラギィは車内をペンライトで照らし金属片を摘む。


「なんだ?超古代文字?」

「まさか。何かしら」

「浜崎アユナのシンボル?犯人は…アユなのか?!」


ラギィは、ペンライトで僕を照らす。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)に捜査本部が立ち上がる。


「モニカ・インチさん。お悔やみを申し上げます。コレに見覚えはありませんか」


ラギィはアユナのシンボルを示す。


「え。浜崎アユナ?まさか、夫は家族に黙って、隠れアユ推しだったの?」

「…いいえ。やっぱり忘れてください」

「夫は確かに銀行強盗だったけど、出所後は引退してました。そもそも2度としないって言う約束で結婚したんです。ところが、数週間前、世話になった人のために、最後の仕事をスルと…」


涙ぐむモニカ。


「誰のために何をしたのですか?」

「さぁ?でも、私は止めたんですけど、その人に借りがあるとか言って…おまわりさん。夫は確かに泥棒でしたけど、道義に厚い、昔気質の人で悪い人ではなかった。確かに罪は犯したけど、こんなコト…あまりにヒド過ぎます!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)のギャレー。


「引退した銀行強盗が、1度復帰しただけで即日拷問されて殺された。何か大きな因果関係が隠れてるハズだ」

「なぜ復帰しようとしたのかな」

「よほどの理由ょね」


ヲタッキーズのエアリ&マリレとパーコレーターのコーヒーを飲む。因みに2人はメイド服だ。ココはアキバだからね。


桜田門(けいしちょう)からの情報では、一昨日、キュウリ銀行の東アキバ支店に強盗が入ったらしいわ」

「あ、ラギィ。銀行強盗か。ポルフ・インチが関与してそうだな。詳しい状況は?」

「人を寄越すって」


敏腕ラギィ警部に続いて長身のイケメン現るw


「ソレが僕だ」

「わぁビックリした!異動したの?」

「マリレ。まだアキバに来たばかりさ」


何とイケメンはマリレとハグ。ざわつく女子達。


「時間ナヂスで一緒だった、敏腕のトムデ・ミングょ。コチラは相棒のエアリ。妖精なのょ」

「どうも。今度、背中の羽根を見せてょ」

「喜んで」


エアリと握手するトムデ。直ぐにラギィも交えて情報交換が始まる。紹介されずニコニコ笑ってる僕。転校生の気分だ。


「あ。トムデ、テリィたんょ」

「あの国民的SF作家の?」

「そうだ」


我ながら滅多に無いコトだが、自ら肯定←


「君は、ラギィ警部のコトはもう知ってるのか?」

「あぁ知ってる。モチロンだ」

「ヤダ。恥ずかしー」


ハニかむラギィ。前の職場で"新橋鮫"と呼ばれたスゴみは完全封印して合コンデビューの清純女子ヲーラを出してるw


納得出来ない展開だ。目を疑う←


「みんな。あ、テリィたんも。あの銀行強盗の手口は、ポルフ・インチしかいナイと思うンだ」

「まぁ!いったいソレは、どのような手口なのでしょう?教えて、トムデ・ミング捜査官さま」←

「数人でトンネルを掘り、貸金庫をこじ開けて、香水の香りを残す」


何だょソレ?ソコまでされて何で捕まえられナイんだ?


「そうなると、ポルフ・インチ1人の犯行ではないのか?」

「YES。最低でも2人はいる計算だ。今も共犯者が秋葉原の何処かに潜んでいる」

「彼の通話記録と口座を調べるわ。共犯者がわかるカモ」


ラギィ。そんなのヲタッキーズにやらせろょ警部だろ?


「犯行後、その共犯者が用済みになったポルフ・インチを拷問して殺したのか?何か違うな」

「テリィたん。どっちにせよ強盗と殺人は繋がってると思うの。ね?トムデ・ミング捜査官さま?」

「にしても!たかが1つの貸金庫のために…」


なぜか大声になり道理を説く僕…を爽やかに遮るトムデw


「しかも、他の貸金庫の大金には、全く手を触れていない。僕は妙な事件が好物で、今回も担当を申し出たワケさ」

「奇遇だわ!私も同じ気持ちょ!」

「私も!」


次々ナビく女達。セクスィー部長かょw


「今どきトンネルを掘って、殺人を犯すほど重要…ダイヤ?無記名債権?ナヂスの金塊?」

「未だソレはわからない。その貸金庫の利用者に話を聞きに行くトコロだ。ココに呼んだんだが。ラギィ警部、君も一緒にどうだ?」

「えぇ。喜んで」


居酒屋かょ?しかも、ラギィは明らかにハニかんでる。

さすがに、思わズ顔を見合わせる、僕とヲタッキーズw


「ヲタッキーズの"3"人は聞き込みょ!ポルフ・インチの共犯者を探して。過去の共犯や彼に貸しがあるような人ょ。よろしくね!」


腕組みしそうな勢いでギャレーを出るラギィとトムデw


「最近2話も続けて命を救ったのに」


取り残される僕達ヲタッキーズ"3"人。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)の会議室。


「フレデ・キャナさん。ご足労ありがとうございました」

「キャナって呼んで」

「盗まれたモノは必ず取り返しますょ。で、貸金庫の中身は何でしょう?」


公然と明言するキャナ。


「切手ょ」

「はい?切手?」

「えぇ集めてるの」


無茶苦茶怪しい。


「どうして警察に被害届を出さなかったんですか?この2日間、銀行からは何度も連絡がいったでしょうに」

「うーん仕事で忙しかったのょ」

「お仕事は何を?」

「八百屋ょ」←


マジですか?


「さて、盗まれた切手の価値はどれほどですか?」

「うーん難しいわ。あーゆーモノは、値段をつけるのが難しいの。つまるトコロ、愛着の問題ょね?感情の付加価値がアリます」

「ソレが貸金庫に入っていたと知っていた人は誰ですか?」


頭をヒネるキャナ。バカっぽいw


「ほんの数人ょ。アタイと何年も親交のある、数人の切手ファンょ。みんな信頼出来るお友達ばかり」

「フィラテリストになってからどの位ですか?」

「あのね!アタイは腐女子じゃナイわ!」


何と聞き違えたのか、席を立ち激怒するキャナw


「おい!フィラテリストは切手研究家のコトだ。ホントの切手マニアなら当然知っているハズ。キャナ、金庫の中にはマジで何が入っていたんだ?」


キャナは真っ赤になって仁王立ちw


「根掘り葉掘り何よっ!アタイは被害者よっ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)のギャレーでパーコレーターのコーヒーを沸かしていたらヲタッキーズのエアリ&マリレが現場から帰って来る。


「おかえり!ポルフ・インチの強盗仲間はどーだった?」

「全員がインチは引退したと言ってるわ」

「ラギィは?」


僕は苦々しげに会議室を指差す。


「例のフレデ・キャナと話をしてる」

「フレデ・キャナ?!」

「うん。強盗された貸金庫のオーナー…おい!マリレ!」


マリレが飛び出して逝くw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その勢いキープで会議室に飛び込むマリレw


「あらぁ!"時間ナヂス"のマリレじゃナイの!」


おどけた風情でのけ反って見せるキャナ。


「今はヲタッキーズょ。ソレに私は国防軍!」

「ソレはおめでとう。総統を見捨てて瓦礫のベルリンからタイムマシンで逃げ出した甲斐があったわね!」

「お黙り!ラギィ、コイツはレイシの取り立て屋ょ!」


スゴい剣幕だw


「レイシ?誰?」

「時間犯罪シンジケートの大物。いつの間にか東秋葉原でビジネスパースンになってる。今は秋葉原D.A.(特別区)の権力者とコネがあって手が出せない」

「YES。ソコにいる"時間ナヂス"は、相棒とシンジケートを嗅ぎ回っていたわ。あら?あの相棒、最近は見ないわねぇ」


トムデの説明を聞き流し、挑発するキャナ。


「今度はアンタを挙げてやるわ!」

「上等ょ!アントワープの決着をつけよーじゃない」

「ラギィ!こんな奴、構うだけ無駄ょ。私にヤラせて!」


重要参考人に殴りかかるマリレ…だが、全員に取り押さえられる。キャナはエレベーターで移動。ラギィが厳しく叱責。


「マリレ、今のは一体どーゆーコトなの?」

「ラギィ、キャナはシンジケートの"悪の女幹部"ょ!」

「だから?落ち着いて、マリレ」

「私の相棒は…レイシに殺されたのょ」


立ちすくむラギィ。


第2章 時間ナヂスの絆


捜査本部でマリレの話を聞く。


「私の相棒は、アイク・ソトン。時間ナヂスにいた頃から組んでた。私達の担当は時間犯罪で、ビクナ・レシンの逮捕に向けて動いてた」

「時間ナヂス?所轄に"リアルの裂け目"が開いてる分署を任された精鋭じゃない」

「そんなある日、アイクが突然消息不明になった。さらに、最悪なコトに内務調査部が動き始めた。あたかもアイクがレシンの協力者であったかのような調査だった。全部デタラメょ。数日後、埠頭でアイクの車が発見された。外は蜂の巣のように撃たれて、シートは血だらけ」


…よくある話だw


「明らかにプロの仕業ね」

「でも、レシンの関与を証明出来ない。アイクの遺体は見つからず、その後レシンの捜査は打ち切られた。その後"リアルの裂け目"は閉じ、私はヲタッキーズに引き抜かれた」

「なるほど。信じるわ、その話」


マリレは、みんなに訴える。


「1つ確かなコトは、例の貸金庫に入っていたのはレシンに関係のあるモノだと言うコトです。絶対に切手じゃナイ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ギャレーで僕とラギィとトムデ。


「かなりマリレは感情的だったわ」

「ラギィ、無理もない。おそらくポルフは盗みが発覚し、殺されたんだろう」

「だから共犯者を吐かせるために拷問されたのね?トムデ」


いちいち名前を呼び合うなw


「とにかく、レシンは貸金庫の中身を取り返そうと必死になってるようね」

「そもそも、なぜポルフだとバレたのかな?」

「プルート香水の香りが残ってたんだ!」


とりあえず、一言割り込んでみたが無視されるw


「多分レシンには優秀な情報源がいるのよ」

「なるほど。ソレでポルフを殺したのは、やっぱりキャナだと思うか?」

「そうとも思ったけど、シロなのょ。彼女にはレッキとしたアリバイがあったの」


辛うじて一言挟む僕w


「用意が良いな!」

「そういえば、現場の鑑識結果が出た。丁寧に拭き取られていて参考になる指紋は無いらしい」

「例の浜崎アユナのシンボルみたいな金属片も、まだ何だかワカラナイわ」


"新橋鮫"とイケメン。絵になる2人の会話に割り込むw


「キャナを犯人とスル証拠もナイ。次はどうする?」

「強盗のホントの被害者に会ってみましょ?レシンに会いに行きましょうょ」

「大胆だな!ソレに、とても僕の好みだ!」


何をバカなコトをw


「おいおい。世紀の悪女が貸金庫の中身を話したり、殺人を語ったりスルと思うか?」


何とラギィにタシナメられる。


「良く見てればわかるわ。良く見て勉強してょテリィたん」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


レシンのオフィスは、中央通り沿いの高層タワーにある。

大スクリーンいっぱいの画像に向けてゴルフの練習中だw


「おまわりさんが、ウチまでワザワザご足労を?はて、何の御用かしら」

「東秋葉原のキュウリ銀行の貸金庫が破られたの。利用者は貴女のお友達のキャナ」

「全く物騒な世の中になったモノねぇ」


気遣いの言葉の割にはスイングをヤメる気配はナイ。


「お友達のキャナは、貸金庫には切手を入れていたとか」

「なかなか楽しいコレクションなの。私も何回か見せてもらったわ」

「レシンさん、わかってるのょ。入っていたのは、貴女にとってもっと価値のあるモノだったのでしょ?」


大きく振りかぶりながら答えるレシン。


「うーん何でそう思うの?」

「強盗犯の1人が駐車場で殺害されてる。被害者のポルフ・インチには拷問の痕まであった。切手を取られただけじゃ普通そこまではしないでしょ。レシンさん、昨夜はどこに?」

「ウチょ」


もう1回フルスイング!


「立場上、私にはボディーガードが24時間つく。アリバイは、彼女達が証明スルわ。でも、まさか私が犯人だとは思ってナイでしょ?誰かにやらせると思ってるから」


突然僕の頭をゴルフのクラブでコツコツ叩くw


「カウンティングクーょ」

「ア・バオア・クー?」

「…超古代の風習。敵に出来るだけ近づき、棍棒で相手の頭をコツコツやって勇気を示す儀式」


オカルト雑誌"ラー"の読み過ぎだw


「貴重な前髪が…」

「テリィたん、大丈夫。髪型は決まってるわ」

「ありがと」


ラギィとの夫婦漫才。レシンは怪訝な顔w


「と、とにかく!金庫の中身が重要なら、どうしてポルフの共犯を捕まえナイの?結局のトコロ(ことわざ)通りなのね。"盗人に仁義ナシ"」


大きく振りかぶって…フルスイングw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)への帰り道。僕とラギィとトムデの3人で、横一列になって中央通りを歩く。何か時代劇の主人公になった気分w


「ラギィ、とても良いツッコミだったょ」

「ありがとう、トムデ」

「ホーラ見ろ。結局、時間の無駄だったね?」


端的に結論を述べたまでだが、ラギィに絡まれるw


「テリィたん。否定からわかるコトだってアルの!」

「例えば?」

「レシンもまた、ポルフの共犯者を見つけてナイ」


何とトムデに割り込まれるw


「そうか。レシンが既に見つけていたら、共犯の話は出さないモノな(なるほどw)」

「警察の手を借りてでも、ポルフの共犯者を探す気だ。かなりレシンも必死だ」

「コッチが先に見つけたら、レシンは地団駄を踏むな」

「同じだょ。共犯者を刑務所内で殺す力はアル」


トムデの逝うコトには説得力がアル。スマホが鳴る。


「はい、ラギィ…わかった。直ぐ行くわ…テリィたん。ルイナが遺体の指紋確認をしたって」

「じゃあ僕はポルフの口座を見て来るょ」

「わかったわ。気をつけて」


微笑みトムデを見送るラギィ。見たコトのないオスマシ顔。


「あのさー」

「何?」

「…別に」


会話にならないw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)の検視局。水槽みたいなケースの中に遺体が入っている。中は蒸気で曇り大きなホースが差し込まれている。


「最高にカッコ良いな。写メっても?」

「一応良いけど、ネットに流したりしたらボコボコにするからね…それで、ラギィ。ハンサムなMr.桜田門(けいしちょう)とはどうなの?」

「トムデ?一緒に事件を担当してるだけょ」


ハッキングした僕のタブレット経由でラギィと女子トーク全開の超天才。僕はラギィにタブレットを預けて写メに専念。


「まぁテリィたんと何度も現場を一緒にして何もナイなら…私、貴女達が再びつきあう方に賭けて大損したわ」


何なんだソレ?おい!PCが明滅してるぞ!


「ルイナ。検視局データベースの検索結果が出たぞ」

「犯人がポルフ・インチの瞼を閉じた時につけた指紋の照合結果ね?」

「YES…でも、一致する指紋がヒットしたけど…その人は死んでるわ」


超天才は歯切れが悪いw


「あり得ない。ゾンビ化したとか?」

「まさか。ゾンビじゃなくて殉職警官だって。アイク・ソトン?誰?」

「マリレの元相棒だわ」


僕とラギィは顔を見合わせる。


「生きてるの?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「アイクのお葬式にも行った!奥さんの手も握った。それでも、彼が生きてて、レシンの手下となってると言うの?挙句にポルフ・インチを殺したとまで!」


マリレはほとんど絶叫。万世橋(アキバポリス)の捜査本部。


「姿を消して地下に潜航スルための偽装だった可能性がアル。レシンに殺され、捨てられたフリをしてた。遺体は出てないし」

「そんなコトをスル奴じゃないの。警官として彼は絶対にしないし、相棒の私を裏切るコトもない!」

「マリレ。内務調査部のホリウ・ウェブ警部だって」


バリバリスーツのキャリアガールだw


「知ってる。誰が知らせたの?」

「勝手に押し掛けて来た。私達の動きを知ってる」

「お久しぶりね、マリレ。どーやら、私の仮説通りだった。どう?」


マリレを挑発してる。キャリアガールは厄介系w


「いいえ。ソンなコトはナイわ」

「貴女は、アイク失踪の内務捜査をした人なの?」

「YES」


自信たっぷりに答えるホリウ。


「貴女がアイク・ソトンを疑った根拠は?」

「レシンは常に我々の一歩先にいた。調べる内に警官に情報源がいるとわかった。その後、ある密告により情報源がアイクだと判明した。逮捕しようとしたトコロで、彼は姿を消した。こっちの動きを察知したのだろう。殺されたと思ってたが、どーやらレシンの手下に囲われてたようだ。マリレのトコロに連絡はあった?」

「連絡?どーゆー意味ょ?私の相棒を疑うの?」


ラギィも加勢スル。


「ホリウ警部。貴女、マリレの相棒を疑ってるの?」

「え。誰が疑ってるの?聞いてるだけじゃない」

「何を?アイクの計画を?私もグルだと?答えはNOょ!」


ホリウは意に介さない。


「あのね。こーゆー手の込んだウソには手助けが必要ょ」

「答えたハズ。私は何も知らない。私をスーパーヒロイン用のウソ発見器にかける?」

「あら。良いの?」


たまらずラギィが叫ぶ。エアリはマリレを背後に庇う。


「ヤメて。ソンなコトは必要ナイわ」

「良いの。ソレで警察の気が済むのなら」

「だから!ソンな必要は無いって!ヤメてょ2人とも!」


何かが崩れ去る音が聞こえる…


「ヤルわ」

「マリレ!」

「じゃ1時間後に来て」


溜め息をつくラギィ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)のギャレー。


「警察の内務調査って、理不尽な存在ね。気にしちゃダメょ。マリレはもう警官じゃナイんだから」

「ありがとう、エアリ。でも、奴の立場もわかるわ」

「とにかく!私達はヲタッキーズ。警官じゃナイわ。そして、私はマリレのヲタ友。だから、秋葉原で起きたコトは、何でも話して」


メイド服のスーパーヒロイン2人が語り合う。


「エアリ。実は、全部忘れようとしたけど、コレだけは…ヲタッキーズになっても、いつも持ってた。あの日々に"リアルの裂け目"の出口を守り切った時間ナヂスの全員が持ってるキーホルダーょ。安物だけど、署員の誇りなの」


凝ったデザインの"57th"と描かれたキーホルダー。


「待って、マリレ。アイクもコレ、持ってたのか?」

「ええ。持ってたわ。なぜ?」

「貸して」


キーホルダーを手に、ホワイトボードの前へと移動。浜崎アユナのシンボルに似た金属片の写真と比較して…息を飲むw


「やっぱり…でも、半分欠けてる。だから"57th"だとは気づかなかった(欠けてなくても"57th"には見えないけど!)。きっとポルフと争った時に折れたのね」

「じゃあ…やっぱりアイクが犯人なの?」

「マリレ。貴女、この事件から外れた方が良くナイ?」


ラギィだ。いつの間にか本部のドアに寄りかかってるw


「ダメょラギィ。元相棒でも人殺しには違いナイ」

「彼は、日常生活も友人も、人生スラ捨てて地下に潜り、長年死んだフリをしてる。誰かの助けがナイと出来ないコトだ」

「ソレがレシンだと?テリィたんまで彼を疑うの?」


凄まじい形相で僕を睨むマリレw


「(ソレもそうだがw)違うょ!アイクは、結婚して子供もいたンだろ?家族は知ってたンじゃナイか?」

「アイクの奥さんのキャルとは、先月も会ったけど、何も知らなかったわ」

「ホントに確かか?」


ってか、アイクとは家族ぐるみのお付き合い?仲良くね?


「…確かなコトなんて何もナイわ。じゃいって来るわ」

「待って。どこへ行くの、マリレ」

「ウソ発見器を受けてくる。汚名返上ょ」


頭を抱えるベケット。


「エアリ。奥さんのキャルを連れて来て」


立ち上がるエアリ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「悪いけど、信じないわ!」


アイクの妻キャルは、髪をブロンドに染めている。ヤタラ胸の谷間を強調した"普段着"で万世橋(アキバポリス)の会議室に登場スル。


「銀行強盗の遺体に、ご主人の親指の指紋があったの。彼は生きてる。他に説明がつかないの」

「夫の遺体から親指を切り落とした犯人が…」

「でも、ソレはナイと君もわかってルンだろう?」


僕とラギィのコンビで事情聴取。


「キャル。夫が何年も前に死んだにしては、君みたいな美人に恋人もいない理由は?」

「シングルマザーには恋する時間ナンかナイわ。おまわりさんにはワカラナイでしょうけど。夫は、容疑者扱いされて死んだ。殉職として扱われナイから、国旗も年金も一切もらえナイの」

「なのに、貴女はローンを払って…」


ラギィの言葉を遮るキャル。


「もしも夫が生きているなら、私達は夫婦。夫に不利となる証言は強制されないハズょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


キャルにお引き取り願い、ホワイトボード前で反省会。


「奥さんは、アイクが生きてると知ってたね」

「でも、あーして権利を主張して何も話さないわ」

「…私になら話すカモ」


マリレがホワイトボード前に合流。


「お?ウソ発見器は合格ね?」

「モチロンょ。ホリウはひどくがっかりしてたけど。キャルは私になら心を開くわ…貸しがアル」

「わかった。明日話して来て…彼女の家は監視スルけど?」

「わかったわ」


ホワイトボード前の全員が立ち上がる。


「裏切り、ウソ、策略…まるでDD(誰でも大好き)の推し活みたいだ。なんだょラギィ?」

「ポルフ・インチと共犯者は、命がけで何を金庫から奪おうとしたのかしら」

「ソレは…」


僕の仮説を聞かズにスマホするラギィ。


「おい、誰にかけ…」

「トムデ!ちょうど今、電話したトコロょ!」

「スゴい偶然だ!ちょうどラギィの顔を見に来たトコロさ」


何とスマホ片手にホワイトボード前に現れるトムデw


「私達、気が合うね」←

「だな。マリレからアイクについて聞いたょ。進展は?」

「ない。今、調べてるわ。ポルフの共犯者は?」


首を横に振るトムデ。


「ダメだった。通話記録と口座は空振りだった。ただ、明日キュウリ銀行の防犯カメラの画像が届く。もし、ポルフ達が下見をしてれば、共犯者も写ってる可能性がアル」

「そっか。下見には共犯者も当然同行するハズょね」

「そうだ。一緒に見ないか?」


イケメンに誘われてヤタラ乗り気なラギィw


「えぇそーね!2人の目で確認しましょう。ゼヒ!」

「じゃあ明日」

「おやすみなさい、トムデ捜査官」


何なんだこの2人は。ラギィはヤタラ爽やかにホワイトボード前を去る。まさか入念に入浴して明日に備える気なのか?


突然トムデに話しかけられるw


「テリィたん。聞いて良いか?ラギィとは、何か、その、君は、特殊な関係がアルのかな?」

「僕と?」

「YES。抜けがけとかはしたくナイんだ」


もうしてるょw


「ソレはナイ。数いる元カノの1人さ」←

「そうか。じゃおやすみ」

「(地獄に落ちろw)良い夜を」


トムデも去り、1人会議室に取り残される。


第3章 負けるレッスン


結局、その夜遅く"潜り酒場(スピークイージー)"に御帰宅。スピアにせがまれて、ノーリミットでテキサスホールデムのおさらいをスル。


「たとえ、どんなに良い手が来ても笑うな。必要なのはポーカーフェイス。日常生活でも駆使スルと何かと便利…いや、そうでもないか」

「テリィたん、どうしたの?」

「なんでもない。クイーンのペア。スピアは?」


殊勝な生徒が、イジワル婆さんに変身w


「ジャーン!キングょカウボーイのペア。私の勝ち。悪いねぇ今度ポーカーを教えてあげようか?」


テーブルのチップを抱え込むスピア。


「今のスピア、学生時代の元カノにそっくりだ」

「最高検察庁にお勤めの?」

「いいや。アキバD.A.(特別区)大統領の方」


スピアは聞いてないw


「コレで私の罰ゲームは、チアガールのコスプレ1回ね。テリィたんの罰ゲームは、閉店後のホール清掃4回と次回のカジノデーで着るバニーガール服のプレゼント。あ、ミユリ姉様とお揃いにスルから姉様の分もね…どーしたの?」


考え込む僕を覗き込むスピア。


「僕は…も少し負ける練習をしないとな」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


和泉橋の向こうに見える摩天楼がオレンジ色に染まる。ビルの谷間の街に朝が来る。神田佐久間河岸の安いマンション。


「こんにちは、キャル。少し話せる?」

「マリレお姉ちゃん?久しぶり!」

「ティコ、調子は?」


飛び出して来た幼女をハグするマリレ。


「ティコ。大きくなったね。お友達のエアリょ」

「わーいメイドさんが2人になった」

「よろしくね、ティコ」


幼女は満面の笑みを浮かべる。


「ねぇティコ。エアリは妖精なの。メイド服の下の羽根、見せてくれるって」

「OK!ティコ、空も飛んでみる?」

「わーい」


娘が手放しで喜ぶサマを、壁にもたれたママ見ていたキャルは、おもむろにキッチンに姿を消して、コーヒーを淹れる。


「いつから知ってたの?今、アイクは何処?話して欲しい。彼のためにも」

「あの人を逮捕スルの?」

「殺人の容疑者ょ」


静かに首を振るキャル。


「違うわ。彼は殺してない」

「キャル、アイクの指紋が出たの」

「やめて!お願い。頼むから彼を探さないで。今はヤメて。あともう少しなの」


必死の眼差しが、マリレの眼底を貫く。


「あと少し?何?」

「ごめんなさい。今は言えないのょ」

「キャル…」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


同時刻。署の窓がオレンジ色に染まる中、膨大な量の防犯カメラの画像チェックに追われるラギィ。トムデが覗き込む。


「クリックする指が疲れたら言ってくれょ代わるから」

「ありがとう。大丈夫ょ」

「君は覆面パトカー(FPC)の運転も譲らないタイプだろ?」


ニッコリ微笑むラギィ。またまた"あのオスマシ顔"だw


「パーコレーターのコーヒー持って来たぞ!」


ズケズケ割り込む僕。


「ごめんなさい。もうトムデにもらったわ」

「彼女は、スターボックス(スタボ)珈琲が好きナンだ」

「あ、そう…ポルフ・インチだ!」


ドヤ顔で画像を指差す僕。自分でも嫌な奴だとは思うが、2人を思い切り邪魔して空騒ぎ、じゃなかった、大騒ぎスルw


「やや?ホントだ。やっぱり下調べしてルンだな」

「共犯らしき人物は写ってる?」

「うーんポルフの妻のモニカだ。しっかり夫婦で下見してるょ。彼女は僕達にウソをついたな」


僕とトムデは顔を見合わせるw


「やれやれ。他にも色々とありそうだな」

「コ、コレは…死んだハズのアイク・ソトン?」

「ウソだろ?レシンの手下なのに、何でアイクと?」


3人は顔を見合わせる。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


捜査本部は騒然だ。


「アイクがポルフの共犯者だって?」

「恐らくアイクがレシンの金庫について知り、ポルフの技術を借りたんだろう」

「…だのに、なぜ拷問して殺した?」


謎だw


「レシンの言う通り、この世界は"盗人に仁義ナシ"なのカモしれないな」

「犯人は、アイクじゃナイのカモ」

「でも、アイクが現場にいたコトは間違いがナイ」


全員で首をヒネる。


「2人が組んでいた可能性もアルわ」

「キャルの言葉も事実と噛み合わない。何かが違ってる」

「その答えは今にワカルわ」


モニカが、捜査本部に連行されて来る。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ラギィ警部自ら、モニカ・ソトンの取り調べ。


「あのね、モニカ。貴女が夫の手助けをしたとか、銀行の下見をしてたとか、ハッキリ言ってどーでも良いの。私達は、ただ貴女の夫を殺したアイクを探したいだけ」

「アイクが私の夫を殺した?警察は、ソンなコトを考えてるの?アイクは、ソンな人じゃナイわ。12年前、アイクは夫と私の弟を強盗で逮捕した。でも、初犯の弟のコトは見逃してくれたの。夫は5年服役したけど、その恩を忘れなかった。だから、その恩返しに今回の仕事も受けたのょ」

「ところが、ソレがアダになった。アイクの指紋が貴女の夫の遺体についていた」


モニカは余裕綽々(よゆうシャクシャク)だ。


「信じられナイわ」

「とにかく!アイクがその場にいたのは確かなの。貴女の夫を拷問して殺したのょ?」

「金庫の中身は何だった?お前達は、レシンの金庫から何を盗んだんだ?」


シビレを切らしたトムデが詰問。


「アイクは、儲けを折半スルのが惜しくて、ポルフを殺したンじゃナイのか?」

「折半?おまわりさん、何も知らないのね?分けるモノなど最初からナイのょ」


突然、笑い出すモニカ。僕は、マジックミラーに寄り掛かりながら、ズボンのポケットに両手を突っ込んで聞いている。


「金庫には何が入ってたんだ?中身は何?」

「記録ょ。台帳」

「台帳?」


思わズ身を乗り出す。


「YES。レシンのお金の記録。合法的なビジネスも裏稼業も全て。商売についての全部ょ」

「その会計記録をネタに脅迫すれば、大金をゲット出来る」

「そう。帳簿さえあればね。でも、ポルフが金庫を開けたら中は(カラ)だった」


あっけらかんと話すモニカ。悪びれもせズ。


(から)?」

「台帳は…なかったの?」

「YES」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ホワイトボードの前に全員集合だ。


「アイクは、強盗の後で共犯者を拷問し殺害。だが、盗もうとした金庫は(カラ)だった?…うーんヤッパリ変だわ」

「どう考えても、アイクがポルフを殺すのはオカシイと思う。元相棒だから言うワケじゃないの。だって、殺す理由がないし、筋が通らナイでしょ?」

「ラギィ警部!」


ホリウ・ウェブ警部が割り込むw


「内務調査部が何の用?」

「レシンの組織の主要メンバーを盗聴してる。何かしらアイクの話が出るカモと思って」

「ソレで?結論を言って」


内務調査部は嫌われ者だ。みんな接点を持ちたがらない。


「レシンもアイクを探してる。首に懸賞金をかけると言っているわ」

「アイクが闇帳簿を狙っているコトを知ったのね?」

「アイクは、また裏切ったわ。今度はレシンょ」


ホリウの皮肉を聞き流しすマリレ。


「キャルが危ない!レシンがアイクを追っている。アイクの家族が危険だわ!」

「待て、マリレ…エアリ、マリレを追ってくれ」

「ROG。テリィたん」


ラギィはスマホを抜く。


「監視チームに連絡スルわ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


安マンションのドアをバンバン叩くマリレ。


「キャル!ティコ!マリレょ!」


銃口がラッパ型に開いた音波銃を抜いて室内に飛び込む!


「ティコ!」

「マリレ、子供部屋は?」

「いないわ」


合流したエアリと手分けスル。


「消えたわ」

「監視チームが見張ってたのに…レシンかしら」

「エアリ、近所の聞き込みを。目撃者がいるカモ」


うなずき出て逝くエアリ。残ったマリレが、フト気配を感じ振り向くと…アイクだ。カウチに座り音波銃を向けている。


「マリレ。娘のティコの世話をありがとう。礼を言う」

「2人は?キャルとティコは何処なの?」

「レシンに見つからないトコロさ」


アイクの音波銃はマリレに向けられたママだ。


「監視がいるのに、なぜ入れたの?」

「3年も地下に潜ってたンだ。色々覚えるさ。マリレ…良い女になったな」

「ヤメて。捜査の通りなの?3年前も、今も…貴方はレイシの手下なの?」


首を振るアイク。


「そんな…ヤメてくれょマリレ」

「私達に自分は死んだと思わせた挙句、今、貴方は私に銃口を向けているわ」

「マリレ。俺達は"時間(タイム)ナヂス"。第2.5帝国最後の優秀な軍人(ラストバタリオン)だ。俺が音波銃を下ろせば、お前は俺を射殺スル。そうはさせない。やっと近づいたのに…」


アイクは瞳を伏せる。


「何のコト?何をスル気なの?」

「レシンの手下が警察の内部にいる。俺がソイツの代わりに疑われた。内務調査部までウソを信じてる」

「なぜ私に話さなかったの?相棒でしょ?」


責めるマリレ。相棒と逝うよりも…


「マリレ。お前が俺の味方につけば、お前も一緒に疑われる。"時間ナヂス"にとっちゃ命取りだ。それだけは、避けたかった…奴等は、俺を収監するつもりだった。そうなれば、俺は容疑が晴れる前に刑務所内で殺されてたろう」

「ずっと…ずっと何処にいたの?」

「調査してた。それで台帳の存在を知ったンだ」


恐るべき執念だ。


「奴等の金の記録?」

「YES。そして、俺をハメた警官の名前も描いてある。ところが…ソレは金庫にはなかった。挙句、ポルフが捕まって殺された」

「貴方の指紋が遺体についてたの」


マリレは涙目だ。


「俺が駆けつけた時には、もう死んでた。俺は、たまらずに目を閉じてやったンだ」

「台帳は?」

「在処はわかってる。ただ、明日の晩まで、どーしても時間が必要なんだ」


ソレを聞き、ポケットに手を伸ばすマリレ。音波銃を向けるアイク。ソレを制し指差す。ポケットから取り出したのは…


"時間ナヂス"のキーホルダーだ。


「今でも持ってる?」


キーホルダーを見せるアイク。


「もちろん持ってるさ。ラストバタリオンの誇りをなくしたコトはナイ」


キーホルダーを見せる。ちゃんとした形をしている。時間旅行を経て、その後の長時間が経過しても何処も欠けてない。


「なら別の奴が関わってるわ。時間ナヂスの他の誰かが関与してる」

「そいつがレシンに俺が生きていると知らせたんだ。おそらく捜査関係者だ」

「時間ナヂス…トムデ・ミング捜査官だわ」


第4章 死ぬまでヲタッキーズ


万世橋(アキバポリス)の捜査本部。トムデは、ホワイトボードの前で熱心に推理をしている…その背中を険しい顔をして見つめる僕達。


「トムデ・ミング。奴が犯人ょ」

「マジ?でも、そう言えば自ら事件の担当を申し出た?」

「ソレは、レシンの帳簿を盗もうとスル犯人を探し出して…殺すためょ。ポルフみたいに」


やっと僕の主張が認められる!


「僕は、最初から胡散臭い奴だと思っていた。カッコ良過ぎルンだょ。ナンパ目的でヨガに通うタイプだ」

「かはともかく、アイクに罪を着せ、自分はレシンと金儲けを狙ってる」

「知的な雑誌を持ち歩くが、中は決して読まない」


マリレと先を争って主張を展開スル。


「私達を欺き、ポルフの相棒を探させてたのょ」

「ヨガ雑誌の表紙だけを見せびらかすタイプなのさ」

「あのクズ…捕まえてヤル」


おお?ラギィがホンキ出す!


「ラギィ、どうする?」

「レシンへの連絡にはスマホを使ったハズょ。スマホのSIMカードを調べましょ。レシンに発信してたらクロょ」

「OK。で、どうやって奴のスマホを奪う?」


その時、トムデが振り向き、僕達に気づく。僕達は一斉にアチコチを見る。ラギィだけが微笑んでヒラヒラと手を振るw


「良い案がアルわ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)の地下リング。文字通り地下キックボクシングのミックスファイトだ。ラギィvsトムデ。深夜のスパーリング!


「さぁ来て!」

「ふふふ。女子とヤルのは久々だな」

「じゃ手加減スル?」


マジで踏み出したトムデの足を払って倒す!


「ちょっとイジメ過ぎたかしら?」

「いや。少し出だしが遅いもんでね」


ラギィの腕を掴んで投げ飛ばす。


「さぁ来い。やっとリズムが掴めて来たょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


同時刻。万世橋(アキバポリス)のロッカールーム。


エアリとマリレを従え、トムデのロッカーをこじあける僕。僕がバールでチェーンを切ると同時に全員で大きく咳払いw


「エヘン!コホン!アハン、ウフン…テリィたん、早く!」

「よぉメイドさん達。シャワー?」

「ええ。消火設備の点検ょ。年に1度の」


曖昧に納得してシャワーに消える署員。チョロいw


「あった。ヨガ野郎のスマホだ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


一方、血戦の地下リング。


「事件の手がかり?」

「捜査中!」

「マリレ?」

「辛そう」


激しいキックの応酬w


「"時間ナヂス"のキーホルダー。今でも手放さない」

「僕も持ってた」

「…持って"た"?」


飛び膝蹴りを食うラギィ。


「何年も前になくしたけど」


マットに大の字に倒れたラギィに手を差し伸べる。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


トイレに立った技術班員にメッチャ絡むエアリ。逆壁ドンに完全勘違いの班員を尻目にルームに潜入。SIMカード挿入w


「きっと幼女画像とかワンサカ出て来るぞ!」

「裸のお相撲サンだったらどーしよー?」

「アップロード開始」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


差し伸べるトムデの腕を取って腕ひしぎ十字固め!


「うあ。さすがに僕の方はもう限界だ」

「お相撲のコトとか考えると、長持ちスルらしいわ」

「君の趣味は?人を痛めつける以外に」


ラギィのローリングソバット!もはやプロレス?


「趣味は読書。出不精なの。貴方は?」

「僕の何だ?はっきり言え。ポルフ殺害のアリバイだろ?」

「その通り。じゃあ言いなさい」


足を払ってラギィをマットに倒す。背中を打ち呻くラギィ。マウントを取られ、両手を押さえ込まれて…顔が…近づくw


「答えは…コレだ」


唇を塞がれるw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


技術班ルーム。


「くそっ!トムデの通話相手に怪しい人物は皆無ょ」

「ソレは…トムデじゃないからょ。トムデ・デミグのアリバイの裏が取れた」

「そりゃありがたいな」


ラギィとトムデがルームに入って来る。


「トムデは、恵まれないキッズのJAZZバンドのコーチをやってたわ」

「ついでに言うなら、あの夜はsatin dollをやった」

「そりゃ…最悪だな。だが、疑って悪かった」


素直に謝る僕。良い性格だ←


「テリィたん、良いょ先に進もう。汚職警官を探スンだ」

「元"時間ナヂス"の警官はたくさんいるが」

「その中でも、よほど利口な奴なのね。内務調査部にさえ感づかれないなんて」


不意に立ち上がるマリレ。


「見つからないわ。どうせ間に合わない」

「マリレ、何処へ逝くの?」

「少し…散歩」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆


署の前の"ふれあい通り"。マリレを呼び止めるマリレ。


「散歩に行くんじゃないの?」

「何ょ?追わないで」

「嫌ょ。貴女、アイクと帳簿を盗むつもりでしょ」


一気にまくしたてるマリレ。


「アイツは、3年も家族と離れ地下に潜って帳簿を探してたの!私、何としてでもアイクを助ける。止めても無駄だから!」

「止めない。私も行く」


マリレ、ドン引き。


「…え。ダ、ダメょ貴女は」

「死ぬまでヲタ友。最後の最後まで一緒だから」

「わかった。じゃ援護が必要になった時のためにバックアップお願い。私達、ヲタッキーズでしょ?」


渋々うなずく妖精メイド。


ROG(了解)


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その夜の"潜り酒場(スピークイージー)"。


「テリィ様、捜査に進展は?」

「ソレが…どーやら迷宮入りナンだょミユリさん」

「そうかしら?だって、アイクが汚職してると、誰かが内務調査部にウソをついたワケでしょ?」


カウンターの中で頭をヒネる僕達のメイド長。


「アイクに罪を着せて黒幕を守った誰かがいるワケか」

「ですね。で、その犯人は、モノホンの汚職警官を知っています。内務調査部のホリウ警部から密告者を聞き出しては如何でしょう?」

「ミユリさん。そう簡単に逝うけど、内務調査部って警察の中の警察だ。そう簡単に密告者の名前を教えちゃくれないょ」


すると、ミユリさんはニッコリ微笑む。


「少しSATOから、手を回してもらいましょう。ソレからテリィ様、お気づきで無いようですが、アイクは、マリレの元カレだと思いますょ恐らく」


え。ホントかょ?


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


何処だかは逝えないけど路地裏だ。車から降りる人影2つ。


「お前、ヲタッキーズをクビになるぞ。良いのか?」

「大丈夫ょ休暇中だから。レシンの部屋には?」

「入れるさ。3年かけて調べた」

「行きましょう」


トランクを閉め、歩き出す2人。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


南秋葉原條約機構(SATO)は、アキバに開いた"リアルの裂け目"からの脅威に対抗スルための国連直属の秘密防衛組織だ。

ミユリさん率いるスーパーヒロイン集団のヲタッキーズは、SATO傘下の民間軍事会社(PMC)で、一応僕がCEOを務めるw


「ミユリ姉様!どんな手を使ったの?」

「もちろんコネょ。レイカとは、高校時代にフランス語の授業が一緒で…」

「じゃなくて!」


相棒が消えたエアリは気が気でナイw


「SATOは"裏NERV"と呼ばれる超法規組織。"種の保存"の名の下に、全ての行為が許されるし。あら?ホリウの報告書だと、アイクを告白した密告者は…"主たる情報提供者マリレ"だって。あの子、元カレに嫌がらせをしてたのね?キレやすいとは思ってたけど」

「姉様、ヤメて」

「ミユリさん。コレどういう意味だ?」


ミユリさんは肩をスボめて天を仰ぐ。


「密告者はいないってコトです。そして、ホリウは"時間ナヂス"です恐らく。テリィ様。私、変身します」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


何処だか場所を逝えない地下室。ゴーグルをかけた男女が、耐火金庫の扉を高性能レーザーバーナーで焼き切っている。


「ねぇ早くして。私が噛み切った方が早いわ」


やっと丸く穴が開き、中に手を突っ込み解錠スル。背後からペンライトで照らすマリレ。台帳を鷲掴みにするアイク。


「今度こそあったぞ。コレだ!」


パラパラめくる。今時珍しい手描きの数字が並ぶ。その時!


「こーゆー時、内務調査部は便利だな」


振り返ると音波銃を構えたホリウ警部w


「何しろ同僚を監視スルのが仕事だモノ。マリレ、アンタのスマホのGPSから追跡させてもらったわ」

「お前だったのか!」

「フン。いずれココに現れると思ってたわ」


アイクに音波銃を向けるホリウ警部。


「台帳をコチラに投げて。早く」


おとなしく投げるアイク。


「私がアンタなら、死んだママでいたのに」

「軍人としての責務だ。そして、俺は軍人だ」

「違う。アンタは"時間ナヂス"。ただの犯罪者…アンタはアンタを逮捕に来たマリレを射殺。私がもっと早く登場すれば良かったけど、遅刻してゴメンね。メイドさん」


歯ぎしりするアイク。


「このクソ野郎…マリレ。バックアップをありがとうな。全てが終わる前に、コレだけは言っておく。マリレ、いつも"バックアップ"をありがとうな」

「良いのょわかってる」

「俺はホンキだ。"背中"を守ってくれてホントに助かった。マリレ、お前がホントの相棒だ」


マリレはアイクの背中でベルトに刺さった音波銃を抜く!瞬間早くホリウはマリレに銃口を向ける!同時に銃声が響く!


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


エレベーターから血染めの台帳を手に降りて来たのはホリウ警部だ。音波銃を背中に隠したママ歩く。

エレベーターホールの向こうから、音波銃を目線で構えたラギィとトムデが警官隊を率いやって来る。


「助けて!アイクと手下のメイドに殺されそうになった…でも、返り討ちにしてやったわ!」

「音波銃を置け!さもないと撃つ!」

「…ってか、もう誰かに撃たれちゃったの?」


ホリウの腹部からポタポタと血が落ちる。新型のサイレンサー付き音波銃を落とし、逆方向に逃げる。


「あら、何処に逝くの?ココは一方通行ょ?」


"雷キネシス"のポーズをキメたムーンライトセレナーダーだ。台帳を落とし頭に手を置くホリウ。


「そのママ手を上げとけ!」


トムデが身体検査する。ポケットから、折れた"時間ナヂス"のキーホルダーを見つける。ラギィ警部が鮮やかに宣告。


「ホリウ・ウェブ!ポルフ・インチ殺害の容疑で逮捕スル」


エアリが胸倉をつかむ。


「マリレは?マリレは何処なの?言えょバカ野郎!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


みんなが耐火金庫室に殺到スル。


「マリレ!」

「ココょ!アイクが撃たれた!しっかりして!目を瞑っちゃダメ!私を見て!」

「救急車を要請!コード7発生!」


マリレに抱かれ、弱々しく手を振るアイク。


「…大丈夫だ。貫通してる。マリレは大袈裟ナンだ、昔から…奴は?」

「逮捕した。台帳も確保」

「そうか。良かった…」


魂が抜けて逝く、あの嫌な感じ。マリレが叫ぶ。


「アイク!アイク、コレが私のヲタ友のエアリ。しっかり見て、彼女は妖精なのょ!」

「やぁ…妖精さん」

「もう1人。大事なヲタ友がいるの。テリィたん!」

「…あの国民的SF作家の?…相棒のヲタ友は俺の相棒だ」


ん?ヤタラ難しいコトを逝う奴だな。きっと大丈夫さ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ラギィは怒ってるw


「ホリウの供述と台帳でレシンを逮捕出来るわ。またまた美味しいトコロをムーンライトセレナーダーに持って行かれたけど、1つワカラナイ事がアルの。マリレとアイクは、なぜ仲良くレシンの金庫室にいたの?」

「実は…」

「あ、ゴメン。逝わなかったっけ?レシンの金庫室に泥棒が入ったって通報があった。で、みんなで現場に駆けつけたのさ」


dancing on the knife edge!


「そーなの?じゃテリィたん。通報したのは誰?」

「匿名のヲタクだ。名前は明かしたくないらしい」

「あら。報告書には、そのヲタクの証言がどーしても必要だわ。あのね、私は今回の件で唇まで奪われてるの!テリィたん、報告書を描くのを手伝って」


僕は舞台俳優の仕草で躍り出る。


「喜んで。僕は創作のプロ、国民的SF作家だぜ。ラギィには、ピチピチのSFスーツで登場してもらう!」


うるさそうに追い払われるw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


翌日。僕達は留置場のアイクを訪ねる。彼は、スッカリ回復してる。首から腕を吊ってるけどね。


「うーん自由にしてくれるワケじゃなさそーだな」

「当たり前でしょ?一時的な仮出所ょ重罪人ナンだから」

「でも、その前にどーしても見せたいモノがアル」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


エレベーターのドアが開く。ラギィとトムデに左右を固められたビクナ・レシンの連行を署員全員が拍手して見送る。

廊下の正面からソレを見据えるのは、首から腕を吊ったアイクだ。もはやレシンはアイクを正視出来ズ、瞳を伏せる。


「全部、貴方のお手柄ょ」


じっとレシンを見つめるアイク。涙目になっている。


「実はgood newsがアル。貴方の釈放も決まったわ」

「銀行強盗はポルフの単独犯というコトになった」

「レシンが貴方を訴える心配も無いょ。向こうの弁護団と話した。弁護団はアレは自分の台帳ではないと主張する方針だ」


マリレが微笑む。


「アイク。やっと家に帰れるわね」


キャルとティコが廊下を走って来る。抱き合いキスをスル。ソレを見て、ワッと泣き出したマリレの肩をみんなで抱く。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


西陽の差す万世橋(アキバポリス)のギャレー。


「秋葉原って、いつもこんなに楽しいのか」

「まぁタマにはね」

「僕が犯人でナイと分かったなら、また、スパーリングの相手になりたいな」

「ありがとう」


ラギィは、唇に指を当てている。



おしまい

今回は、海外ドラマによく登場する"相棒"をテーマに、3年前に失踪下捜査官、その妻、拷問された銀行強盗、その妻、黒幕となる巨悪、その手下の切手研究家、内務調査官、殺人犯を追う超天才や相棒のハッカー、ヲタッキーズ、敏腕警部などが登場しました。


さらに、ヲタッキーズの元カレ騒ぎ、時間ナヂスの絆などもサイドストーリー的に描いてみました。


海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、円安でヤタラ上から目線のインバウンドが溢れる秋葉原に当てはめて展開してみました。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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