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勇者一行のスローライフ  作者: よろ
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1日目 久しぶりの外出

僕レイはここでは有名なパーティの魔法使いだ。


南の国エクターリアからとある理由で引っ越してから数ヶ月たち、偶然アヤ達とクエスト場所が被り、勇者にスカウトされた所からスヴェートエルデでの僕は始まったのかもしれない。 


それはそうと現在僕は22歳、完璧な自慢だが勇者パーティの魔法使いだ、そりゃ強いと僕自身思う。

 

…だが僕には欠点がある。


コミュ障なことと引きこもりがちなことだ!

毎日毎日ついつい魔法の研究が楽しくて部屋に籠もっていたら勇者に引っ張り出され高難易度クエストに行かされる…傍から見たら部屋に籠もってるニートでしかない。


まぁそんな感じでお使いを頼まれしかたなく行った帰りに僕は友人の魔法具店に寄っていた。




「魔法って凄い便利じゃん、たとえば火を出せる、水を出せる、これだけで救える人々は大量に居るでしょ?だけどこの国は魔法使いが居ないのなんでだ?」




「わざわざこんな怪しいお店に来てそんなこと話に来たの?君程になればオレの知識必要ないでしょ?」




「魔法の研究してたら気になったんだよ、それにあの呪いは消さないと駄目だ、絶対に…お前はこの世界には無い知識を持ってる気がしただけだから、あんまり気にすんな」




「レイってあの子好きだよねー、恋人だから当然か…そんな好きな子に呪いかけられてたら気になるよね、にしても鋭い、ほんとに22歳?どんな人生送ってきたの」




「それを聞いてくるお前は何歳でどんな人生送ってきてんだよ、一番不思議なのはそっちだろ…それに、そろそろ帰って来るんじゃないか?大事な娘だろ。」




「あれっ?ホントだ、それじゃあレイ、これからもうちの店をよろしくね〜


  






それにしても…君の出身って…まぁいいか、おかえりー!」




オレは自分の使命を捨てた、けれど変わりはいる、それがこの四人。


スヴェートエルデにおいて数少ない魔法使いレイ。


エルフでレイの恋人であり二刀流の剣士アヤ。


狼で勇者の恋人であり槍使いのルナ。


そして世界最強の大剣使いの勇者。


この四人は有名人である、なぜならギルド内最強パーティだから。


だからオレは密かに応援しよう、なぜなら皆オレの変わりだから。




――――――――――――――




友人の店を出て帰路につく、今日ものどかで良い街だ、まぁいつもは引きこもりながら魔法の研究ばかりやってるから全然見てないけど。


そんなことを思いながら歩いていたら用事を思い出した、しかもけっこう大事なヤツだ、僕の生活に関わる。

…というわけで走ってギルドにGOだ、自慢じゃないけど体力はある、冒険者だし。

…あと杖って結構重いんだよね。




ギルド内に入り周りを見渡すと、街とは空気が少し変わったような絶妙な緊張感がある。

僕は奥の方にある受付所まで行ってクエストの報告書を提出しなければならないのだ。


チラッと任務中の張り紙を見たら勇者がまたクエストを受けていた、人助けが好きすぎるから多少心配だけど多分大丈夫だろう…この前も怪我しながら村救ってきたからな、見てて危なっかしいというか怖い所がある。



「よいしょ…あの…すみません、依頼が終わったので報告書を提出に来たんですけど…一週間前の物なんですが大丈夫ですか?」


「レイさんですね?お疲れ様でした!これが先週の魔獣退治の報酬となります。」


「あ、ありがとうございます…」


「お気をつけてお帰りください!」



あぶなかった、危うく報酬を貰い忘れて10日たち期限切れになる所だった、これ以上忘れたら勇者に殺されるかもしれん、まぁ僕が悪いんだけど…ってもう家じゃん。




「ただいま…誰かいるー?」


「あっ!おかえりマスター!一週間振りに外出て疲れた?美味しいおやつ作ろうか?」


「アヤ、それするとレイが本当に死ぬ気がするからやめるの…おかえりレイ、勇者はまだなの?早く会いたいの!」


「あいつはまだなんじゃないか?ギルドでも見かけなかったし…あぁ、クエスト中の張り紙はあったな。

ほら金、夜飯何が良い?」


「おぉ!今度は期限切れにならなかったねマスター、良かった良かった、私はハンバーグ食べたい!」


「肉が良いからルナもそれに賛成なの!」


「じゃあ俺もそれに賛成!」


「ってうお!帰ってきたのかよ、おかえり」 


「おかえりなの!依頼危なくなかったの?まぁ心配要らないのはわかってるの。」


「まぁ俺程になると無傷だよねー、レイはしっかりギルドに寄ってきたっぽくて関心関心…自分のお金は自分で管理しないとね?」


「わかってるよ…でも辛いんだよ、ギルドって絶対対面しないた駄目じゃん、あれ無くさない?」


「マスター…いよいよ他人と話せなくなりますよ?」


「うぐっ…さっさと作るから黙って待ってなさい」


「はーい!」


とても痛い所をつかれた気がする…まぁ気にせず材料を色々出す。

ちなみに食事当番…というか家の家事は基本的に僕だ、なぜなら僕以外出来ない理由があるから。


まずはアヤ、単純に料理が下手すぎる、ダークマターだあれは、恋人の物とはいえもう二度と食いたくない…それを言ったら泣きかけるから結局食べてしまうのだが…。ちなみに不器用すぎて料理以外もダメダメだ。


次にルナ、普通にムリ、絶対ムリ!まずアホすぎて多分手順が理解できない…後勇者にべったりすぎて夜飯を途中で放り出す可能性がある…。

…ルナに任したら家燃えそうだな。


はい勇者、忙しすぎて過労死する。いっつも人助けし続けてるから家の仕事までさせたら絶対死ぬ!

…というわけで消去法で僕だ、まずずっと家に居るから丁度良いのだ、色々。


「おい、できたぞー?テーブルに皿並べてくれ。」


「待ってましたー!マスターのハンバーグだぁ!

ほらルナと勇者も、準備するぞー!」


「おぉ!肉なの?肉なの!ってうっ……野菜があるの…ゆうしゃあぁ〜…」


「流石に野菜ぐらい食べなきゃだめだろ?ルナ、レイが作ったものを無駄にしちゃいけません。」


「うぐっ…味方が居ないの…」  


「ちゃんと生の味ではないから食えよルナ、最近ちょっとずつ食えるかの実験してんだから。」


「実験ってなにマスター?魔法でも使ったの?」


「まぁ細かく刻んだりとかだな…ルナの中には一応野菜は少しずつ入ってるぞ?」

 

「えっ!知らなかったの…ルナの中にあの野菜が?」


「お母さんみたいだな、レイ」   


「お母さんて…準備できたなら食うぞー」


「「「いただきます」」」



―――――――――――――


さて、4人でテーブルを囲み夕飯を食べたら部屋に直行する、友人の店に行ったのはしっかりと理由がある……休みに行ったのも事実だが。


アヤにはとある呪いが掛かっている。

それは『奴隷の呪い』、呪いの効果は

1 主の命令は絶対に聞かなければならない。

2 主のことを名前で読んではいけない。

3 主が死んだ場合に死ぬ。

4 チョーカーを外した場合自殺する。

5 この呪いを主以外が知った場合自殺する。


僕はここ1年ほどこれの解除方法を調べ続けている。

この呪いは僕が2年前にアヤに付けた呪いだ、じゃあなぜ解除方法を探しているか?


答えは簡単、2年前にアヤを救う方法がこれしか無かったからだ。

だがしかしあまりにもリスクが有りすぎる、僕はアヤに命令などはしないから『1』はほとんどあってないようなものだが問題は『5』だ。


おそらく勇者は薄々なにかあると思ってはいるが言っていない、ルナもアホだが根っこはしっかりしているから大丈夫だろう。


問題は他の誰かだ、もし誰かがこの事実を知ったらどうなるかわかったもんじゃない、というか死ぬ。

1年調べて自殺を数分は食い止める魔法は作れたが解除まではまったく届いていない。


あの友人の店は少々特殊…というか大分特殊かもしれない。売っているものは魔界にあるスヴェートエルデでは取れない素材などだ、一体何処から取ってきているんだあれ。

あいつも薄々勘づいている気がする…が、恐らく大丈夫だ。


まあこんだけ秘密がある僕の部屋は見られたら一発アウト、扉開かれたら終わり…という訳でも無い、僕しか解除方法を知らない魔法を掛けてある。これを溶けるのは…まぁ多分居ないだろう、居たらとても焦る、死んでも守るが。


今日も本を読む、少しでも解決法を見つけるために、後本人とかには言えないが…アヤには名前で読んでほしい。

…駄目だこれ頭の中でも恥ずかしいわ。


そんなこんなでこれからまた引きこもり生活の再スタートだ。


また勇者に引っ張り出されるかもしれないが……

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