君はいったいいくつなんだ
僕の忘れられない夏休みを楽しんでいただければ幸いです
「バイカー!」
お姉さんの梅花藻は話してみると思ったより面白いヤツだった
胸が凄く恥ずかしいと言ったら 宝物の水着を着るようになった
川に来てたカップル
露出狂の変態お姉さんの梅花藻は話してみると思ったより面白いヤツだった
胸が凄く恥ずかしいと言ったら 宝物の水着を着るようになった
川に来てたカップルを脅かしたら
男だけ先に逃げて女は大泣きで裸のままその男を追いかけていって見事な飛び蹴りをかました
そのほれぼれするような飛び蹴りは伝説になり、忘れて行ったといういわくつきの派手派手な水着はバイカの宝物になったんだそうだ
最近はそれを着用してくれている
いちいち設定が完璧なんだ
毎日、梅花藻と泳ぎ
カッパ泳法なんてモノまで習った
カッパ泳法は平泳ぎに近い
彼女はしょっちゅうチエちゃんの話をしている
彼女によるとチエちゃんは美人でスタイルが良くとってもよく笑う完全無欠の女の人らしい
そんな時の梅花藻はとってもキラキラしていて
僕は少しだけ興味が湧き
そしてほんの少しだけ嫉妬した
僕は日に日に日焼けして真っ黒になって行く
梅花藻は日焼け止めを塗っているのか青白いままだった
それにしてもチエちゃん…
どこかで聞いたことあるような…
そんなある日
妹が
お兄ちゃん、毎日派手な女の子と泳いでるね そう言った
晩ご飯の食卓での事だ
僕は口に入れたばかりの味噌汁をぶーっと吹いてしまった
慌てて布巾を流しに取りに行くと
「それは梅花藻か?」
布巾を渡してくれたおばあちゃんが聞く
なんでおばあちゃんが知っているの?
…
…
…
あ!
ばあちゃんの名前 チエだ!
おばあちゃんはおばあちゃんとしか認識してないから思いつかなかったよ
梅花藻の言ってるチエちゃんはおばあちゃんの事?!
嘘だろ?
妹は僕が忘れた水筒を届けに来て梅花藻を見てしまったらしい
おばあちゃんは会いたいと言っていた
一度バイカに了解を得てから
そうおばあちゃんに約束し 翌日川に行った
川はおばあちゃんの家から20分ほどの森の先にある
ビーサンでは歩きにくい木の根がボコボコした一本道
周りは苔がびっしり生えた岩や倒れて朽ちた大木
そんなのを抜けて行くとある
妹とおばあちゃんに見つかったことを梅花藻に話さなければいけない
僕の足取りは重かった
秘密
バイカの事は僕だけの秘密だったのに
カッパだ妖怪だというバイカと僕はこの先どうなってしまうのだろう?
森を抜けると正面の大岩にまるで女神像のようにバイカは腰掛けて居た
「来たな」
僕を見るとニヤリと笑う
ドキっとした
嫌われたくない気持ちとちゃんとしなくちゃという気持ちとが行ったり来たする
急にいたたまれない気持ちになってビーサンをぬぎすてると
安定感のない石の上を走って梅花藻の所まで行き腕を掴んだ
「バイカ、実は妹とおばあちゃんにばれたんだ」
「ばれた?」
「うん
おばあちゃんがバイカに会いたいって言ってる」
梅花藻はびっくりした顔をした
「チエちゃんが、私に会いたいって?」
やっぱりおばあちゃんがチエちゃんか!
間違いであって欲しいという心の中で一縷の望みは潰えた
「嫌なら良いんだ」
「嫌って言うか、私成長してなくて子どもっぽくて恥ずかしい」
照れたように言う梅花藻に絶句
いやいや、そこかいっ!
「でも、私もチエちゃんに会いたいと思ってた」
胸の奥で何かがチクっとした
梅花藻とおばあちゃんの再会はとっても感動的だった
無理もない
何せ80年ぶりの再会
梅花藻はしきりに成長のない自分を恥ずかしがっていた
おばあちゃんは
私の子どもたちも孫もずっとここで見守ってきてくれたんだろ
ありがとう
そう感謝を告げていた
そういえば母さんもここで泳いだんだ
梅花藻の事、知ってるのかなあ
それからおばあちゃんは暴力的な蝉の鳴き声がする日は冷え冷えのスイカを差し入れしてくれるようになった
スイカは梅花藻の好物らしい
なんでそんな事知ってるんだろう?
さすが 完全無欠だ
見て頂いてありがとうございます
このお話は10年ほど前にゲームの日記帳に書いていたお話です。その時のゲームの友だちにはたのしんで頂けたと思っています
終わりまで夏休みのように走り抜けます
ご縁がありましたらまた