5話目
魔族領にて
「最近の弱小王国が怖い」
そう呟くのは魔族の一人。
弱小王国とは田中らを召喚した国のことだ。
その王国は小さいながらも勇者を召喚できる国として他国から容認されている。
最近は勇者召喚失敗国としても有名だ。
「分かる」
調査の結果最近勇者が召喚出来たと魔族領で騒ぎになってた。
血の気の多い奴らが倒される前に倒してしまえと攻めに行った。
森なのに大量の水に押し流され大半が戻ってきた。
ならば空からと、羽がある魔族が空から向かった。
そいつらは「ちゅん」としか喋れなくなって戻ってきた。
コケにされたまま黙ってられるかと力自慢の数人が水を超えて乗り込んだ。
引っ掻き傷だらけで猫怖いと帰ってきた。
ならば人質をと姫様を狙ったやつはあざと可愛い犬にフルボッコにされた。
肝心の勇者の話はついぞ出てこない。
それが余計恐怖を駆り立てた。
そんな中扉が開いた。
「おい!!あの王国の勇者魔族を知らないらしいぞ!!!」
「「「本当か?!」」」
「ならあの王国はほっといても良いか。ちょっかい出して勇者出てこられたら怖い」
「そうだな。他の国に行くか」
田中の知らないうちに魔族からの干渉は終わることになった。