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4話目
城内にて
「ここが私のお気に入りの場所ですわ」
田中はお姫様に城内案内してもらっていた。
お城の中は広かった。
全てが物珍しく田中はあちらこちらと目移りさせていった。
だが田中はすごく気になってる事があった。
「すみません」
「どうしました?」
「動物好きなんですか?」
お姫様の傍には侍女ではなく動物がいた。
立派な鶏冠のついた雄鶏とふさふさの芝犬、何故か空中に浮いている金魚。
「ええ」
お姫様は可愛らしく微笑んだ。
田中はその笑顔にノックアウトされた。
とその時庭の茂みが揺れた。
芝犬はなんだなんだと駆け寄った。
そこから出てきたのは顔色の悪いマッチョだった。
芝犬はキューンと鳴いて尻尾を股の間にしまった。
マッチョは芝犬をほったらかして姫様に近づいた。
田中は震えながら姫様を庇うように前に出た。
お姫様はキュンとときめいた。
芝犬はマッチョが二人に危害を加えるのを理解した。
芝犬はマッチョをフルボッコにした。
田中は芝犬にキュンとときめいた。