40:色んな形
シュバツェル16年4月21日(木)
白金。白色金ではない。もちろん、銀でもない。
元素番号78ptだ。wgでも、元素番号47svでもない。
金の合金の一種は、そもそもなかった。
金の合金の一種も、金に混ぜ物をするのかと驚かれたもんな。
純金よりアクセサリーにして持つには向いているとされる、K18にもこの世界ではしないのだろうか?
それは置いておいて、日本では希に、木目金で作るカップルもいるそうだ。
日本でちょっと調べた事があるけど、あれはこっちで素人が、おぼろげな記憶で作れる物じゃなかったはず。
◇
「えええっ?!プラチナの指輪ですか?!」
ローニーさんに酷く驚かれた。
「もしかして、希少金属ですか?」
「当たり前じゃないですか!
白金で作った指輪なんて、王族の方々でもお持ちではありませんよ!」
そっかー、この世界でもptは希少なんだ。あっても恐らく、いや、絶対に高価な物は贈れないや。
「じゃあ、真珠はありますか?
あ、養殖で良いです。
それもなければ淡水真珠か、その養殖された物」
あれ?反応がない。でも、口が開いているよ。
地球だと仏像真珠とか、割と早くから養殖の歴史が始まっていたんだけど……。
なさそうだね。これもこの世界では希少っと。
「琥珀はどうですか?」
琥珀と言われれば、みんなが想像するイエロー系が多いが、緑琥珀や青琥珀もある。
余談だが、紫水晶にも緑紫水晶がある。意外と知られていないカラーがあるのを知るのが好きだったな。
「それでしたら、我が国の海岸には良く打ち上げられるので、割とポピュラーで安価な部類の宝石です」
ほ、これは安価であり、ポピュラーでもあるんだ。
地球では安いわけでもない琥珀を、一時期暖炉に入れてお客さまをもてなすなどという使われ方をしていた事もある宝石だから、安価なのはかなり意外だ。
今でもお香になっていたりするようだが、燃やしたくないな。
そんな話をしていたのは、両親の結婚記念日のプレゼントを考えていたからだ。
結婚指輪の風習はないらしいが、ptのリングをお祝いにと考えたのだが、ムリそうだし。
いや、よく考えたら、私から両親にリングのプレゼントって変かも?
他にとなると、日本の父は真珠のネクタイピンで、母はネックレスを持っていたから、ある程度の年齢になったら持つ物って考えたのだ。が、これもムリ。
最後に聞いた琥珀はパワーストーンで馴染みがあって、健康に関する効果があったはず。これは大丈夫と。
これでアクセサリーでも手作りして、プレゼントしよう。
「それにしても、ほとんど春の野菜や果物、初夏の物に変わりましたね」
今はサーラちゃんを連れて、お散歩している。両親のプレゼンを考えていて、煮詰まったから気分転換だ。
サイラさんはギルドで書類を片付けている。あれこれ思いついた事を言うので、書き起こすだけでもかなり貯まっているそうな。すみません。
まだ作れていない、クーとルーの首輪に使えそうな物も探している。
ストリートチルドレンの支援計画の一環で、浮浪者の冷えた麦茶の歩き売りも見られる。
屋台という店舗すらもたないので、初期費用は殆どかからない。
普通は屋台か店舗まで買いに行かないと飲み物も買えないが、売り歩く事で、買いに行く程ではないが何か飲み物があればって人をターゲットにした商売だ。
後で始まる焼き味噌玉や豚肉の味噌漬けも同じだね。
生き物が牽かない馬車ができたら、移動屋台や移動スーパーもしたいな。
「麦茶、売れてるでしょうか?」
未知の飲み物だ。ちょっと心配ではある。
コップを持参してもらう方式の販売スタイルにしていて、提げているかごバックから麦茶入りの大きな革袋を取り出し、量り代わりのカップの目印の線まで麦茶を注いだら、お客さんが持参したカップに注ぎ直しても、だいたい同じ量を売れるようになっている。
「暑くなってきてますからね。冷えた飲み物は屋台で買ってもちょっと高いですが、あの方式は色々費用もかかっていないから、安いのは魅力です。それに、『日本のお茶』と謳っていますから。
ほら、買っている人がいますよ」
目をそちらへ向けると、本当だ。買ってくれている人がいる。
カップを返しに行かなくて良いし、家や仕事場で座って飲めて良いわとか聞こえてくる。
洗い物はいつもの事だからね、それは気にならないみたい。
「本当だ。良かった。
生活ができるようになると良いな」
「そのために考えられたんでしょう?
本人に、頑張ってもらうところは頑張ってもらいましょう。頑張れば寝泊まりできる施設もできるんですから」
実は、空き倉庫を買い取って改造した宿泊施設も作っている最中だ。カプセルホテルを参考にした施設になる。
使ったシーツを洗って干すまでしてくれると、宿泊代が安くなる。
シーツは管理人さんが取り込んで管理。
シーツは宿なんかで使っていた、もう買い換えが必要な物を安価で譲り受けた物を使っている。
この中古シーツは、新しい物が買えない層に人気のある布製品の一つだそうだ。
客商売で使っていただけに、かなり小綺麗な物が多いのがその理由らしい。
桶のお風呂もあるし、簡素なご飯も一食だがつく。
施設の維持、管理などは、国からの補助があるのでかなりの格安で泊まれる。
自分でやってもらったり、国からの補助と、安く泊まれるように知恵を絞った施設だよ。
ちなみに、浮浪者の大人も子どもも利用できる。一般の方の利用は不可。
そしてさらに、駆け出しの新人冒険者にも良さそうなシステムの宿だという事で、冒険者ギルドでも一つ運営してみる事になってもいる。
個室カプセルに入らない大きな武器は、番号札と交換で、カウンターで預かる機能があるのが特徴になる。
シャワーも完備する予定になっている。魔石を使う、お父さんが作った方と、私が考えた廉価版の両方。これはさすがに有料だそうだ。
こっちには、国の補助はない。
どっちもベッドの下が鍵付きの収納になっていて、貴重品の安全対策はしてある。
鍵もあるし、人の乗ったベッドの天板をぱかっと開ければ、寝てても起きるだろう。……多分。
「そうですね、頑張ってほしいです」
サーラちゃんのように丸々引き受けてしまうと、多くの人数を受け入れるのは不可能だ。
だからほどほどの支援になってしまうが、それでちゃんと道を見付ける人も多いだろう。
それに期待してる。応援するからね。
サーラちゃんも我が家の生活に慣れたら、寺子屋へ通わせるつもりだ。これはお父さん、お母さん、私の総意だ。
「知識とマナーは、盗まれる事のない財産」
そういう考えだ。
サーラちゃん。たくさんの愛情と知識とマナーを吸収してね。
お読み下さって有難うございます。
お楽しみ頂けましたら幸いです。
面白かった、良かったなどお気楽に、下の
☆☆☆☆☆
にて★1から★5で評価して下さいね!
続きが気になった方は、ブックマークして下さるとすっごく嬉しいです!
感想や応援メッセージもお待ちしてます!




