表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

人生失敗人間の人生復帰

みんなは人生について考えたことはあるか?

人それぞれに人生とはあるもので、考えたり、そのために頑張る人も沢山いる。はたまた、路頭に迷ってる人も沢山いる。

人によって人生観はかなり違う。

俺は人生とは『生きてから死ぬまでの暇つぶし』としか考えてない。何が楽しくて生きてるのかわからない、わかりたくもないし考えるのがめんどくさい。

そんなどうしようもない人間がこの俺、宇野 健人だ。

軽く自己紹介しよう。俺は秋音烏山高校にかよう、高校三年生だ。

ガキの頃からどうしようもなく、人の金をとっては遊びに行き、

タバコは吸うわ、酒は飲むわ、好き勝手し放題で今まで生きてきた。

親にバレて怒られては、その場の平謝りで次の日にはいつも通りヘラヘラ過ごしてる。そんなろくでもねぇ男が俺だ。




朝日がカーテンの隙間から入り込み、鳥が空で元気よくないている。そんな音が耳障りで重い体を起こす。

ボサボサの寝癖のついた髪を掻きむしりながら目を擦り一際大きいあくびをする。


「くそねみぃな…外はうるせぇし学校めんどくせぇ…」


吐き捨てるようにぼそっと言うと鳥の鳴き声よりさらに大きい声が外から聞こえる。


「おいっ!健人!起きてるんでしょ!早く下降りてきて学校行くよ!」


耳をつんざくような声が外から聞こえだるそうに外を見るとそこには、黒髪のショートヘアで、髪に似合うこんがり焼けた褐色肌で、目をキラキラさせながらこっちを見てる、同じ学校の制服を着た女の子がそこにいた。


「おぉ…葵か、朝から大変お元気で、うるさい声での目覚ましどーも。」


この女の子の名前は近くに住む向日 葵、子供の頃から学校も全て一緒のいわゆる腐れ縁ってやつだ


「そんな面倒くさそうに言わないでよ。毎朝毎朝ここ来ないと行けないの大変なんだから!それに毎朝死んだ魚の目を見るのも結構きついんだよ?」


顔をとは似合わず毒舌をサラッと飛ばしてくる葵にすこし苦笑いしながら窓をとじ小さくため息をする


「こちとら頼んでねぇっつうの…」


小言でぼそっと言うと身支度を済ませ一階に降りる。

そこには、テレビを見ながら朝食のパンを食べてる姉がいた。


「健人おはよう。パンあるけど食べる?」

「ん…いらねぇ…」


うちら家族の会話は、ほぼほぼこれだけだ。

まぁ仲が悪いのは自分のせいなのだが…


逃げるように家を出ると起きてすぐのせいか日差しが強く、目を開けるのもしんどいくらいだ


「なんでまぁこんなに日が強いのかね…毎日毎日嫌になるわ」


小言を言いながら外で待つ葵の元に向かう


「遅い!待ちくたびれたよ!早くしてよね!」

「待ってとも言ってねぇし、勝手に行きゃいいだろ」


いつもどうりの中身のない会話をしながら学校に向かい日が照りつける道を2人で歩き出す


歩いて20分ほどで、通っている学校が見えてくる。

1本の長い道があり周りには青々とした木々が空めがけて元気よく立っている。


「また来ちまったよ、めんどくせぇな。」


ボソッと呟きながら校門をくぐると葵と別れて下駄箱に向かう


俺らの通う秋音烏山高校は、部活に特に力を入れている学校で、

生徒は必ず部活に入らなくてわならないという決まりがある。

そのせいでやりたくもない部活に入っている。

自慢する訳では無いが、俺はもちろん幽霊部員だ。


葵は、昔から足が速かったこともあり陸上部に所属している。


学校の中での俺を説明すると、友達は片手で数えられるほど、

人と話すのもめんどくさいし、授業はねてる、

いわゆる日陰者ってやつだ。


下駄箱に着くと靴を履き替え重い足取りで教室に向かうといきなり後ろから声をかけられる。


「今日も一段と顔が死んでんな。」


「いつもどうりで嬉しいだろ?喜べよ。」


後ろから声をかけてきたのは、日陰者の俺と正反対な日向物の男がいる。

この男の名前は、風見 晴也、バスケ部に所属していてクラスのムードメイカーだ

俺の片手で数えられる友達のうちの1人だ


「ははは、嬉しいよ。けど朝一でその目はやめろ?心がえぐられる」


「褒め言葉をどーも」


「おっとそれどころじゃねぇんだ、朝練遅刻しそうなんだわ。」


そう言うと駆け足で体育館の方に向かい走り去っていく。


「慌ただしいやつだな、少しは落ちつきゃいいのに」


嫌味っぽく言いながら教室に向かい歩き出す。


しかし、教室に向かう途中いつも何か違う違和感に襲われる。


「全然教室につかねぇ」


3階にある教室に向かう階段を昇るがいつになっても教室につかない。

階段をいくら昇っても進んでる気がしないのだ。


「疲れてんのか?いや何もしてねぇしな…夢でも見てんのか」


どんなに昇ってもつかない。明らかにおかしいと思いつつ、

階段を昇る足が止まらないのだ。

上を見てみると長い長い螺旋階段が上へ上へと続いている。


「これどうなってんだよ…めんどくせぇ」


口ではそういうが好奇心が勝ち上へ上へとのぼり続ける。


気がつけば周りは暗くなり、青、赤、紫といった光が浮いている。

ようやく階段の頂上が見えてきたが、昇るにつれどんどん暗くなり、体がどんどん重くなる。


ようやく登りきるとそこには白く豪華な装飾がされている両開きの扉が現れる。


「なんだこれ、こんなんはじめてみたぞ。」


扉を見上げながら言うと、どこからともなく声が聞こえる。


「あなたみたいな人が来るのは初めてですね」


若い女の声がどこからともなく聞こえる。


「きたくて来たわけじゃねぇんだけど。」


言い返すように面倒くさそうな顔で言うと、

笑い声が聞こえる。


「ふふっ、私だって呼びたくて呼んだわけじゃないのですよ?」


(なら帰してくれよ。)と思いながら聞いていると、我に返ったのか、笑うのをやめて再び話し始める。


「ごほんっ。自己紹介がまだでしたね。私はイスフィル。ランドガルの女神です。あなたは、ランドガルを救うために選ばれました。女神の名の元に命じます。ランドガルへ行き救っていただきます。」


「はははっ。何言ってんの?そういうの痛いからやめた方がいいよ。」


思わず笑ってしまうと、女神の声が少し低くなる、

明らかに怒っている。


「なんでこんなどうしようもない人間が選ばれたのかわかりませんが。あなたしか居ないのです。あなたには拒否権はありません。問答無用で行っていただきます。」


明らかに先程より口調が強い。


「初対面にどうしようもないとはひどいな。ほんとに女神なのかよ。てかそんなのいるわけないし、そんな話しあるわけねぇじゃん。アニメの見すぎだな」


呆れたように言うと来た道を戻ろうと振り返り階段に向かう。


「帰れると思ってますか?先程言ったでしょ?拒否権はないと。」


そう言うと白い布を扉が開くと、いきなり風が吹き思いっきり扉の中に吹き飛ばされる。


「強制ってこういうことかよ」


ひとこと言い放つと扉が閉まる瞬間に、白いドレスを来た髪の長い女がこっちを見下ろしている。

明らかにゴミを見るような蔑む目をしていた。


扉が閉まると永遠に落ち続けてるような感覚と、風が耳を掠めてく音が聞こえる。


「これ死んだな。」


囁くと目を閉じ体を流れに任せて力を抜く。

脱力仕切った手足は、まるで布切れのようになびき、

風に包まれるような心地いい感覚を味わいながら時が経つのをゆっくりまつ。






木々がなびく心地いい音が耳に入る。

いつも聞いてる音とは違う。

風が草を撫で、木々が踊っているような心地いい音。

動物たちの鳴き声、

鳥のさえずり。

あらゆる音が心地いい。

真っ暗だった視界が、白くなり思わず目を開ける。


「ここは…どこだ…」


目を開けると見たことの無い景色が広がっている。

広い草原が広がり風で草達がなびいている


「ほんとに、あいつ女神だったんだ。てか女神ってあんな荒いのかよ。」


いつもどうりの独り言を言いうと後ろから何かがこっちに向かい走ってくる音が聞こえる。


振り返るとそこには。顔は牛、体は筋肉質で身長2メートル程の化け物がこっちに向かい走ってくる。


化け物の手には刃のかけた斧を持ちこちらに向かい突進してくる。


初めての出来事に思わず体が固まる。

それもそうだ。起きたらすぐ化け物に襲われる人がいるわけない。

いるのなら対処法を教えて欲しいくらいだ。


死を覚悟してその場に立ち尽くしていると、目の前で化け物の動きが止まる。

恐る恐る上を見ると

赤い目でこちらを睨みつけ斧を振り上げてるのが見える。


「ははっ、こんなの死んだじゃん。無理ゲーだわ。」


思わず愚痴のように吐き捨てると斧が目の前まで迫ったところで、

ザシュッ!!


音が鳴った方を見てみると化け物の首が宙を舞う。

ボトッと、音と共に首が転がり。化け物が崩れ去る。


「君!無事か!?」


声のするほうを振り返るとそこには、

青い髪が腰まで伸びていてすらっとした女性が立っている、

手には刀を持っていて、見た感じ武士だ。


「助かりました。死ぬかと思った。」


今まで感謝の言葉を片手で数えられるくらいしか言ってこなかった俺だが、心の底から初めて言えた気がした。


「ここにいるのは危ない。わしに付いて来い。」


そう言われると森の方に進んでく女性に慌ててついていく。

こんな必死になったのは生まれて初めてかもしれない。

そんなふうに思いながら女性の背中を必死に追いかけた。

周りの音が聞こえない。文字道理全力だった。
















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ