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むべなるかな。

 いつの世でもどの様な世界であろうと人の形を持ち群生を保つ輩は対面を気にする。


 知性がある事を誇張し理性があり善人であると見せる神。

 本能のままで傍若無人な悪魔でさえやはり同族の群れる世界での対面からは免れないようだ。


 神の対面、悪魔の対面、善悪言っても内向きに思惑する業からは免れられないようだ。


 けし粒ほどの小さな存在でもこの体面を保つ局面に話が推移したお陰で尊重される存在となる。

 流石、交渉に長けた国津神の重鎮 恵比寿様だ。


 人の世で有名な名前のオンパレードで夢のようだけど異世界というこの世界でミカエル、ルシファの孫娘エミリア、そして恵比寿様が目の前で話し合っている。

 けし粒程のこの身を面白い位置付けに置けたこのチャンス逃してはいけない。


 よくよく考えろこれからの運命はこれから次第だ。

 最高の位置どりなんだから最高の優位性を得る必要がある。


 だが頭の中の焦り葛藤と裏腹に兎沙戯うさぎには最高の位置どりを活かす優位性を齎すアイデアが浮かばない。

 悲しいくらいに欲が無い!

 打算的考えもした事が無い!

 無い無いずくめの頭の中は空白だった。


 恵比寿様が話を更に続けて話し始めた。


「ミカエル!契約条件を兎沙戯うさぎに聞くのじゃ」

「エミリアも同様にレンタル契約の条件を聞くのじゃな」


 さも寛大な聖母の如き表情のミカエルが契約条件の提示を求めてきた。


 思いつかない…。

 一応ゆとり世代の嗜みでオタク的な部分は持っている。

 転生話の冒頭の条件のくだりはいくつか知っている。

 一般的には最強の攻撃力とか不死とか運が999とか…。

 でもそういうのを選ぶと色々と苦労する部分も出てくる。

 組合わせてどうのこうのも一年くらい時間貰わないと検討できない。

 だってこれで決まるなんて経験がない。

 流され続けの生き方だから思考力が身についていない。

 う〜む…。


「なんでも良いぞ」

「希望を申せ!」

 悪魔に恵比寿神の目もあるので度量が深い所を見せようと超寛大。


 畳み込む所だろうけど受験戦争とかで駆け引きや人を蹴落とす強い意志力を経験もないお花畑兎沙戯うさぎはポカーン。


「早く申せ!早く!」


 甚大を装いながらもあまり途方もないことを契約されると困るので神は時間で迫って切り抜けようとしている。


 自分の身を守る今後を思うと昭和レトロな憧れが頭に朧げに浮かんだ…。


 それは、秘密基地。


 人知れずに首領の為だけに機能する数々の内容が一括りにされた世界。

 秘密基地を思い浮かべた時に兎沙戯うさぎの中に憧れの世界像が一挙に広がる。

 これだ!これだと毎日も楽しいだろうし身も安全。

 よし!

 待たせるとミカエルさんに申し訳ないのでモヤっとしてるけどなんだか良さそうなので答えることに決めた。


「え〜とですね、秘密基地です」


「秘密基地?」

 そんなのこれまで聞いた事が無い能力…。

 だが神が知らないとなると威厳に関わるので…。


「なんだ秘密基地で良いのか」

「容易いこと」

「でどんな感じにしとくか聞かせなさい」


《《いや、知らないだろ!》》


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