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人生詩集(4)  作者: 多谷昇太
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めくるめく町

あら建った、また建った。

空にニョキニョキ、高層マンションまた建った。

ここはどこ?私はだーれ?

めくるめくようなこの町で、

私はいったい誰だったでしょう?


あら大きい、あら立派、

この駅あの駅すぐ変わる。

ここはどこ?私はだーれ?

人生何駅出発して、

終いの駅はどこだったでしょう?


みんな不思議じゃないのかしら。

あたりまえ顔してあの町この町お買い物。

こんな贅沢、豊かさを、

魔法の仕業だと思わないなんて、

きっと私たち、狐と狸に化かされている。


ほら思い出してごらん。

大きな軍艦、たくさんの戦闘機あったでしょ。

軍靴鳴らして、兵隊さんたちが行進してたでしょ。

神国日本、大東亜の盟主だなんて、

いつから私たち、そんなに偉くなったっけ?

気が付きゃ一面焼け野原、すってんてんの丸裸。

みんな阿修羅にだまされた!

こんど気が付くその時にゃ、私たち、

いったいどうなっているのでしょう。


あら揺れた、また揺れた。

地面ユサユサまた揺れた。

ここはどこ?私はだーれ?

狐狸変化のこの町をたちまち壊してしまうよう。

気が付きゃ昔と同じ、あたり一面焼け野原。

みんな狐と狸に化かされた!


そんな焼け野のあちこちで、

駅を見入出す人がいる。

遠くあなたを呼んでる人がいる。

「ほら、あそこ」と指差して、きっと誰かが歩み出す。

私たちも、必ずついてまいりましょう。


人生あの駅現れる。

焼けずに私たちを待っていた。

青い電車が来るならば、

乗りそびれずに、今度は必ず乗りましょう。

大事な人はそこにいる。

母さん呼んでるあの町へ、今度は必ず、

必ず、帰ってまいりましょう。

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