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王都編 試験前夜の誘惑

ようやく、ヒロインを出すことができました。これから多数ヒロイン以外のキャラクターも出す予定です。お楽しみ下さい!

マリアと名乗るメイドさんに連れられて、町から少し離れた屋敷へやって来た。


「これは、、、大きな屋敷だな。」


派手過ぎない装飾の綺麗な屋敷がそこにあった。本当にこんなとこに呼ばれるほど何かしたっけ?


「どうぞ、中へお入りください。」


マリアさんが屋敷のドアを開ける。中へ入ってみると広い踊り場に、上へと通じる螺旋状の階段があった。


「驚いた、こんなに立派だとは、、、。」

思わず息を飲む。


「ようこそ、お越し下さいました、シオン様。」


ん?シオン様?

見ると、なんとも可愛らしい金髪の少女がそこに立っていた。うーん、可愛い。


「あ、あの俺貴方に何かしましたっけ?」


「えっ?覚えておられませんか?昨日助けて頂いた者ですが、、、」


その言葉を聞いて思い出した。あれは昨日、魔術検定の会場へ向かっていた時のこと。


「ようやく山を越えたか、、、後半日もあればつくかな、、、ん?」


何やら騒がしい。何だと思って覗いてみたら、一つの馬車が山賊に囲まれていた。


「お嬢様!」


「こいつは上玉だなぁ。メイドと主人、2人も美女が手に入るなんてよ!」


見たところ、10人くらいの山賊に囲まれて1人は捕まっているようだ。馬車の運転士はどうやら殺されているらしい。


「離しなさい!こんなことをして許されるとでも思っているの⁉︎」


「はっ、今まで何回か国の兵士達がやって来たが全員ブチ殺してやったよ!どいつもこいつも相手になりやしねえなあ!」


うむ、どうやら嘘をついているわけではなく、本当に腕には自信があるらしい。少なくともそこら辺の騎士よりかは強そうだ。


「まぁそう怒んなよ、これから二人共仲良く一緒に俺たちと楽しいことすんだからなぁ!」


「申し訳ありません、お嬢様、、私が不甲斐ないばかりに、、」


「マリア!」


さて、見てしまった以上ほっとくわけにもいかない。出来るだけ目立ちたくはないのだが、この場合仕方ないだろう。


「よし、行くか。」


俺は落ちていた木の棒を拾うと、棒に向かって材質強化の魔術を施し、と同時に自分にも身体強化の魔術を掛けた。


「おい、そこの山賊共。」


「あ?何だお前。今いいとこなんだよ、邪魔すんじゃねえよ。」


「今すぐその手を離すんだ。そうすれば命だけは助けてやる。」


「クッハッハッハッハッ!馬鹿かお前、命だけは助けてやる?そんな棒きれでこの人数に1人で勝つ気かよ」


「忠告はした。本当に離した方がいいと思うんだが。」


「いいだろう、俺が手を出すまでもねえ。かかってこいよ。」


「あ、そ。じゃあ遠慮なく」


次の瞬間、女を捕まえている筈の右手に違和感を感じた。見てみると肩から先の右腕がなくなっている。


「ぎゃ、ぎゃああああああ!俺の腕が、、腕がぁーー!」


激痛を抑えながら後ろを振り返ると、視線の先には女を抱えている男の姿があった。


「あ、あの貴方様は一体、、、」


「ただの通りすがりの旅人ですよ。お怪我は?」


「わ、私は大丈夫です。そ、それよりも!まだ山賊は残っています、早くした方が!」


「大丈夫ですよ、もう勝負はついています。」


「え?」


少女は驚いた。辺りを見回すと先程まで自分達を取り囲んでいたはずの男達が全員倒れている。


「何が、、起こったの?」


「お嬢様!お怪我は⁉︎」


「マリア、私は大丈夫よ。この方が助けてくれたもの。」


「はあ、はあ、はあ、、、お前ら、、全員ブチ殺してやる、もう許さねえぞおおおお!」


「まだ生きていたか、しぶとい奴だ。」


男が左手に剣を持って突進してくる。勢いに任せただけの動きだ。


「魔法は疲れるからあまり使いたくないんだがな、、炎魔法、ヴォルケーノ。」


発動と同時に竜の形をした炎が男に襲いかかる。


「う、うあああああああ!」


竜は男を飲み込み、骨1つ残さず焼き尽くした。


「あの、、、貴方のお名前をお聞かせ願えますか?」


「俺ですか。シオン・フレイルです。あ、別に大したことしてないんで覚えなくていいですよ。」


そう言って俺はお礼を言う2人と別れ、試験会場へと向かったのだった。


完全に忘れてたな、、、なんで忘れてたんだろう。


「あの時助けて頂かなければ今頃、私とマリアはどうなっていたことか、、、感謝してもしきれませんわ。」


「改めてお礼を申し上げます。ありがとうこざいました。」


「いや、気にしないでください。えーと、、すみません名前教えてもらえませんか?」


「これはすみません。申し遅れました、私はセレア、セレア・ミラグレースと申します。」


「セレアさん、わざわざありがとうこざいます。こんな屋敷にまで招待してもらっちゃって。」


「セレアさんだなんてそんな、、、気軽にセレアと呼んで下さいな。」


なんか顔が赤い様な気がするが、、、気のせいか?


「あ、そういえば何か困っているご様子だったとマリアから聞きましたが、、どうかされたのですか?」


「実は泊まる場所が無くて、、恥ずかしい話お金が殆ど無いんです。」


口にすると思っているよりも大分恥ずかしい。


「それでしたら今夜は屋敷にお泊り下さい。勿論お金など受けとりませんわ。」


「え、いいんですか?」


「はい、ここは私とマリアしか住んでおりませんので、お好きな部屋をお使い下さい。」


うーん、一つ一つの仕草といい、時折見せる笑顔といい凄く可愛いいなー。ってイカンイカン何を考えてんだ俺は。


「じゃあお言葉に甘えさせていただきます。」


「そうですか!では料理ができるまでまだお時間がございますので、先にお風呂でも済ませてきたらどうですか?」


「そうさせてもらいますよ、セレアさ、、セレア。」


「シオン様、そんな丁寧な言葉使いなどしなくてもよろしいのに、、、」


「まあ、仕方ありません。今日はお疲れでしょう。浴場は二階にあります。どうぞお入り下さいまし。」


一階で見送られ俺は浴場まで向かった。なんで様を付けているんだろう。


「第一段階成功よ、マリア。シオン様程の殿方であればこれから先数多くの女が寄ってくるに違いないわ!」


「その通りでございます、お嬢様。」


「先にほかの女に奪われる前に、必ずやシオン様を手に入れてみせますわ、、!」


「全力でサポートします、お嬢様。(まあ、こればかりはお嬢様に負けるわけにはいきませんが。シオン様は私だけを見ていればよいのです、、、)」


一方当のシオンはというと、自分を巡った女性の戦いが密かに行われているのも知らず脱衣所で服を脱いでいた。


「しかし、タダで泊まらせて貰える上、夕飯までご馳走してくれるとは。やっぱり人助けってしとくべきだなー。」


この後理性をぶち壊される様な事が起こるとも知らずに。














登場人物紹介


セレア・ミラグレース

町外れの屋敷の主。名門貴族ミラグレース家の若き当主であり、その容姿から王都での男性のみならず女性のファンも多く存在している本物の完璧お嬢様。


マリア・ルーベル・ルージュ

長い黒髪にエルフ族のメイド。奴隷市場で商品として売られていた所を前ミラグレース家当主に解放といった感じで雇われる。とても良くして貰った為、現当主でもあるセレアに仕えている。セレアに対して忠実だが恋愛においては相手がセレアであろうとも容赦しない。

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