0. うんめい
ここどこだろ……でもなんかなつかしい。
みどりのくさがはえてて、あっ、あのきも!
ちかよって、さわって、かいだにおいはなんとなくなつかしくて、あったかくて……
ああ、なみだがでてきちゃったよ。もうなんか、まえがみえないよ……
あたしはくさにねっころがった。いいにおい……あったかい……
「おかあさん……」なんかぽろっとくちからそんなことばがでた。まえがもっとみえなくなった。
いけない、いけない。またせんせいにおこられちゃうよ。あれ、せんせい……
せんせいにさいごにあったのはいつだっけ。あれ、あちし、きのうはなにしてたっけ。おとといは……
なんにもおもいだせない。きょうのあさ、おきたらなつかしいべっどのうえにいて、ききおぼえのあるひとたちのこえがあふれてた。なんかそのとき、あたしはそとにでたくなってかけだしてきちゃったんだ。ここに。
きのうのよる、おぼえてるのはこんなふうにまえがみえなくなって、なみだがいっぱいになったなぁ。だって、ちいたがいったんだもん、「おとおちゃんにはもうあえないよ」って。
なんかどういうことかよくわかんない。あたちはずっとねむってたみたい。なんかむかちのことがよくおもいだせない……
おとおちゃんのことはおぼえてるよ、ちょっとだけ。いつもあたしのはなしきいてくれて、ぴあのきいてくれて、やさちいひと。なんであえないんだろ……
なみだがいっぱいになってきて、あたしはめをつむった。なんかもう、わかんない……
「ステラ、ステラ!」
なんかあたしをよぶこえがする。そっか、あたし、すてらっていうんだっけ……なんかなつかしい……
「ステラ、おきてよ、ステラ!」
あれ、なんだろ。このこえしってる。おぼえてる。おぼえてるよ、はっきりと。
あたしはめをあけた。
おとこのこ。まっくろなかみ。きれえ!のみこまれそうな、みずいろのめ。
「よかった、ステラ!げんきなんだね!」
だれだっけ、このひと。きのうから、あうひとみんなしらないひと。ううん、まえにあったひとも、だあれもおぼえてない。けどこえだけはみんななつかしいんだ。このこえは、もっとおぼえてる。なんか、あんしんする。どこであったとか、だれだったとか、なあんにもわかんないけど、このこえはあちしをたすけてくれたもの。あたしの、もの。きいててすっごくふんわりする。
「ステラ、ぼくはもういかなきゃいけないんだ。かえんなきゃいけないんだ。」
えっやだ。あたしのだもん。あたしは、このひとのうでをつかんだ。
「ごめん、ステラ。でも、ぜったいにもどってくる。ステラをむかえにくるから、そのときは、ぼくと結婚してくれないか?」
けっこん?
「なあに、それ…えっと、けっこん?」
そのひとはちょっとわらってこたえた。
「結婚っていうのはね、ステラがぼくのものになって、ぼくもステラのものになることだよ。」
「そしたら、あなたはずっとあちしからはなれないの?ずっといっしょなの?」
「そうだよ、結婚したら、ずーっと、いっしょ。」
ずっとこのこえがきいてられるの?さびしくなんなくていいの?なんか、それ、いい!
「する!あちし、あなたとけっこんする!」
そういうと、そのひとはわらって、あたしをぎゅってだきしめた。
わらったら、すっごくきれいなおとがするね。あたしもわらった。いろんないろがみえて、きれえだった。まえがくもっちゃうのよりずっといい。
それからそのひとは、あたしにゆびわっていうのをくれた。けっこんのやくそくのしるしなんだって。そのひとは、あたしのひだりの4つめのゆびにそれをはめてくれた。
そのひは、そのひととおわかれしなくちゃいけなかったけど、でもそのきれえなわらいごえはべっどにはいってもずっときこえてた。だいすきだった。
はやくきてくれないかな、おむかえ。
そのつぎのひから、あたしはがんばった。いろいろおべんきょして、おべんきょがすきになった。たのしくて、まいにちがんばった。でもたまにさびしくなるよるには、あのきれえなわらいごえをおもいだしてわらった。
はやくきてくれないかなぁ、おむかえ。
そして、10年後……
妄想が……私の最初の設定である純粋な恋愛をぶち壊してます……これでいいのでしょうか……
このまま、私の妄想が形になれば、超能力、予言者、色々登場してまいります……
どうか、感想をお願いします。