まぁ一刀ですし
そこにいたのは、頭に妙な人形を乗せた不思議少女であり魏の三大頭脳の一人、風だった。
一刀「なんだ・・・、風か。」
風「なんだとは失礼ですねぇ~、お兄さん~。」
風が一刀を見上げながら不満げに言った。
一刀「ははっ、ごめんごめん。」
そういうとしゃがんで風の頬を一刀が撫でた。宝慧のせいで頭を撫でることができないからだ。
風「にゃぁ・・・。」
宝慧「やいやいにーさん、それはそうとさっきの浮気現場はどーいうこったい。」
嬉しそうな風に対し、人形が先ほどの逢瀬について問いだした。
一刀「ばーか、浮気なんてそんなもんじゃねーっての。」
宝慧「うぉぅ。」
一刀がそういいながら宝慧をペシッと叩いた。
風「それはほんとうですか~?」
一刀「風までそういうなよ~。」
風「お兄さんのそのやさしさや雰囲気に無意識に女性は惹かれちゃうのですよ~。」
一刀「ん? つまり・・・?」
風「雪蓮さんはもうお兄さんが好きなんだとおもうのですよ~。」
一刀「こらこら・・・、本人から聞いたわけでもないのに決め付けないの。」
風「うにゃっ。」
それはそれで嬉しいが変な風に思われては困るので、一刀は呆れながら風のおでこをつついた。
風「う~、怪しいのです。」
一刀「俺は魏の子達以外自分から手を出そうとは思わないよ。」
風「お兄さんは優しいですからねぇ~、来る者拒まず、な気がして風は心配です。」
あまり信用してもらえていないので、一刀が力押しに納得させる方法に出た。
一刀「そこは信用してもらうしかないな。」
風「・・・にゃぁ・・、卑怯ですお兄さん・・。」
浅く風の唇を一刀が優しく奪った。
そのあとスクっと一刀が立って、風の手をとった。
一刀「会場に戻ろうぜ、真桜がまだがんばって戦ってるんだ。」
風「うぅ・・・、うまく丸め込まれたのです。」
一刀「まぁ、今の事は誰にも言わないでほしいな、変な誤解生まれてもしんどいし。」
風「それは・・・わかりませんねぇ。」
一刀「・・・・、風を信じるとしよう。」
風「・・・、ふふ。」
一刀と手を繋いでいるためすこしご機嫌な風であった。
そのまま手を繋いで会場に戻ると大きな歓声が響いた。
司会「勝者!! 魏軍 李典選手!!!!」
真桜「よっしゃぁ~!」
真桜の螺旋槍が天に向かって突き上げられた。
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
勝ち鬨のあとさらに大きな歓声が沸いた。