ちょいえろ雰囲気以外は削除してます
華琳のいる物見台は豪華な作りであり、外からは前に乗り出さない限り
中にいる人が見えないように作られてあった。
また華琳のいる所までには何箇所も入り口があり、全ての入り口に警備兵が待機している。
もし迂闊に忍び込もうと近づけば警備兵に切り捨てられるであろう。
が、全て魏の兵士達なので、一刀の顔を知っているため一刀は容易に
華琳が座して戦いを見る部屋までたどり着いた。
意外にも入り口に扉はなく、開放されていたので、部屋を覗き込むと
部屋には華琳が座っているイスだけがあり、そこに華琳が座っていた。
一刀が華琳にばれないよう気配を消しながら近づこうとした時
華琳「何の用かしら、一刀。」
一刀「あらっ・・・、ばれたか。」
あちゃー、という顔で一刀が気配を消すのをやめて華琳の座るイスへ向かった。
華琳「いくら気配を消そうとしても、この曹孟徳の裏はかけないわよ。」
一刀が横に来たのを確認して一刀を見ずに華琳が言った。
一刀「さすがは華琳、がんばってみたんだけどなぁ。」
華琳「ほんとに騙し討ちしたいなら部屋に入る時からではなく、この建物に入る前に
消しなさい、そうでなくては意味がないわ。」
一刀「りょーかいです。」
華琳の指摘に一刀がそっけなく答えた。
華琳「で、私に何の用かしら?」
一刀「おや、愛する人の所に用がないと会いにきちゃだめかな?」
華琳の問いに一刀が即座に答えた。
華琳「残念ながら・・・、今はそういう言葉を聞いてもこれっぽっちも嬉しく無いわね。」
華琳がツーンと一刀をつっぱねた。
気づけば先ほどから華琳は一刀の顔を見ようとはしていない。
ふと一刀が華琳のイスの右側の肘掛の先端の飾りに大きな亀裂が入っているのを見た。
先ほどの大きな音はたぶんめいいっぱい握り締められたこの骸骨の装飾が発したものだろう
と一刀は思った。
一刀「なんだよ・・・・、さっきのこと怒ってるのか?」
一刀が華琳に尋ねた。
華琳「あら、何のことかしら?」
質問の意味をわかっている華琳だが、ワザと聞き返した。
一刀「だからさっきのキスしちゃったやつだよ。」
華琳「へぇ、そんなことしたのねぇ。
さすがは魏の種馬さんね、もうほかの国の女の子にまで手をだすなんて。」
冷ややかな声で前を向きながら華琳が言った。
誤解を解くため一刀が解説した。
一刀「あれは、誤解だって。俺からしにいくわけないだろ。
引き起こすために差し出した手を思いっきり引っ張られてこけたのはさすがに
俺の油断だったけど、さすがにあんなことするつもりなかったって。」
華琳「さぁ、どうかしらね。馬岱も十分かわいいじゃない。
負かした相手に手を出すのも一興とかおもったんじゃないの?。」
一刀の意見を聞こうともせず、華琳が言った。
一刀「なんでそうなるかなぁ~・・・。
なんだよ、俺のこと信じれないのか?」
あまりにもな華琳の態度に一刀が華琳に不機嫌そうに聞いた。
華琳「女性関係でその言葉を信じられるような行いを、貴方はしてきたかしら?」
その言葉にカーッときてしまった一刀が声を張り上げた。
確かに魏の面々には手を出した、言い訳はできない。
ただ愛もなく快楽に溺れたくて関係に至ったわけではない。
一刀「心も無く魏の皆に手をだした覚えは俺は無い!
確かに華琳以外の女の子達に手をだしたさ。
それは相手も俺のことを好きだっていってくれてるからだ。
華琳もそんな子達を愛せない甲斐性無しじゃないだろう、とかいったじゃないか、俺に。
だから俺もみんなの気持ちに俺のできるだけの気持ちで応えただけだ。
遊び半分、浮ついた気持ち、体だけの関係とか・・
そんな簡単な気持ちで俺がいてるとでもおもってるのか、華琳は!」
想いのままを華琳に一刀がぶつけた。
華琳もまさかの一刀の反応にかなり驚いた様子だった。
華琳もその言葉を受けて、言い返そうと初めて一刀の方を向いたのだが・・・
そこにあったのははじめて見る一刀の涙を流す姿だった。
一刀「結構つらいんだぜ・・・? 種馬っていわれるのもさ・・・・・。笑ってごまかしてるけど。
お前にまで信じてもらえなきゃ・・・、俺は誰に信じてもらうんだよ・・・。」
泣きながら言って、一刀はグイッと袖で己の涙を拭った。
華琳「一刀・・・・・、あなた・・・・。」
驚きのあまり、華琳は何も言うことができなかった。
一刀「わり・・・、ちょっと感情昂ぶった・・・。」
華琳「一刀・・・。」
一刀の初めて見せる涙の姿と、一刀が初めて語った本音に華琳は心を打たれた。
スっとイスから立ち上がって一刀の方へ向き、涙を拭っていた腕を取った。
華琳「ごめんなさい、一刀、少し言いすぎたわ・・・。」
華琳は一刀に自分のした仕打ちを謝った。
涙で真っ赤な顔の一刀の後ろに手を回して、華琳が背を伸ばしてそのまま唇を重ねた。
一刀は華琳の行動に驚いたが、そのまますんなりと受け入れた。
だが、受け入れただけで、体を反らすわけでもなく、舌を絡めることもなく、直立で立っていた。
背が低めの華琳が直立の一刀にキスをするのは結構辛いのだがそれでも唇を重ねるのをやめなかった。
ふと二人の唇が離れた。一刀の両腕を掴み、少し目をふせて華琳が言った。
華琳「私・・て・・・、一刀と・・・いた・・よ・・・。」
顔を伏せていたせいもあってか、華琳の声はあまり一刀の耳に届かなかった。
一刀「華琳・・・・、聞こえないよ。」
華琳「私だってもっと・・・、一刀と一緒にいたいのよ・・・。」
華琳の精一杯の声が一刀の耳に届いた。だが・・・
一刀「華琳、目を見て言ってくれなきゃ・・・、信じれない。」
一刀が嘘をついた。あの華琳がここまで言うのだから嘘ではない。
だが、一刀はあそこまで言われてすぐ折れたら、ダメだと感じたのだった。
伏せていた顔が上がり、握っていた腕をさらにグッと握り締め、華琳が一刀の目を見た。
互いの姿が瞳の中に映ったせの刹那。
華琳「愛してるわ・・・・・、一刀。」
華琳の口からは、揺ぎ無い想いがこぼれた。
華琳の綺麗な青い瞳は真っ直ぐ一刀を見つめ、視線をそらすことはない。
華琳はキュッと唇をかみ締めて、一刀の反応を待った。
一刀「(華琳・・・。)」
あの華琳が真っ直ぐ自分を見つめている、自分への愛の言葉をそえて。
一刀が自分の想いを返そうとしたとき、あることに気づいた。
自分を真っ直ぐ見つめる華琳の手が、震えていたのだ。
あの大陸の覇王がこんな自分の答えに、不安を抱いているのだ。
あの自信の塊のようなあの華琳が・・・・、そう考えると自分の想いなどちっぽけに一刀は思えた。
一刀「華琳。」
華琳「・・・、何よ。」
一刀の言葉に緊張しながら華琳が聞き返した。
一刀「ほんと・・・、卑怯だよ・・・。」
そういうと一刀が握り締められた腕をそのまま腰に回して華琳を抱き寄せてキスを交わした。
先ほどのような一方的なキスではなく、情熱的なキス。
華琳「んっ・・・・はぁ・・・ちゅぷ・・・。」
一刀「ちゅぷ・・・・・んはぁ・・・・ん・・。」
キスをしながら一刀が華琳をイスの肘掛に腰を掛けさせた。
そこからもキスは絶えず一分ほど続いた。
一刀が満足したのか二人の唇が離れ、間には銀色の橋ができた。
華琳「したらしたで・・・、激しいのね・・・。」
一刀「まぁ・・・・、そう言うなって。」
そういいながら一刀が華琳から離れ、そのまま華琳が座っていたイスに座った。
華琳は一刀の行動を目で追っていたのでそのまま振り返った。
華琳「一刀・・・、あなたどこにすわっ・・・きゃぁ!」
華琳の腰に一刀が手を回してそのまま自分の膝の上へと招き入れた。
以前季衣が一刀の膝の上にのってご飯を食べていたときのような格好だ。
一刀「前、してほしかったんだろ?」
華琳「うっ・・・・大きなお世話よっ。」
そうは言いながらも華琳は一刀の腕を解こうとはしなかった。
むしろ自分のおなかに回されている一刀の両腕に自分の両手を添えた。
一刀「ま、俺もしてみたっかたんだよね、華琳に。」
華琳「・・・なんで?」
あまり言葉の意味がわからなかった華琳が一刀に尋ねた。
一刀「俺が君をこうやって抱けるときは、多分、平和な世の中になってるだろうって思ってたからね。」
華琳「一刀・・・・・。」
華琳が覇王ではなく、一人の少女に戻れるときは多分それ以外ないだろう。
一刀「そして俺もその平和なときの中を君と過ごせてるんだ・・・・、ってね。」
華琳「・・・・・・・・。」
華琳は一刀の言葉に応えず、ただギュッと一刀の両手を握り締めた。
観客の歓声も聞こえなくなるほど静寂な空間が二人を包んだ。
一刀「なにしてたとか・・・・、聞かないの?」
華琳「聞いて欲しいの・・・・?」
一刀「できれば。」
華琳「じゃあ、いってごらんなさい。聞いてあげるわ。」
一刀「いや・・・、何か聞いてくれよ。」
華琳「そうねぇ・・・・。」
華琳が少し考え込んだ。
そのスキを伺いながら華琳の頭をより自分に近づけた。
華琳「一刀、あのあなたがこの2年であれだけ強くなったのはなぜ?」
その行為を気にすること無く華琳が一刀に聞いた。
一刀「ひとえに師匠のおかげかな。」
華琳「ふうん、武芸あるものに師事したのね。師匠の名は?」
一刀「あんまり驚くなよ?」
華琳「・・・?」
華琳が一刀のいい方に疑問を抱いた。
一刀「師匠の名は橋玄、無道橋玄。」
華琳「きょ・・・・、橋玄様?」
一刀の言った名前に華琳が驚いた。
一刀「あぁ・・・、漢字まで一緒だったよ。」
華琳「そう・・・、まさか貴方までも橋玄様に教えを乞うとはね・・・。」
一刀「俺も思ったんだけど、・・・やっぱ運命ってやつかな?」
華琳「・・・、ばか。」
ギュッと華琳が一刀の手の甲を抓った。
一刀「いたたっ・・・・。」
意外に抓られた手が痛く、一刀は思わず声に出してしまった。
一刀「まぁ・・・、それだけじゃあないけど・・・・。」
華琳「あら、続きがあるわけ?」
一刀「おう・・・・、こっちの世界じゃいまいちつかめないかもだけど。」
華琳「・・・、どういうことしたのよ・・・?」
一刀の言葉の意味がわからないまま華琳がすぐさま返した。
一刀「まず学校をやめて、軽く親子の縁を切っちまったな。」
華琳「はっ・・・?」
一刀「そこから、とりあえずこっちの世界の生活に似てる環境に入った。
まぁ、一応そこには祖父もいたからよかったけどな。」
華琳「えぇ・・・・そう。」
一刀「そこで、農業、商業、歴史、勉学、色々なこと学んだよ。」
華琳「あら・・・えらいわね。」
一刀「んでそれを習いつつも体を鍛え、さらに師匠を得て武芸も含めた修行の毎日、って感じかな。」
華琳「ふー・・・ん。」
一刀「なんだよ、最後だけ詰まった返事して。」
華琳の返答がちょっと気になった一刀が華琳に聞いた。
華琳「その橋玄様は・・・、男性だったのかしら?」
一刀「いや、女の人。」
華琳「性別までこちらといっしょとはね・・・・、美人だった?」
一刀「おー、なんであんなキレイな人が強いかわかんないぐらいにな。」
華琳「(それも一緒なのね) そんな人と一緒にいて・・・・、襲わなかったの?」
一刀「皆の事思い浮かべたらそれよりも、修行しなきゃって感情のがでかくてね。
つか、だから・・・・、そう誰にでも手をださないってば。」
華琳「あら・・・、心強い言葉ね。」
一刀「おや、今度は信じてくれるんだ?」
華琳「・・・・、元から信用してるわよ・・・。(小声)」
一刀「えっ、聞こえなかったぞ?」
華琳「なんでもないわよ! で、その後は?」
カーっと赤くなって華琳が一刀に続きを催促した。
一刀「んでまぁ、そんな日々を二年間続けて、いつしか祖父の教えも全部覚えることができて
師匠にも武芸である程度勝てるようなったら、免許皆伝頂いたわけでして。」
華琳「で・・・、気づいたらこっちの世界にいたわけ?」
一刀「正解! さすがは華琳様。」
華琳「何故かあまりほめられてもうれしくないわね・・・・。」
一刀「ひでー。」
華琳「でもすごいわね・・・、あの一刀をここまで強くできる師匠、橋玄様は。」
一刀「俺のがんばりは無視ですか?」
華琳「武芸に関しては師が優れてないと本当にいい弟子はできないわ。」
一刀「それはごもっともで。」
華琳「それに、貴方のがんばりを無視するつもりはないわよ、ちゃんと見せてもらったし。」
一刀「それはありがとうございます。」
華琳「で・・、その免許皆伝の腕はどれくらいの自信があるのかしら?」
華琳が挑発気味に一刀に尋ねた。
一刀「それは見てて欲しいかな。うん。」
華琳「あら、ずいぶん弱気なのね。」
一刀「確かに俺もこの二年間で力をつけた。でもそれはこちらの世界の皆も同じはず。
なら、いまここでそれを言っても意味ないとおもうんだよ。」
一刀が自分の力を自覚しながらも、他への尊敬も忘れなかった。
華琳「ふむ・・・、それも一理あるわね。」
一刀「だろ? だから見ててくれ、俺の戦いを。」
一刀が華琳に自分の戦いを見てもらうよう願った。
華琳「見てるだけじゃ楽しく無いわね。」
一刀「え?」
華琳「一刀、この大会優勝しなさい。」
一刀「は・・・・・? いや・・・無理が・・・。」
華琳「私の期待に応えてくれることを、期待してるわよ。」
一刀のいい分を聞くことなく、華琳が話を終わらした。
が、後ろに下がっていた頭を横に動かして、一刀の方を向いて、頬にキスをした。
華琳「がんばってね。」
そういうと満面の笑みを一刀に向けた・・・
それに驚いて一刀が華琳の方を向いたのだが、華琳はすでに始まっていた
真桜と華雄との戦いに目をやっていた。それに気づいて一刀も目を下に向けた。
一刀「うぉっ、もう始まってたのか。」
華琳「あら、自分の部下の戦いをみないなんて酷い上司ね。」
一刀「でも、華琳との時間も大切じゃないか。」
華琳「・・・・、はいはい・・・。」
素っ気なく答える華琳であったが、その表情はどこかうれしそうだった。
一刀「でもま、真桜とも約束したし、そろそろ行くわ。」
華琳「あら、ここでみてればいいじゃない。」
自分から離れていこうとする一刀を華琳が引き止めた。
一刀「・・・・・、いてほしいのか?」
華琳「真桜から特別近くから見てなんていわれてなかったでしょう?」
一刀「みょーうに、的の外れた答えだな。」
華琳「・・・、うるさいわね。」
図星をつかれたのか、華琳が語気を荒くして答えた。
一刀「俺もいてたいけど・・・・さっ!」
一刀がそういうと華琳のおなかに当てていた手を華琳の両胸に当てた。
あの華琳の胸部からむにゅむにゅっと音が聞こえた。
華琳「きゃぁっ!?」
急なことに華琳が嬌声を上げた。
驚く華琳を尻目に一刀は以前より成長した華琳の胸をもみしだいた。
華琳はあまりの突然なことで言葉をなくしそのまま一刀の行動を受け入れてしまった。
一刀「こーんな風に華琳を襲いたくなるのでこれ以上はここにいれません。」
そういうと一刀は胸から手を離して、華琳を抱えて立ち上がった。
立ち上がった後、振り返り、華琳をイスにおろした。
一刀「華琳、君の言葉に応えられるかわからないけど、この大会、優勝目指すよ。」
華琳「・・・、今私の胸をもみしだいた以上、それ以外は許さないわ。」
華琳はイスに座して落ち着いたのか、一刀を睨みながらいつものような態度に切り替わった。
一刀「お姫様のキスに応えない王子様はいない、さ。(小声)」
華琳「なにかいった?」
一刀「いーえ。 ま、いくわ、またあとでな。」
そう告げると一刀が華琳の前から離れ、出口に向かった。
華琳「無様な姿を見ないようと祈っといてあげるわ。」
前向きながら華琳が一刀に言った。
一刀「サンキュ。」
その声が聞こえた一刀はお礼を言いながら手をヒラヒラと振って部屋を出て行った