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闘争本能  作者: たっちゃん(小さな畔)
14/16

豪傑

皆がリングから降りたのを確認し、司会が大会を進行した。



司会「皆様、素早い対応ありがとうございます。


    それでは、次の戦いへまいりましょう。


    次の戦いは、魏軍 張遼選手 対 蜀軍 呂布選手 となっております。


    両者、速やかに石畳へお上りください。」



霞「よっしゃ!!


  やっとウチの出番やな!」


真桜「姐さん、頑張ってください!」


凪「相手はあの恋様です、お気をつけください。」


沙和「お姉さまなら恋ちゃんでも大丈夫なの!」


春蘭「霞、華琳様のためにも、勝ってこい。」


秋蘭「霞、勝ち急ぐなよ。」


季衣「霞様、頑張ってくださいね~。」


流琉「霞様、お怪我なされても頑張って介抱しますから、どんといってきてください。」


風「霞ちゃん~、がんばるですよ~。」


凛「期待していますよ。」


桂花「がんばんなさい。」


魏軍の武将、智将達から応援の声が飛び交った。


霞の相手はあの呂布だ、誰しもが劣勢であることに気づいていたのだ。


霞「まかしとき!」


だがそんなことは関係ないほど、霞は気合十分だった。


強がりにも見えるほどのその意気込みに違和感を一刀だけが見抜いていた。


誰よりも傍で霞の本質を見た事がある一刀だけが感じれたのかもしれない、霞の震えを。


それを感じた一刀は霞を後ろから抱きしめた。


一刀「霞・・・、負けたら膝枕一年分な。」


愛しい人に愛をささやくように、優しく、優しく一刀が霞に囁いた。


霞「一刀・・・。 うん・・・、ウチ負けたら一年分、膝枕したるわ。」


一刀「頑張ってこい。」


霞「うん、頑張る。やからそこでみといて、ウチの戦いを。」


一刀「おう。目に刻みつけるよ。」


そういうとポンッと霞の肩を一刀が叩いた。


それから霞は振り返ることなく、リングへとあがった。


先ほどまでの震えが嘘のように、霞の心は安定し、何の不安もなく戦いへと向いていた。


霞「(ありがとやで・・・、一刀。)」


リング上にはすでに呂布があがっており、いつでもOKという風にこちらを見ていた。


霞「久しぶりやな・・・、恋とこうやって戦うのも。」


恋「うん・・・、でも・・・・、恋が勝つ。」


鋭い目つきで二人が睨み合いながら、武器を構えた。


司会「それでは、張遼 対 呂布   試合・・・・開始ぃ!!!!」



司会の声を合図に、両雄の互いの誇りを賭けた試合が始まった----------------------


霞と呂布は互いにジリジリとお互いの獲物を突きつけながら


間合いを詰めあった。


霞「恋に勝った事なんてそういやウチ一回もなかったな・・・・。」


不意に霞が恋に話かけた。


呂布「恋・・・、誰にも負けない。」


呂布が霞の言葉を返した瞬間、呂布の身体が跳ねた。


大きく振りかぶった戟も呂布の腕から放たれた攻撃は、神速に思えるぐらい早かった。


ギィン!


霞「くぅっ、手加減なしやな!」


そういいながら霞が呂布の一撃を凌いだ。


しかし、その一撃の後も呂布の攻撃は霞を襲った。


呂布「っ・・・・・・・・・!」


呂布は繰り出す目にも留まらぬ連続の突きを繰り出した。


しかし、そのすべての攻撃を霞がなんとか防いだ。


1合、2合 と終わることのない呂布の連続攻撃を霞は全て受けきった。


呂布「霞・・・・、強くなった。」


全ての攻撃を出し終え、間合いを取った後、呂布が霞に話しかけた。


霞「まぁ・・・、戦が終わった後も鍛えとったし、それに・・・・。」


そういうと霞がチラっと一刀の方を向き、また前をみた。


霞「大好きな人がウチを応援してくれとる、やから・・・負ける訳にはいかんのや!!!」


ギュッと飛龍偃月刀を握り締め、霞が叫んだあと、霞が呂布目掛けて飛び込んだ。


呂布のように連続に攻撃するのではなく、霞は一撃一撃にフェイントをかけながら


確実に呂布に攻撃を当てるよう心がけた。


呂布「っ・・!」


呂布も霞の一撃を当たらずにはいるが、徐々に徐々に攻撃が自分の身体の方へ


寄ってきていたのを感じていた。


呂布「(霞・・・・、上手い・・・。)」


霞はフェイントを入れつつ繰り出していた攻撃の中、途中でフェイント無しの攻撃も織り交ぜた。


霞「ハァッ!!」


キィィッン!


呂布「あっ・・。」


呂布が霞の下からの打ち上げた攻撃に対応しようとしたものの、抑えきれず、腕を上に投げ出された。


その隙を霞が逃すはずもなかった。


霞「タァッ!!」


霞の薙ぎ払った一撃が呂布のお腹へクリーンヒットした。


呂布「うぐっ・・・。」


攻撃を食らった呂布は後方へと吹っ飛んだ。


真桜「よっしゃあ、姐さんの勝ちや!」


季衣「霞様すごーい!」


凪「さすがは霞様・・・、あの恋様を・・・。」


その光景を見て魏サイドが勝利確信したのだが・・・。


一刀「まだだ!」


一刀の声が皆の言葉を遮るように響いた。


霞「そうや、まだ勝敗はついとらん、たった一撃入っただけや! 戟も持ったまんまや!」


霞が一刀の声に呼応するように、自分もまた叫んだ。


その声に反応するように呂布がムクッと立ち上がった。


立ち上がった後、お腹をさすりながら敵意を持って霞をにらんだ。


呂布「霞・・・、強い・・・・。恋・・・、霞・・、倒す。」


そういうと、ミシィッという音を戟が上げた。呂布の身体がスッと戦闘態勢の構えをとった。


霞を睨み付ける呂布のその目はまるで、百獣の王、ライオンのように獰猛で力強かった。


劉備「あんな恋ちゃん、初めてかも・・・・・。」


関羽「久しぶりにみるな・・・・、あの恋の姿。」


馬超「久しぶりに恋の本気・・・、見れそうだな・・・・・!」


張飛「ワクワクするのだ!!」


趙雲「確かに・・・、だが、あそこには私が居たかったものだ。


    恋は本気の力をそうそう表にだしてはくれんからな・・・。」


蜀の武将ですらあまり恋の本気の力は見たことはなかった。


霞「そう・・、それや・・・、その恋とウチは闘いたかったんや・・・!」


霞はゴクッと生唾を飲み込んだ。


霞は目の前に対峙している化け物の姿に冷や汗を掻き、身体が震えた。


だが・・・・・。


霞「(恋・・・・、ウチはあんたを超える・・・、今日、ここで!)」


霞も呂布に負けず劣らず、鋭い視線を呂布に向けた。


両雄が構える姿はまるで竜虎の姿のようだった・・・・・・・


ドゴンッ!!


呂布が脚に力を込め跳んだ時、元の立ち位置にあった石畳が割れた。


その音と、舞い上がった土ぼこりに一瞬気をやられてしまった霞


ハッとした次の瞬間、目の前には呂布がいた。


霞「くぁっ!!?」


呂布の横からの薙ぐ一撃をなんとか防げたものの、そのバカ力に押され


霞の体は吹っ飛んだ。


浮かび上がった無防備の霞に、呂布は追撃をかけるため同じ方向に跳んだ。


霞「(あかん・・・、体勢ととのえられへん!)」


呂布「ふあっ・・・!」


霞に防御体勢を取らせぬ速度で呂布が攻撃を仕掛けた。


ドッ!!


鈍い音が会場を包んだ。


呂布の一撃が霞のおなかに入った音だった。


ドゴッ!!


石畳に霞が空中から呂布に叩きつけられた。


霞「かはぁっ!!?」


あまりの激痛に声にならない声を霞が放った。


そのまま着地した呂布が霞に対して追加攻撃すると思われたのだが


呂布「霞・・・・・、今のさっきのお返し・・・・・。だから霞も・・・、限界の力出す。」


そういいながら振り返り、霞から少し距離を取った。


凪「霞様っ!!?」


真桜「姐さん!!」


春蘭「霞っ!!」


その出来事に魏の武将達が声を上げた。



霞「(あかん・・・、めっちゃいいのもろた・・・・・・・、あ~・・・頭クラクラするぅ・・・・・・。


   ほんま手加減なしの恋は手がつけれんくらい強いんやもんなぁ・・・・・。


    あばら2、3本いったっぽいな今・・・・・。)」


霞は場外スレスレの所に叩きつけられた後跳ねていた。なんとか獲物は持ったままだったが。


霞「(しかも限界の力て・・・・・、恋みたいに思いのままにそうそうだせるもんやないて・・・・。)」


少し弱気になっていた霞に誰かが声をかけた。


一刀「霞・・・・・、もう降参か? 俺はそれでもいいぞ、膝枕一年間キッチリしてもらうからな。」


少し嫌味ったらしく一刀が霞に言った。


凪「ちょ・・・、隊長今そんな事を言っている場合では・・・。」


一刀の言動に凪が異を唱えた。


しかし、一刀は凪の声に聞く耳持たずであった。


一刀「なぁ、霞、お前が俺や春蘭に会った時言った言葉覚えてるか?」


霞「(かず・・・と・・・? 何やった・・け・・か・・・?)」


霞は意識が朦朧としている中でも、一刀の声には気づき、耳を傾けていた。


一刀「俺の声が聞こえてるんなら・・・・・・今すぐ立て!!


    立って、呂布に打ち勝って見せてみろ!


    証明したいんだろ?


    この中で一番誰か強いかって。


    あのときの言葉は嘘じゃないんだろ!? 霞!!!」


一刀の声が霞の体を貫いた。


その言葉に霞の朦朧としていた意識はハッキリした。


そのあと何も言わずに、飛龍偃月刀を支えに立ち上がった。

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