第十話〜帰れなくなった原因と今後についての相談〜
一応、活動報告の方でお伝えしましたが……体調を崩し、二回に渡って更新予定を変更した事をお詫び致します。
更に、一時間遅刻して申し訳ありません……
そして、ステータスについての訂正です。
一章五話の時点でのミナトの技能「並列起動」を今回から「擬似並列思考」に変更します。
説明については後日、五話の方を変更しますのでそちらを参照していただけたらと思います。
次回の更新は、ちょっとだけ早めで6/17金曜日の21時です。
唐突の帰還不可能宣言に思考がフリーズしてから数分。
なんとか立ち直って、もう一度聞き直す事にした。
「……えっと、もう一度最初から言ってくれないかな。何が、どうしたって?」
『貴方が元の世界に帰れなくなりました』
「……なんで?」
『貴方の世界が真っ黒な渦で覆われていて、世界同士で繋がっている筈のパスが物凄く狭まっているからです。勇者の魂程度なら帰せますが、貴方の巨大な魂とを転移させる程の容量はありません』
自分の魂がデカイとか初めて知ったんだけど……そんなに大きいの?
というか僕の世界が真っ黒な渦で覆われてるって……あー、空に入ったあの黒い亀裂の事かな?という事は、もう僕の世界無茶苦茶になってんのかな……姉さんたち大丈夫かなぁ。
『うう……すみませんすみません。巻き込んで本当にすみません』
僕の心配に、元々の元凶であるティアが凄く申し訳なさそうな顔で謝ってくる。
さっきまで声を全員に聞こえるようにしていたけど、この謝罪は僕にのみ聞こえる念話だ。
いや、僕は別にいいんだけどさ。父さんたちの知り合いだし、意図的な物じゃないし。
『そう言ってもらえると助かります……』
『この話はここでお終いね。蒸し返す話でも無いし』
『重ね重ねすみません……よし、とりあえず今はその事は置いておきましょう。そんでもって、ミナトさんの魂が大きいって話でしたよね?』
「そーだよ」
もうお姫様やテュルケーに隠す必要のある話題でも無いし、普通に声を出して応える。
自分の魂が大きいって言ったって、自覚出来ないからイマイチ実感が湧かない。
『いやー、ミナトさんの魂は本当にデカイんですよねぇ。この場合、物理的な大きさではなく、存在感というか……まぁ気配の巨大さとでも言えばいいのですかね?』
「……なんで?というか魂の大きさってどう決まってるの?」
僕の疑問に対して、ここまであまり喋っていなかったメティスが教えてくれた。
『解説:まず、魂の大きさというのはステータスで言うならレベルのことを指します。マスターは普通の人間には到達出来ないようなレベルになってますよ?百聞は一見にしかず。御自分のステータスを確認してみては如何ですか?』
「わかったよ……」
この前ミレットで確認した時は普通だと思ったんだけど……そんなに変だろうか。
とりあえず、ステータスを表示してみる。
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朝霧湊 14歳
神殺し
Lv.1759
職業:冒険者[Rank:C]
技能:魔力操作(Lv.10) 擬似並列思考 (Lv.-) 耐性:全属性(Lv.10)
固有技能:心剣顕現 創造術(Lv.10) 魔法[大いなる御業](Lv.-) ←New! 神術[神代之奇蹟](Lv.-)←New!
称号:『狭間の旅人』『魂を繋げし者』『宵天の守護者』『神殺しの一族』『混ざり者』『始祖の血族』『秩序と正義の寵愛』←New!
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レベルもそうだけど、種族欄が「神殺し」ってどうなの?それって種族なの?
というか、技能欄や称号欄がスッキリしてる気がする……というか固有技能ってのが増えてるし、称号も増えてるな。
『技能についてはアレですね。技能の自動統合ってやつのせいです』
「自動統合?」
『応答:自動統合とは、共通点があったり、特定の条件を揃えた技能同士が結び付き、新たな技能になる事です。それは往々にして、固有技能に変化します。別に全てが固有技能になる訳ではありませんが。例えば、あの禁書エリアで乱獲した魔術技能を全て統合した結果、魔術から魔法の域にまで昇華し、新たな技能になりましたね。これは今までに取得した魔術に加えて、アルス・マグナと呼ばれる魔法を行使できるという事になります』
「ふーん。じゃあ実質新しい力を得たのと一緒かー。じゃあ称号の方は……ってこれ、テュルケーのか」
『どれですか?見せてください』
テュルケーに頼まれたので、全員に見えるように表示させる。
『なっ!?』
『沈黙:……』
『はぅえっ!?』
「テュルケー様……』
「皆面白い反応するなー」
一番過剰に反応したのはティアとテュルケーか。いやまぁ、この称号は驚いたけどさ。
『てっ……ててててテュルケーっ!!何で寵愛なんて加護を発現させてんですか!ミナトさんは私の守護者なんですよ!?』
『ごめんなさぁーい!わかんないですーっ!勝手に加護付いちゃったんです!』
『そんなわけあるかぁーっ!!!』
ティアがそう叫び出しながらテュルケーに殴り掛かる。2人とも半実体化してるから、微妙にダメージが通って痛そうだ。お、髪の引っ張り合いからティアのマウントポジからのフルボッコだ。
負けじとテュルケーも全身バタつかせながらティアを引っ掻いたりしてる。
それを僕の側で眺めてるお姫様は死んだ目をしていた。……もう何も言うまい。
「いやー、女性のキャットファイトって初めて見るけど……壮絶だねぇ。本当に」
「テュルケー様………………」
『暇:暇です』
「言葉でも、僕の視界のメティスの発言ログでも態々二回暇って言われると、暇の意思がこれでもかってくらい伝わってくるね」
というか止めないと。ああいうティアの姿は流石に見たくないし。あー……でもやだなぁアレに関わるの。
どうしようかと考えた末に、僕は自分のステータスの解説を読む事にした。現実逃避?何とでも言ってくれ。
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固有技能
魔法[大いなる御業](Lv.-)……あらゆる禁術を統合した結果出現した、天眼もびっくりな完全新規な技能その一。神をも恐れるに足らぬ、ありとあらゆる術を行使出来る。本当に多くて、ここには載せられない。だいたい破壊とかの攻撃魔術が殆ど。アルスマグナの術そのものは、超々広範囲殲滅魔術。放てば大陸が焼滅します。使用には細心の注意を払って下さい。
神術[神代之奇蹟](Lv.-)……多すぎた神術を統合した結果発生した技能。天眼もびっくりな完全新規の技能その二で、統合元の神術の他にも、“術者本人がイメージした神の奇蹟を具現化する”術でもある。
称号
正義と秩序の寵愛……正義と秩序の女神・テュルケーの寵愛を受けた証。効果は魔に侵された者達に対して絶対の力を持つ。
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……ステータスがどんどん人間離れしていくなぁ。
遠い目をしてステータスの解説を読む僕に、メティスは『ご愁傷様です』とだけ言った。
この固有技能は封印しよう。使ったら大騒ぎになるどころの話じゃない。
そう僕は心に誓って、ステータス画面を閉じる。目の前では未だにキャットファイトを続ける二人の女神と、それを諦めの境地でただひたすら眺めるだけのお姫様の姿があった。
今日の昼頃からだいぶ経ったけど、傍目から見れば殆ど変わってないようにしか見えないんだろうなぁ……このカオスな状況。
さて、どうやってこの駄女神二人を現実に引き戻そうか……と思考を始めたところで、メティスが急に警告を発した。
『警告:何者かがこの部屋に超強力な魔術を放ちました!防御結界を!!』
早速アルス・マグナの出番が来たようだ。脳内リストから一番強力な対物対魔結界を選択、展開する。
《盾よ、在れ》
《――天空神の不滅盾――》
この部屋と、僕ら全部個別に防御結界を展開し、衝撃に備える。
直後に爆発とそれに伴う衝撃が僕らを襲う。
……数分続いた衝撃その他諸々も止んで、静寂がこの部屋を支配する。
「皆、大丈夫?」
一応安否確認をしておく。
『大丈夫ですよー』
『応答:流石マスターです。結界のお陰で怪我一つありません』
『は、はい。大丈夫です』
「ケホッ……ケホッ!土煙が凄いこと以外は問題無いです……ケホッ」
良かった。皆無事なようだ。
皆の無事を確認して安心したので、少し
この襲撃について考えてみる。一応、この部屋は隔離してある筈なんだけど……一体誰が攻撃したんだ?
というか、王城そのものは大丈夫なんだろうか?
そう考えていた僕の思考を断ち切るように、静かなこの部屋にコツコツと足音が響く。
土煙から出てきたその足音の主は――浅黒い肌に銀の髪を持った、長身の青年だった。
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