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第九話〜聖戦回避とこれからの目的〜

最近、日常生活が安定するどころか忙しくなって胃が痛いです。

書く時間確保出来ないです……頑張ります。


次回の更新はちょっと遅めです。

次回は6/9木曜日の21時です。

 収拾のつかない混沌とした状態のまま数十分。いい加減どうにかしないと……ということで何とか事態の収拾を図る。

 まず、まだ荒ぶっていたティアをアイアンクローで沈めて、元凶その1を排除した。次に、未だに泣き続けているテュルケーを落ち着かせようとするが、お姫様もメティスも手を出そうとせず、ひたすら僕が慰めるだけだった。


『……ひっぐ………ぇぐ……す"み"ま"せ"ん"……ズズッ……ふぅ、落ち着きました。……意外と優しいんですね』


 鼻水と涙で顔がグチャグチャだったので、ティッシュなんて無いので布を渡して顔を拭いたりした。

 せっかく綺麗な顔をしてるんだから、ちゃんとしなきゃ可哀想だ。言わないけど。


「落ち着いてくれたならいいんですよ。うちのティアが暴れてすみません』

『いえ……悪いのは私たちですから。主様が怒るのも無理は無いんです。……ところで、私も貴方のことをミナトと呼んでも?』

「え?いいけどさ」

『ではミナト様、と』


 なんか当初の態度が嘘みたいに軟化してるよ。……一応、僕貴女たちの天敵なんだけどなぁ。

 笑顔のテュルケーに戸惑っていたが、ようやく落ち着いて話ができるようになったので仕切り直す。


『で、聖戦の準備って私たちと争うためにやったんですよね?』

『ええ、そうです』


 ティアの言葉に肯定するテュルケー。争うためとは言っても、もう闘う理由ないよなぁ。


『でも、もう争う理由無いですよね?』

『そうなんですよね……どうしましょう?』


 どうしようって……こっちが聞きたいよ。

 皆で頭を捻っていると、ティアが何か思いついたらしい。


『勇者の魂はまだこの世界には来てないんですよね?』

『ええ、まだ神世界に引っ張って来ただけです。少し話しかけて、呼んだ理由等は話しましたけれど』

『ふむ。なら……この際、お帰り頂いてはどうです?魂だけの状態なら、その間に起きた出来事は夢として処理される筈ですし』

『わかりました。とりあえず今からやってきます』


 そう言ってテュルケーの姿が消える。いやーこれでひと騒動も終わりだし、何かこの勇者召喚応用すれば帰れそうだし、良かった良かった。

 しかし……どうやら召喚の際は、自分の世界→神世界→異世界と通るらしい。

 いいなぁ……安全ルート。僕なんて死にかけた末に強制転移だよ?何だよこの差。


『応答:召喚者と転移者の違いですね。こちらは只々イレギュラーな存在でしたから』


 そう身も蓋もない言い方されると何も言えない……自分の不運に何とも言えず凹む。

 それと全く関係ないが、テュルケーが居なくなった事で結界が解けたらしく、部屋の雰囲気が元に戻った。

 解けた直後にガルディスさんが駆け込んで来て少し驚いたが。


「姫様!?一体何があったのですか!」

「ガルディス?何を慌てているのですか?」


 お姫様が、ガルディスさんの慌てる理由が思い当たらなくて戸惑っていた。

 ……外界と隔離されていた事に気付いてなかったのか。普段からこんな感じなら、ここまで取り乱すのも解る。


「おい、この部屋で何があったのだ!」


 お姫様に聞いても埒が明かないからだろうけど……僕に聞かれても困るなぁ。

 そもそも「貴方たちの信じる主神様が降臨して、僕のツレと喧嘩しました。今は仲直りして、大きな問題を解決する為に戻りました」なんて言ったって信じる筈ないし。

 というか、こんな所で降臨したら色々問題じゃないか?……ってああ、だからお姫様が態々部屋を出て迎えに行ったのか。

 ……ん?じゃあ一部の人はテュルケーが降臨した事知ってる?たぶん最初にテュルケーが出たのってこの王城の敷地内にある教会だよね。たぶん司祭さんとかが知ってるんだろうけど、それ説明すればいいんじゃ?

 という事をガルディスさんには見えてなさそうなティアを経由して伝えて貰うと、全力でお姫様が首をブンブン振っていた。


『テュルケーが来たのを知ってるのはここに居る私たちだけだそうです』

『……それじゃ、ガルディスさんに伝えるのはマズイかぁ。良し、適当にはぐらかして帰って貰おう。テュルケーが戻るまでもう少し時間あるだろうし、時間潰さないと』


 そうと決まれば早速、言いくるめよう。


「ガルディスさん、あの結界……実は僕が張った物なんですよ」

「何だと?」

「いやね?僕が幾つか魔術も齧ってるって話をしたら、何か使って見せてくれって言うもんですから……」

「!?」


 おお、お姫様が突然の嘘に合わせられなくてあたふたしてる。

 お姫様の様子にガルディスさんは気付いてないみたいだし、このまま押し切れるか?


「それは本当ですか姫様!?」

「ええええと、はい!私がお願いしました!」

「そうですか……ならせめて、私に一言言って欲しかったですな」

「すみません……楽しみで舞い上がってしまいまして」

「次からは気を付けてくだされ。では、私は外の警戒に戻ります」


 そう言って、ガルディスさんは部屋を出て行った。

 なんとか乗り切ったらしい。

 ガルディスさんが出て行った後、お姫様は「初めて嘘を吐いてしまいました……」って落ち込んでたけど、まぁ大騒ぎにならない為の必要な犠牲だから仕方ないと割り切ろう。

 そのまま、お姫様とお話したり、幾つか小規模な魔術で遊んだりして待つ事二時間。

 空もだんだん茜色に染まってきて、そろそろ帰らないとお城の人たちに見つかるかもしれないんだけど……


「こないねぇ」

「そうですね……」

『なにやってんですかねぇ』

『休息:ZZZZ』


 テュルケーが戻って来る気配がしない。

 このままあの女神様が帰ってくるまで待つのはいいけど、その場合この部屋に泊まらなければならなくなる。お姫様的にそれはマズイだろうし、どうしたもんか……と悩んで更に数時間、待つ事になった。とりあえず、ガルディスさんに帰るって伝えて途中まで行ったらUターンしてこの部屋に来よう。






 お城の人たちの目を欺いて、見事に舞い戻って来たお姫様の部屋。

 諸々の用事が終わって、後は寝るだけという状態になってもテュルケーは来ない。

 暇だったので、この世界にもあった昔からの遊び「しりとり」を僕、お姫様、ティア、メティスでやっていた。

 そして僕がいい加減メティスにる攻めで負けそうになっていた時、魔力がこの部屋に満ちていくのを感じる。

 どうやら帰ってきた様だけど……このまままた結界張られると面倒だな。

 そう思った僕は神殺しの魔力を一本の触手に変化させて、結界の魔術陣に向けて伸ばす。何時ぞやの《紅の愚かな蛇(サマエル)》の一本番だ。

 虚人襲撃の時の様に指輪の封印を解いていないから、力は十分の一もないと思う。その証拠に、あの時は凄く恐ろしい蛇の顔をしていたが今じゃゆるキャラみたいなデフォルメされた外見でウネウネしている。

 まぁ、魔術陣を一噛みすれば霧散するんだけどね。


『え、あの……なんで結界壊しちゃうんですか。私が降臨してる事バレちゃいます』


 予想外の事態なんだろう。凄く慌てている。テュルケーには悪いけど、僕もガルディスさんに怒られるのは面倒なので我慢して欲しい。


「えっと……あ、こうかな?」

 《――創造――》


 魔力を集めて、指輪を創る。

 それをテュルケーの適当な指に突っ込む。


「これは……ってあれ?声が……というか身体が!?」


 さっきまでは如何にも神様っぽくふわふわ浮かんでいたが、今は地に足付けたただの人に見える。


「私に何をしたんですか!」

「神様の力を抑えた」


 正確には身体全体を神殺しの魔力の薄いドームで包んで、溢れ出る神の魔力を片っ端から相殺している感じだ。

 創造術って、こういう能力まで自由に決められるのいいよね。消費魔力半端ないけど。


「それで、戻って来たって事は聖戦回避出来たの?」


 まだテュルケーは何か言いたそうだったけど、とりあえず気になる事を先に消化してしまおうと思う。


「ええっとそれがですね……」

「何だよ?歯切れが悪いね」


 テュルケーの目がこれでもかと言うほど泳いでいる。

 一応神様の筈なのに、ここまで表情に出るっていいのだろうか?

 まぁ気にしても僕には関係のない話。ここはスルーして、話を聞こう。


「あの、一つ質問なのですが……ミナト様は、地球という世界が出身ですか?」

「そうだけど。それがどうかした?っていうかよく分かったね」

「いえ、今回呼び出した勇者が地球の出身でして……それに何か、その勇者様とミナト様の魔力から、似た波動を感じた物ですから」

「ふーん。出身世界で魔力の波動って似るものなんだね」

「感じたのはそれ以外の要素の気がしますが……まぁ概ね似た感じはしますね。で、ここからが問題なんですが」


 仕切り直す様に真面目な声音で話し始めるテュルケー。皆、言葉を発さずに静かに聞いていた。


「まず、勇者様の魂は無事に地球へと戻しました。ただその時に、魂が通るパス……世界を繋ぐレイラインという物があるのですが、それが異常に狭く、細く感じたんです」


 テュルケーの言葉に、一様に首をかしげる僕ら。言ってる事があまり分からないけど、とりあえず帰り道が小さすぎて返すの苦労したって話じゃないの?

 僕が呑気にそんな感想を抱いていると、ティアが何かに気づいた様に焦りだす。


『ん?待って下さい。魂の状態で狭く感じたって、それってつまり……』

「そうです主様。ミナト様が同じ出身であるなら、もしお帰りになる時は、肉体を捨てなくてはならなくなるんです。そして、ミナト様程の魔力と特性に耐えうる身体は、恐らく無限に広がる全世界の中でも、見つからないでしょう。つまり、今の状態では、どう足掻いても元の世界には帰る事が出来ません」


 唐突に告げられた言葉で、「少なくとも、帰還は絶望的」という彼女の心の内まで伝わった。

 これからどうすればいいかの指標を唐突に失った僕は、ただ呆然とすることしか出来なかった。

異世界に来て二十話ちょっとで帰還とか、スピード展開すぎます……帰すわけねぇです。

まだまだ暴れてないですから。

このままじゃあらすじ詐欺になってしまいます。


ということで、お読みいただきありがとうございます!

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