小話〜王都での1日:メティス〜
このお話は六話と七話の間の出来事です。
メティスの話は本当に書きにくかった……もっと精進します。
次回投稿日は5/31火曜日の21時です。
※5/31 メティスの外見・髪の色を銀→クリーム色に変更。褐色肌って銀髪かクリーム色が似合うと思うんですよ……
私が初めて世界を認識したのは何時だっただろうか?
技能:天眼にいつの間にかついていた自我、それが私だ。今はマスターにメティスと名前をつけて貰っている。
私のマスターは変わり者だ。
私はマスターと肉体的にも精神的にも繋がっているが、彼の心が読めない。
常に白く、空っぽなのだ。
だが、心が無い非情な人でもなく、不思議な人だった。
そんなマスターが、朝唐突にこんな事を言ってきた。
「昨日はティアが1日遊んでたし、今日はメティスに身体を貸そうかな」
ティアもそれに同意して、ティアは意識の底に沈めて眠り、マスターは片目に意識を残すだけで私に身体を明け渡した。
私はティアがそうした様に、マスターの身体と自分の存在を重ね合わせ、マスターの身体を変化させた。
少しの発光の後、そこには一人の長身の女性が居た。
姿見で私の外見を確認する。外見は初めて見るが、クリーム色の髪と、少し褐色の入った肌。瞳は、左は黒く、右は金に輝いていた。
黒の瞳はマスターの意識があるからだろうし、本当の瞳の色は両目とも金色なのだろう。女性として気になるのは胸の大きさだが……おかしい、あの巨乳をベースに性格と一緒に身体も創った筈なのだが、本体とは違って胸はそんなに大きくなかった。せいぜい手のひらから少し溢れるくらいだった。
私の姿を見たマスターは、驚いた感じで感想を言ってきた。
『メティスは褐色肌だったんだねぇ。柔らかなクリーム色の髪と少し暗い褐色の肌か……うん、とても綺麗だ。ティアとはまた違った美しさ、そうだね……この場合は色気かな?があると思う』
『ありがとうございます、マスター』
褒めてくれた事はとても嬉しかった。とりあえず外出用の服装はマスターの宵闇の羽衣と、マスターの記憶から引っ張ってきた自分に似合いそうな服を魔力で形作って着た。……少し肌の露出が多いが、コートがあるし大丈夫だろう。
宿を出て、南区域の出店などが並ぶ商店街に向かう。商品を見たり、屋台で買ったご飯を食べながら、マスターと共に歩く。傍目には私が一人でフラフラしてる様にしか見えないだろうが、隣には常にマスターが居てくれていて、とても楽しい。
マスターの世界の話を幾つか教えてもらった。この世界とは違って、科学という物が発展していった世界で、マスターの国は何十年も戦争をしていない平和な島国だそうだ。その代わり色々な問題を抱えているらしいが、子供の僕にはよく分からないや……とも言っていた。
結局、今日は一日中街をフラフラと眺めながらお話をするだけで終わった。
けれど、ここの所マスターは気を張り詰めながら生活の為のクエスト、お姫様の相手、帰還方法の模索を並行してやっていて、忙しいその姿が見ていられなかった。
偶にはこういう、穏やかな日があってもいいな……と思う。マスターの世界に行けたら、こういう日が来るのだろうか?分からないが、これからもマスターの帰還の為に、力を出し惜しみせず協力しようと誓った。
お読みいただきありがとうございます!




