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第六話〜逃走劇の結末〜

最近ゲーミングノートパソコン買ったんですが、凄いですねグラフィック。

今じゃエオルゼアの地を駆け巡って止まんないです。

そうは言っても二日か三日に一度やれればいい方なんですがね。


嗚呼……ゲームと執筆やる時間欲しい、というか1日中それだけやって過ごしたいです。


次回の更新は5/25、水曜日の21時です。

「「…………」」


 突然、背後から声をかけられてフリーズしたまま数分が過ぎた。

 気まずかったのか、沈黙を破ったのは話しかけてきた少女の方だった。


「あの……黙られると此方も困るのですが」


 暗がりで顔はよく見えないが、困っているのが声で分かった。


「あ、えーと……すみません?」

「いえ、此方こそ急に声をかけて申し訳ありません」


 こんな時にするような会話じゃないが、僕の頭は混乱の極致に至っていた。

 マップを見ると、ベッドと思しき物から人の姿が消えているので彼女がこの部屋の主なのだろうが……何でバレたんだ?

 足音は一切立ててないのに。

 ……聞いてみればいいか。


「あの……どうして僕がこの場所に居るとわかったのでしょう?足音は一切立ててない筈ですが」

「普段の私なら絶対に気付かなかったでしょうけど……ちょっとした秘密です」


 どうやらすんなりと教えては貰えないらしい。

 うーん、どうしよう……見られた以上はどうにかしないといけないのだろうけど、こんな少女に手を出すのは気が引けるなぁ。

 この事態をどう対処するか考えていると、入り口のドアがドンドンッと叩かれた。


「姫様、起きていらっしゃいますか?ガルディスです」


 どうやら誰か来たらしい。マズイ、早く隠れないと……!

 焦っていると、姫様と呼ばれた女の子が突然部屋のクローゼットを開けて僕に言った。


「不審者さん、とりあえずここに入って下さい。ここならガルディスも開ける事はないでしょうし」

「……いいの?助かるけど」

「その代わり、後でちゃんと姿を見せて下さいね?私からは、そこに人が居るということしか分からなくて貴方の姿が見えていないですから」

「……わかったよ」


 どうやら隠密の機能はしっかりと働いていたらしい。気配遮断が上手く機能して無かったのだろうか?

 今は考察は後回しにして、とっとと隠れよう。

 お姫様がクローゼットを閉める。

 隙間から部屋の様子がわかるので、彼女がどう対応するか一応監視する。

 扉を開けて出てきたのは、遠目だと暗いしよく分からないけど結構大きな人だった。

 この人がガルディスさんか。

 ……ん?ガルディスって何処かで……それに姫様って呼び方もなんか聞き覚えが……


『あ、ミナトもですか?実は私も引っかかってるんですよねぇ。聞いたの何処だったかなー……』

『発言:私には聞き覚えがありませんので、ミレットの街を出るまでの間、もしくは訪れる前での事でしょうね』


 うーん……思い出せん。

 悩んでいるうちにお姫様たちが話し始めた。

 隠密の機能が発動しているか確認しつつ、会話を盗み聴く。


「姫様、夜分遅くに申し訳ありません」

「いえ、いいのですガルディス。それで、一体どうしたと言うのですか?外も騒がしい様ですし」

「それが、どうやら図書館の禁書エリアに侵入者があったようでして」


 ガルディスという人の言葉に、お姫様は驚いたようだ。


「まぁ!そんな事が……しかし、それならどうして城全体が騒がしいのでしょう?図書館は王城の敷地であっても城そのものとは相当離れていたように思うのですが」

「それが……どうやら隠し通路を通ったようでして」

「成る程……わかりました。何かあれば念話で伝えます。下がっていいですよ」

「失礼します」


 そう言ってガルディスさんは下がっていった。

 マップで確認したが、どうやらこの付近の警備をするようだ。

 暫くクローゼットの中で待つと、お姫様が声をかけてきた。


「もう出ても大丈夫ですよ」


 お姫様の言う通りに外に出る。


「さて、それでは貴方の姿を見せて下さい」

「……約束ですしね。仕方ありません」


 彼女の希望通り隠密の機能を切る。

 そしてタイミング良く、今まで隠れていた月が雲の間から顔を出し、月明かりが差し込み、お互いの顔を初めて認識した。


「あれ……もしかしてクラール平原で盗賊を倒して助けてくれた方ですか!?」

「まさかあの時のお姫様!?」


 ……お姫様やガルディスって、何処かで聞き覚えのある呼び方や声だと思ったけど……あの時助けた馬車の一向たちか!

 お姫様も僕の顔を覚えていたらしく、凄く驚いた顔をしていた。

 それと……あの大草原、クラール平原って言うのか。初めて知ったよ。






 お互いの顔を認識してから数分、いやもしかしたら数秒かも知れないけど、また無言タイムに入っていた。

 気まずいなぁ……この空気。

 今度は僕から話すか。


「えっと……久しぶり、って程でもないか。盗賊から助けて以来だね。あの後大丈夫だった?」

「あっはい。あの後は特に問題も無く王都に着きました……改めてあの時はありがとうございました」


 あの時に加えて、またお礼を言ってくるお姫様。礼は不要って言ったのに律儀だねぇ。


『あのー……記憶が正しければ、再会したら御礼を受け取る――みたいなこと言ってませんでしたっけ?』

『あ……忘れてた』


 いや、けどあっちはそれについて言って来ないしきっと忘れて「あの、御礼受け取ってくれるって約束しましたよね?」……覚えてましたか。


「でもどうしましょう?先程のガルディスの報告を聞く限り、禁書エリアにある何かが欲しいのですよね?」

「うん。正確には本……というか情報だね。ちょっと、僕の願いの為に必要だったんだ」

「それなら禁書エリアへの入室の許可を――と言いたい所ですが、それは無理でしょう」

「まぁ、分かってはいたよ。こんな侵入騒ぎがあった直後に、急にポッと出た子供が嘗てお姫様を助けた褒美に禁書エリアの入室許可が欲しいとか、怪しいもんね」

「それもありますが、そもそもあのエリアは国王と限られた職員しか入ってはいけないのです。流石にそんな場所への許可権限は、私にはありません」


 お姫様がとても残念そうな表情で語る。

 別にそこまでして御礼とか貰っても……と思うのだが、お姫様の気持ちもあるので言葉にはしない。

 それに、僕としてはこうして見逃してもらっているだけで相当有難い。

 ……もうこれが御礼でいいか。


「あの、僕としては今日の出来事を誰にも話さないで頂ければそれで十分です。だからあの時の御礼は、今日の私の行いを見逃す、という事でどうでしょう」

「貴方は、本当にそれ以上を望まないのですか?」

「ええ、まぁ庶民の自分が王族から何か褒美を貰っても持て余すだけでしょうしね。寧ろ此方から見逃して貰った御礼をしたいくらいです」


 この言葉は僕の本心だ。

 今回の逃走劇は、お姫様の優しさで成り立っているのだから。


「……それなら、二つ程お願いしてもいいでしょうか?」

「何なりと」


 僕は物語に出てくる執事のような動作でお姫様の要望を聞く態勢に入る。

 見よう見まねだが、個人的には中々様になっている……と思いたいね。

 それはさておき、お姫様は何を望まれるのやら。


「一つ目は、その敬語では無く、普通に話して欲しいです」

「わかりました……あ、いや。わかった。これでいい?」


 こくり、と頷くお姫様。

 一つ目は可愛いお願いだったけど、二つ目はどんなもんだろう。


「二つ目は……その。偶に、でいいんです。また、この場所に来て、お話をして貰えませんか?」


 お姫様からのお願いは、僕の予想の斜め上を行く物だった。






 王城での逃走劇から、約一週間。

 平民たちの間では、城で何かがあったという事だけが噂で広まり、具体的な内容は一切知られず、静かに事態は収束した。

 騒ぎを起こした張本人の僕は、今日はクエストを受けずに、悠久亭の自室で渡り人のレポート内容を思い出していた。


『現物を持って来てないと気づいた時はどうしようかと思いましたが、メティスがしっかりと記録してて良かったですねぇ』

『うん……本当にね。結構重要な事書いてあったりしたしね』

『安堵:お役に立てて良かったです』


 あのレポートにはだいたいの渡り人の消息等も書いてあった。

 その中に、「故郷へと帰った」という記述を見つけた時、本当に喜んだ。

 帰る方法があるという事が分かったのは大きな収穫だ。

 早速また調べに――と行きたいが、そういうわけにも行かない。


『お姫様――アルミナさんでしたっけ?との約束とは言え、王城に何度も忍び込むのは大変ですね』


 そう。あの時お姫様に言われたお願いを、僕は律儀に叶えていた。

 その時にだいたい2〜3日のペースで行くと言ってしまったので、割と頻繁に王城には通っている。

 ちなみに、ガルディスさんには僕の正体と、こういう約束をした事を明かしたらしい。

 僕はてっきり、ガルディスさんには猛反対されると思っていたが予想に反してアッサリと許可をくれた。一応、入り口前でガルディスさんが警戒するとは言っていたが。

 ただ、知っているのは結局その2人だけなので大手を振って王城に向かうわけにもいかない。

 毎回少しずつルートを変えて王城に忍び込むようにしている。


『今回は何の話をするつもりですか? 』

『うーん……まだ決めてないんだよねぇ。前回は、学校の友人たちとの少し可笑しい馬鹿話をしたが……凄く楽しそうに聴いていたなぁ』


 お姫様にとっては馴染みのない、平民のお話だからだろうか?


『へぇ〜そうなんですか。……ん?友人たちとの馬鹿話ってまさか、渡り人だって明かしたんですか?』

『あ、うん。これはガルディスさんには教えてないけどね』


 どうしてもこの世界の話のネタが分からなくて、初めて小話をする時に明かしたのだ。

 珍しくはあるが、昔からそういう存在がいるという事は教えられてきたらしく特に何か起きる事も無く受け入れられた。


『成る程ですね。じゃあこれから王城に向かうんですよね?』

『うん。あ、それとティア。明日、約束通り1日この身体を貸すから何したいか考えておいてね』

『本当ですか!?わかりました!』

『希望:いつか私にも貸して下さい』

『え、メティスも……?まぁいつかね』


 メティスの要望には驚いたが、確かに自我があるならティアと比べて不公平に思うかもしれない。

 まぁ余裕が出来たら貸すとしよう。

 悠久亭の人たちに出かける事と、夕食は遅めにして欲しいとの旨を伝え外に出る。

 王城までは時間がかかるし、ゆっくりと小話のネタを固めるとしよう。

 今日はどのくらいお姫様を笑わせようか。そんな想像をして、顔に笑みが出るのを止められなかった。


 さて、今日はどんな話をしてあげようかな?

お読みいただきありがとうございます!

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