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23話 平穏
「また馬車か」
「馬車だな」
この馬車も懐かしいな。一ヶ月振りか? まさか全く同じ馬車だとは。
「奴隷達も結局は全員連れてきたんだしな」
「一ヶ月前と何も変わらないな」
あー、平穏だー。
「お、馬車が止まったな。飯か?」
「おいお前ら、飯だ。俺が食い終わったら出発するからな」
奴隷王がパンと皿を全ての奴隷に配り、皿に魔法で水をそそいだ。
「本当に何も変わらないなー」
「そうだなー」
間の抜けた話をしながら、ガンダルフは懐から取り出した毒々しい模様の果実をかじり、俺は懐から取り出した味噌味のバナナの皮をパンを裂いて挟み、かぶり付いた。
「前より美味いなー」
「味噌サイコー」
味噌バナナの皮を挟んだパンを食べ終え、水を一口飲み、ホッと息をつく。
ガンダルフも果実とパンを食べ終え、水を飲もうとし――、
「うわあっ」
「デジャブだなー」
――動き出した馬車の揺れで、皿に並々と注がれた水をその身に浴びた。




