21話 十字断罪
「さてと、100個以上の魔鉱石を集められたのは4人ですか。優秀な奴隷ばかりですねぇ」
今、森の中の小屋の前にいる。いや、小屋と言うよりログハウスか? とにかく豪華だ。
ここには、俺とガンダルフ、魔銀石を手に入れていたマッチョと魔鉱石だけをキッチリ100個集めたマッチョがいた。いや、デブ男も居た。マッチョに気をとられ過ぎた。
「おっと、奴隷王が来たみたいです」
遠くから馬車の車輪の音が聞こえた。ちょうど一ヶ月前、一日中聞いていた音だ。もう懐かしく感じるな。
「よう、なんかおかしい事とかはねぇよな」
一ヶ月ぶりだなぁ、久々に見た。盗賊風男こと奴隷王だ。
「おかしい事……有りますねぇ」
絶対これ監視消えた事だな。そりゃだったの一ヶ月で30人も消えたらな。
「そうか、大体解った。勇者奴隷もいい感じに成長したじゃねぇか。俺の予想通りだ」
ん? 予想通り? なんの事だ?
「で、こっちの3人は条件をクリアしたやつらか?」
「ええ。こいつは100個、こいつは102個、こいつは114個です」
「そうか。じゃ、今まで世話になったな」
「……? 今まで? なんのことでしょう?」
奴隷王は俺とガンダルフをニヤけながら見た、気がした。
「《お前らの貸し出しを解除する》」
来たっ! この時この言葉を待ってたんだ!
「どぅおうりゃぁ!」
ガンダルフがデブ男の股間を蹴りあげる。
「せいやっ!」
空中に浮かんだデブ男に対し、すぐさまジャンプして踵落としを喰らわせる。後頭部に向けてだ。
「跋扈する亡者の魂は地縛の魂。宿りし力は縛りの力《怨霊地縛》!」
落ちていくデブ男の周りに、黒い瘴気を放つ穴が5ヶ所開いた開いた。穴からは、黒い瘴気と共に黒い腕のような物がいくつも現れ、デブ男の両腕、両足、胴体の5ヶ所を縛った。夢に出てきそうだ。おもに悪夢で。
「ぐはっ、これは、一体……?」
完全に身動きの取れなくなったデブ男は、呻くことしかできない。
「「黙れ、そして死ね」」
意思力に快楽殺人鬼の殺気を注ぎ込み、デブ男の頭上に漆黒の刃を顕現させた。
ガンダルフが、黒い腕の力を強め、胴体を引きちぎった。
黒い刃は、デブ男に何かを言わせる間もなく縦一直線に切り裂いた。
後に残ったのは、十字に裂かれ、体を四等分されたデブ男と、ポカンと口を開け、目が点になっているマッチョ計2名。
そして、満足気にうなずく奴隷王だけだった。
「……予想以上だ」




