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奴隷でもチートを目指す  作者: sterl
二章 殺意とストレスは親友
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9話 魔鉱石は魔力 魔銀石はストレス

「お前、魔銀石なんて見付けられたんだな」


「お前こそ、どうやったらあんな石ころが魔鉱石だって分かんだよ」


 今、俺とマッチョ1号は森に入って木の実を摘んでいる。このまま逃げ出したいのだが、俺に掛けられた奴隷の契約がそれを許さない。


「どうやったらって、たまたま知ってただけだって。俺の爺さんはドワーフの血を引いててな、それで町で鍛冶屋をやってたんだよ。俺がガキのとき爺さんの仕事場をよく見たんだ。その時、ただの石ころをなんでそんなに高く買い取るんだ?って訊いたら、これは石ころじゃなく、魔鉱石だって教えられたんだ。それと一緒に、魔鉱石と石ころの見分け方も教えられたって訳だ」


「どうやって見分けるんだ?」


 正直俺には魔鉱石と石ころの違いが解らない。


「お前になら教えてやっても良いけど、出来るかどうかは分からないぞ?」


「見た目じゃ解らないのか?」


「ああ、解らん。お前、魔力操作って出来るか?」


 魔力操作?


「魔力を操作するのか?」


「その通りだ。物質には多かれ少なかれ魔力が含まれてるんだ。魔力そのものについてはまだ解っちゃいないんだが、人の意思で魔力は動かすことが出来る。魔鉱石は特有の魔力を持ってて、別の魔力を流すと跳ね返ってくるんだ。ただの石ころは、魔力を流しても中の魔力が出ていくだけだ。こんな風にな」


 そう言いながら石ころを拾って見せてくるのだが、全く解らない。


「それは今魔力を流してるのか?」


「おおっと、勇者と言えども魔力は感じられないんだな。ま、俺の場合はドワーフの血が流れているから出来るだけなんだけどな」


「そうなんだ。俺みたいな普通の人間が魔力を感じるにはどうしたらいいんだ?」


「と言われても俺は生まれつき感じられるからなぁ」


 そっかぁ、魔力を感じるのはまだ出来ないと。


「まぁ、俺も頑張って感じられるように頑張ってみるよ」


「それはそうと、どうしてお前は魔銀石を見付けられたんだ?」


「……ただ感情に任せて掘ってただけだけど?」


 最後のラストスパートで色々スッキリした。また明日もこの方法でストレスを発散しよう。


「……ちょっとお前の掘ったところ見せてくれねぇか?」


「別に構わないけど。付いてきて」


 木の実も大分採ったし、大丈夫だろ。





「とーちゃく。ここだよ」


「ちょっと待て、ここってダンジョンの中だよな?」


「へ? ダンジョン?」


「いやいや、ここに来るまで何体の魔物がいた?」


「魔物って、あれか?」


「そうそうあれあれって、C級指定のメタルスコーピオンじゃねぇか。うわ! こっち来んな!」


「そう焦んなって。ストレス込めてこうすればっ」


「なんで!? 防御力が取り柄のメタルスコーピオンがなんで踏むだけで潰れるの!?」


 そんなに驚く必要も無いだろ。ストレスを足に込めて踏みつけたりストレスを腕に込めて殴れば倒せるって。


「ふー、落ち着こう。ストレスを込めるだけで魔物を殺せるやつなんか放っておいて落ち着こう」


 ま、多分新しく手に入れたスキルのお陰なんだろうな。たしか気込めだっけ? 能力は見てないから解らんけど。


「そういえば監視はどうしたんだ?」


「ストレスを足に込めて振り切った」


「はぁ、予想してたよ。とりあえず戻ろう。もう日が暮れる」


 ここから歩いて一時間は掛かるしな。


「そうだな。お前はストレスを足に込められないんだよな?」


「当たり前だよ! 初めて聞いたよ!」


「それが出来れば5分で着くのに。まあ、仕方ないか」


「……勇者って、すごいな」

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