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森での死闘?②

そのあと、しばらく歩き回るとまた違うモンスターを見つけた。

今度のは普通の狼みたいに見えた。三匹固まっている。


あっ、気付かれた。


「「グルゥ!」」


「こいつらは、普通っぽいゾ。俺は左側のヤツな。」

「オッケー、《ウインドカッター》《ウインドカッター》」


「「キャィーーン!」」


やったか?ジュウロウが連続して放ったウインドカッターが二匹に命中した。

だがウサギの時みたいに切れないで風に叩きつけられた様にむこうまで転がって行った。

俺の前の狼はそれを見て警戒したのか身構えている。


「おい、ジュウロウ!もっと思いっきり撃ったら!?」

「ダメだよ、一定以上は威力上がんないんだよ!って言うか何で切れないの!?」

「硬いんじゃないか!?俺が斬ってみる。」


「おりゃ!フンッ!」


俺はフェイントで袈裟がけに斬り込み、すぐに切り返して剣を右に振り抜いたが本命の二の太刀までかわされた。


「げ!かわされた、こいつ速い。」


狼はすぐに体勢を立て直し俺の首筋を狙って噛み付いてきた。

寸前のところで剣を狼の口に割り込ませふせいだが、そのまま勢いで押し倒され馬乗りされた状態だ。

顔のすぐ前で狼の牙がガキガキ剣を噛みしだいてる。

押し返そうにも俺の子供並腕力じゃあ無理そうだ。


ブシュッ!「キャイーン!」


こう着状態だった所、狼の横っ腹へジュウロウが槍を突き刺し助け出してくれた。


「大丈夫!?」

「ヤバかった、サンキュー!」

「《ファイアボール》」


槍で横っ腹を貫かれフラフラだった狼はファイアボールを受け丸焦げになって倒れた。


そうこうしている内に最初ウインドカッターで吹き飛ばされた二匹がこちらに向かって来る。

ジュウロウが遠間から魔術を撃つ。


「《ファイアボール》《ファイアボール》」


ボゴゴゥ!という音と共にジュウロウの放った火球は二匹ともに避けられる。


「ダメだ!避けられる。ウインドカッターじゃ切れないしどうすんの?」


狼達は魔術を警戒して遠まきに身構えている。


「よし、一匹にファイアボール2連発だ!避けた所に俺が斬り込む。」

「もう一匹はどうすんの?邪魔だよ。」

「先にウインドカッターで弾いといたら?風なら当たるんだろ。」


「よーし!《ウインドカッター》《ファイアボール》《ファイアボール》」


「うおりゃー!」ビュッ!


俺の案は見事にはまり、ファイアボールを避けるのに飛びすさった所を狙って狼の後ろ足を腿あたりからバッサリやってやった。

もう一匹はウインドカッターで吹き飛ばされまだ近くにいないし勝ったな。


「トドメだ!」


ヒュ! ゴッ!ィィィーーン。


「げ!剣がブルブルする。エンチャントが切れた!」


狼は3本足でも怯まず毛を逆立てて唸っている。毛はどんどん逆立って……あれ?


何か電気?バチバチゆってる。ヤバイ!早く始末しないと。

俺はエンチャントも切れたのもかまわず狼の額めがけて剣を叩きつけた。


「このっ!あばばっ!」


案の定痺れたが、頭を強打された狼はフラフラして倒れこんだ。


「ジュウロウ!槍!」

「おう!」


ブシュッ! ギューー……。


狼はジュウロウの最後の一突きで息絶えた。何だ最後の電気?死にそうになるとバチバチするのか?

これは電気バチバチしだす前に一気に殺らないと……。

と思ってたらもう一匹が既にバチバチ状態でこっちに狙いをさだめてた。


死にそうで無くても出来るらしい……。なら何で最初からやらないのか?所詮、獣か。

バチバチが大きくなり狼の体が一回り膨らんだ様に見えたあと……。


「やばいゾ!ジュウロウ横っ跳びで避けろ!」


ドッーーンという大音量ですぐ側に電撃が落ちる。


「うっひゃー!」

「おわっ!」


「カミナリ落としたー!」

「こんなのシャレにならないよー!」

「また溜めてるゾ!」

「ヤバイ、ヤバイ!どうする?どうする?」


「ウリャ!」 ビュン。


俺は狼がカミナリを発射するタイミングで奴との間めがけて剣を投げつけた。


ドン!と音を鳴らし電撃は剣に吸い寄せられ俺達に届く前に落ちた。

狼はキョトンとしている様にも見える。


「フハハ、この獣め!所詮、人間様の知能には敵わないのだ。」

「そんなこと言ってないで!次のきそうだよ。」

「うっ。もう剣が無い、しょうがない《念動力サイコキネシス!》」


俺は念動力サイコキネシスで狼の体を浮かせて頭部を思いっきり木にぶつけ、振り回して地面に何度か叩きつける。

フラフラになった狼を浮かせたままジュウロウの前まで持ってきた。


「よし、ジュウロウトドメだ!突け。」

「えっ、ヤダよ。まだビリビリしてんじゃん!」

「ちょっと痺れるだけだ!早くしろMPが切れる!」


「わっ、分かった。セイッ!」

ブシュッ!

「あばばっ!アギッ……。」


「ふー。なんとかやっつけたな。」

「…………。」

「ジュウロウ?」

「…………。」

「おい!大丈夫か?」

「……っぷはー。」

「何だ、大丈夫じゃねーか。大袈裟なんだよお前は。」


「大丈夫じゃねーわ!全然ちょっと痺れるだけじゃないよ。鼻血でそうになって目の前真っ白になったよ!!ホラッ、HPも減ってるだろ!」


「え?そんなにか?俺もチョットは痺れたけどそこ迄じゃなかったゾ。すぐ動けたし。」

「兄貴は耐性いっぱい付いてたから大丈夫なんだろ!俺は何も耐性無いんだからな!」


「そういや、電撃は風属性だな。属性耐性に状態異常まで有るからダメージも痺れも大した事無かったのか。」


「まったく、酷い目にあったよ。」

「何だよ、そんなに言うんなら魔術か何かでトドメさせれば良かったじゃねーか。」

「アンタ、突けって言った!」

「悪かったって、チョット「あばばっ!」が見てみたくて……。」

「なにぃ!?」

「冗談だって。フハハ。」



俺のMPも無くなったしジュウロウも怒ってんので、俺達は一旦もとの場所に戻る事にした。

来る時バサバサ草を切り払いながら来たので帰りに迷うことは無かった。


ああ、あの狼はステータス鑑定で《サンダーウルフ》ってなってた、風属性耐性があるからウインドカッターが切れなかったんだな。

ちなみに、LPは三匹で15増加した。ウサギと全然ちがう、強敵だったもんな。





















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