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洞窟再び

オレはダマスカスの小太刀で素振りをしながら物思いに耽っている、これからの事を考えるとニヤニヤが止まらない。

洞窟の先に居るっていうガーディアンとか言う奴はどんなだろーナ?ノートの作者に先に倒されて無きゃいいけど…、楽しみだな、くふふっ。


ステータスの方も地味に数値が上がってきてるし楽勝なんじゃねーかな?因みに今の俺のステータスは……。



ステータス (クロウ)

種族 ヴァンパイア・ストライク

ランク 不死者の種子アンデット・シード

HP50/50 , MP25/25 , LP3:118

筋力:0.50 ,体力:0.50 ,敏捷:0.50 ,技量:0.50 ,魔力:1.30 ,魔術技量:1.34


《スキル》

真祖の力ー[超再生:3.00][限界突破リミット・ブレイク:1.00][生命の強奪ライフ・スナッチ:1.13]

烏カラスの慧眼 ー[対象スキル経験値取得率+2.00 ]

脳内書記:1.12

ステータス鑑定:1.10

言語理解:1.57

アイテムボックス:1.13

話術ー[論術ろんじゅつ:2.03][詐術:1.84][交渉術:2.01]

武術ー[剣術:1.62]

超能力サイキックー[念動力サイコキネシス:1.33]

陣術:1.20


《魔術リスト》

陣術:分解陣、錬成陣、成型陣


《耐性リスト》

[火属性耐性:1.00][水属性耐性:1.00][風属性耐性:1.12][土属性耐性:1.00][光属性耐性:−3.00][闇属性耐性:2.00][状態異常耐性:2.17][物理耐性:1.09][痛覚耐性:1.08]



こんな感じだ、因みに夜はHPと身体関係の数値が10倍になる……四時間位だけだけどな。HPや筋力体力は数日で上がったりしないっぽい、そのくせ魔力なんかは結構上がってる超能力サイキックを使ってても数値が上昇したりしたが陣をつかっても同等の様だ、MPを消費する行動に関係してるみたいだ。


剣術や耐性も狩りで結構上がってる、乱獲も無駄では無かった様でなによりだ。


後は新しく陣術ってスキルが増えた、てっきり錬金術が増えると思ってたら違ってた。

どうやら錬金術の中の陣術のみ使える様だ、この流れだとジュウロウの方は数値が上がれば新しく陣を覚えるとか有るかもしれない。


で、コレがジュウロウのステータスを覗いた時のやつだ。脳内書記にソックリ残ってる。



ステータス(ジュウロウ)

種族 ミックス・エルフ

ランク 魔導の入口マジック・ルーキー

HP100/100 , MP200/200

筋力:1.00 ,体力:1.00 ,敏捷:1.10 ,技量:1.10 ,魔力:1.36 ,魔術技量:1.58


《スキル》

ワイルドカード ー[全スキル経験値取得率+1.00 |(有効上限 1.80)]

人体理解 ー [人型への付与魔術効果+1.07]

ステータス鑑定:1.03

言語理解:1.39

アイテムボックス:1.07

属性魔術 ー [火魔術:1.33][水魔術:1.11][風魔術:1.55][土魔術:1.42][光魔術:1.10][闇魔術:1.05]

付与魔術 :1.05

錬金術 ー [分解:1.07][錬成:1.06][成型:1.08]


《魔術リスト》

火魔術:ファイア、ファイアボール、ファイアゲイザー

水魔術:アクア、アクアウィップ、アクアウェイブ

風魔術:ウインド、ウインドカッター、ワールウインド

土魔術:ロック、ロッククラッシュ、ロックウォール

光魔術:ライト、ヒール

闇魔術:ダーク、スリップ

付与魔術 :エンチャント・アタック、エンチャント・ディフェンス、エンチャント・スピード

錬金術:分解陣、錬成陣、成型陣、結晶化



魔術関係が総じて上昇していた、明らかに使ってる頻度に比例して数値が伸びてる。

これでガーディアンも楽勝だな、はははっ!。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


兄貴がニヤニヤしながら素振りをしている、大方これから向かう洞窟のボスでも想像してワクワクしてるんだろうな。

何故この状況でワクワク出来るの、普通は不安が先に来るもんじゃ無いの?はぁ〜もう、胃が痛い…。


「おい!ジュウロウ。そろそろ夕暮れだし空気とか詰めといた方が良いんじゃねーか?」

「あっ、そだね。じゃあ兄貴のアイテムボックス開いてよ詰め込むから。」


オレはアイテムボックスを開きジュウロウに魔術で空気を流し込んでもらう。

しかしオレのアイテムボックスってどこまで入んだ?もう随分長い間取り込んでるが限界が見えない。


それは良いとしてジュウロウには言ってなかったが思いついた事がある……。


「なぁ〜ジュウロウ。今更で悪いんだがこんな事しなくても魔術なら今在る空気を使わなくても、海中で新しい空気を作り出せるんじゃねーのか?」


「ん?持って行かないで潜ってから海中で作るって事?それなら俺も気付いてたから試したけどMPが保たなくなるよ。」


海中での空気の作成は何度か試してみたんだよね、空気自体は普通に作れるけど何か無理がかかるみたいで一度に作れる量が凄く少ない。

基本魔術なので幾らでもMPをつぎ込んで量を増やせるけど、それだとMP消費が激しくて最後まで持ちそうに無かったんだよね。


「へー、水って分解すると酸素と何かになるからむしろ一杯作れんのかと思ったゾ。」


「酸素と水素だね、でも電気分解するんじゃないから勝手が違うんじゃない?それに呼吸に必要な空気って純粋な酸素だけじゃ無いから中々上手くいかないんだよ。」


「へ〜、まっイイや。もう夕方になったし行こーゼ。」

「は〜、危険じゃないよね。やだなぁ〜。」

「まぁ日も落ちてきたしオレに任せとけって!」


渋るジュウロウを連れてオレ達は海中洞窟に向かった。

海中に入って直ぐにジュウロウがウインドを発動する、オレのアイテムボックスから続けざまに空気が排出され二人の頭の周りに纏わりつく。


「おっ!空気の管でお互いに繋がってんのか。会話出来てイイな。」

「あんまり騒がないでね、余分に減っちゃうから。」

「空気なんて一杯持って来てんだからイイじゃねーか。」

「それを扱うMPが有限だから!」

「へいへいっ。」

「まったく…。」


お気楽な兄貴は例の如くズンズン進んで行く、洞窟内は真っ暗なのでライトの魔術を浮かべてある。

暫く進むと海水を掻き分ける耳障りな音が聞こえ、何かがこっちに向かって来る。


「来たゾ!魚のモンスターだ!」

「うわっ、ちょ、ちょっと兄貴頼むよ!」

「おうよ、任しとけ!」


モンスターはオレに向かって馬鹿正直に真っ直ぐ突っ込んでくる、カジキマグロの様な形をした奴だ。

尖った鼻は一角獣の様にも見え、胸ビレがギラギラ刃物の様に光っていた。

オレは小太刀を一閃、とくに力む事もなく振り抜いた。


「よいしょー!」


兄貴が刀を抜いて魚型のモンスターに斬りかかる、水の抵抗もものともせず振り抜いた一振りでモンスターは二枚にオロされる。

俺は普通に歩くだけでも抵抗感じるのに何て筋力なの?


その後、何匹かのモンスターと遭遇したがいずれも兄貴に一刀のもと斬り伏せられていった。

そのまま洞窟を進むと暫くして環境が変わった。


「うん?あれっ?空気があるゾ。」

「本当だ、ここまで来たら空気がある。洞窟も徐々に上りになってるみたいだね。」

「海面より上に上がったって事か?そう言や、ぐるっと回って島の方向に戻ってるっぽいゾ。」

「だね、暫く海に向かった後Uターンした感じがするよ。」


暫く歩くと前回見たカニとサザエのモンスターが居やがった、こいつらは硬いが足が遅いので余裕がある。

前は武器が無かったからジュウロウ任せだったが今日は違うゾ。


「ふふふ、ここで会ったが100年目…。今宵の虎徹は血に飢えている。」

「ふーん、その刀の名前虎徹にしたんだー、それにしても有名どころ押さえたね。」

「とりゃー!」


兄貴はチョット気の抜けた掛け声と共にカニのモンスターに斬りかかる。

前は俺の魔術を弾いたその甲羅を刀は難なく両断する、刀のおかげか兄貴の筋力か?


カニを斬り伏せサザエの方に向き直った兄貴は、刀を肩に担ぐ様にかまえ気合の入った奇声を上げ斬り込む。


「GUGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaーーーーーーーーー!!!」


兄貴の裂帛の気合いと共に放った斬撃は硬いサザエの殻をものともせず真っ二つに斬り割いた。

流石にサザエの方は思っ切り斬りつけていたが、殻ごと半分に出来るなんて思ってなかったのでチョット引くぐらいの斬れ味だな。


「フハハハ、見たか!この斬れ味。オレの菊一文字に斬れぬ物はない。」

「いや、さっきは虎徹って言ってたじゃん!」

「いやいやこれだけ斬れるなら、もはや菊正宗!」

「キレのある辛口!?やめてよ、酒造メーカーに怒られそうだよ。」


ジュウロウとどうでも良い話しをしてる間に又モンスターが寄って来てしまった、今度は二枚貝の奴だ。

貝は中身の具?の部分を器用に使いスプリングの様に跳ねて突っ込んできた。


「うわっ!このっ、ぅっりゃー!」


兄貴が貝の体当たりを躱しざまに刀を斬りつける……しかし今度はガキン!と打ち付けた音が聞こえ弾き飛ばすだけになった。

流石に貝の殻は体勢が崩れたままでは斬れないみたいだ。


「クソッ!剣筋が鈍ると斬れねーな。おい!見てねぇでお前もやってみろよ。」

「え?でも魔術は弾かれちゃうしこの剣で殻ごと切れるの?」

「まぁ、斬れねー事も無いだろうがレイピアだしな……、普通突くだろ?」

「ああ、そだね。身の部分を狙ってみるよ。」

「おう、突いた後にスナップを効かせて剣先を跳ねさせると効果ありそうだゾ。捻る様に打つ!だ。」

「……なんか違う様な気もするけど、やってみるよ。」


今度はジュウロウが前に出てモンスターの相手をする、今は二枚貝が一匹なので注意してればどうと言う事は無いだろうが……。

ジュウロウが近づくと貝は先程の様に跳び上がって体当たり……では無く真上に跳ねた状態から中身本体を触手の様に使い打ち出してきた、ボクサーのパンチの様だ。


「うわっ!さっきと違っーーー」


俺は触手を躱しざまに剣を突き出した、すると其れがたまたま二枚貝に突き刺さった。

今、二枚貝は剣に刺さったまま宙吊の状態でウネウネしている。


グッ、結構重い…そうだスナップだ。

兄貴が言ってた様に剣先を跳ねさせる様に振り払うと中身が潰れる様な音がして二枚貝は抜けていった。


「おっ、やったか?」

「うん、動かなくなったね。剣でも結構いけるかも。」


ジュウロウが振り払った二枚貝は動きそうに無い、どうやらさっきので息の根を止めたらしい。

今迄のもそうだがオレのアイテムボックスに獲物をしまって先に進む。


「それにしてもずっと一本道だな、洞窟ってかコレじゃトンネルだゾ。」

「そだね、でも迷路みたいになってるよりよっぽど良いじゃん、あっ!あの先広がってるよ。」




その先はドーム状に広がりその中央にはソイツが仁王立ちしていた………。





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