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心の燈

作者: 高木さゆな

朝7時半、軽音楽部の部室のドアを勢いよく開けた。

「にゃっははー!おっはよーん!!」


「ちか、遅い。」

部室に入った私、佐倉千風(さくらちかぜ)に最初に声をかけたのは、我が軽音部の部長である西園燈(さいえんあかり)だ。

「もうっ!燈先輩ったら怖い顔してっ!」

私は燈先輩の肩を肘でツンッとした。

「はぁ…。いいから練習始めるぞ。」

「はぁーい!」


この軽音部は、ギターボーカルの燈先輩、ベースの小牧雨(こまりふる)くん、ギターの双葉(ふたば)しゆちゃん、そして、ドラムの私の四人でやっているのだ!


「なんとなく形になってきたけど、まだもう少しかな。放課後もがんばろう。」

燈先輩の言葉で、今日の朝練は終わった。


私は、同じ2年で同じクラスの雨くんと教室に向かった。

「今日、雨くんベース失敗してばっかだったねぇ」

「うぅぅ…それ、気にしてるんだよ…。」

「にゃははー!じゃあ放課後は私がドラムで合わせてあげよう!」

「ちかさぁ、ホントにドラムのセンスだけはあるんだから遅刻しないでよ…。」

私は、確かにドラムは好きだし、部活も楽しいけど、朝7時集合はキツくない!?死んじゃうよ!もっと寝かして!?

「いや、それってちかがもっと早く寝たらいいんじゃないの?」

「あ、そっかぁ!」

毎日夜遅くまでドラムしてたり、ずーっと燈先輩のこと考えてるから寝坊しちゃうのかぁ!

「あっ早く寝る以前の問題だね、それ。」

雨くんが飽きれ顔で言った。

「んにゃ?どゆこと?」

「夜中にドラムしてたら迷惑だろ。」

「そっかぁぁ!」

じゃあ今日からはドラムじゃなくて、お皿を叩こう!

「早く寝るんじゃなかったの…。」



「あっ!また雨くん間違えたなぁ!最初っからだ!」

「えぇー…間違えたとこだけ練習させてよ…。」

「ダメー!」

私と雨くんは、約束通り、放課後に部室で練習をしていた。

「おい、ちかー、もうその辺にしとけー。」

「はぁーい!」

燈先輩に言われちゃったらやめるしかないよね!

「じゃあ、朝練の続きからいくぞ。」

「「はーい」」



「んにゃぁー、しゆちゃんは1年なのにすごいなぁー」

私は、しゆちゃんの頭をわしゃわしゃと撫でた。

「うぅー、やめてください。」

年中花粉症でいつもマスクをしているしゆちゃんは、私の手をはらった。

「あと、次は私とドラム合わせてもらえますか?」

「おぉっ!?いいよー!!」

軽音の中心とも言えるドラムは、やっぱり練習になると人気だ。

私もついにモテ期かなぁ…でも、女の子にモテても嬉しくないか。ごめんねしゆちゃん。私には燈先輩と言う人が!!



「んじゃあ雨くん、しゆちゃん、ばいばーいっ!!」

二人と別れた私は、家の方向が同じの燈先輩と一緒に帰った。

「ちか、なんでまた遅刻したんだ。」

「にゃははー、燈先輩のこと考えてたら眠れなくなっちゃってー」

「嘘つくな、バカ。」

バレたかぁー!でも、ちょっとだけは考えてたよ。

「明日は遅刻するなよ。」

「はーいっ」


「燈先輩。」

「…なに。」

辺りが少し薄暗くなってきた。燈先輩は、いつも少し遠回りの道で帰る。そっちの道の方が、私の家が近いから。

もうすぐ、別れる所につく。

燈先輩、どんな表情をしてるの?暗くてよく見えない。

「あのね、私さぁ…」

「早く言って。」


「燈先輩のこと、好きなんだぁ。」


「…うん。」


「にゃははーっ、びっくりした?」

「いや。」

なんだー。ちょっとくらいびっくりしてほしかったなー。

「燈先輩は、私のこと好き?」


燈先輩の言葉が止まる。辺りが、さっきまでと別の場所にいるように静かだ。


「…好きだよ。」


「……。」


「…何か言えよ。」


私は口を大きく開けて、あんぐりしていた。

「ほっほっほほんとに!!!?」

「っなんだよ。不満か?」

私は、頭をブンブン横にふって否定した。

「ああああ燈先輩!!!!」

「なんなんだ、さっきから…」


えぇぇぇぇ!!!?嘘だぁぁぁ!!燈先輩が!!!?

うわぁぁぁ夢みたいだぁ!!!!


「ちか…どうした?」

燈先輩は若干引きぎみだったが、今は嬉しすぎて。


「燈先輩、大好きだよ!!」

「…うん。」

燈先輩は顔をそらして、私と反対側の方を向いた。

照れてるのかな…。可愛いやつめ!!

やはり照れているようで、私より少し先を歩いた。

まったく、燈先輩は!

私は、先を歩く燈先輩の背中に抱きついた。


「なっっ!?何してんだ!!!?」

必死に引き剥がそうとする。近くでみると、燈先輩は顔が真っ赤だった。

「にゃははーっ、燈先輩、顔真っ赤ですぞーっ!!」

「うっさいバカ!!離れろ!!」

「やーだねーっっ!!」



「燈先輩、さっきの、嘘じゃないよ。」




私にとっては、ずっと彼だけが私の心の燈だ。

今までも、これからも。





―おまけ―



「っていうノンフィクションのお話を書きたいんだけど、燈先輩読みたい?」

「読みたくもないしフィクションだけどたまに偽装してるしそもそも誰が読みたいんだ。」

「雨くんとか!!」

「絶対読まないだろ。」

「えぇー!せっかく二人の淡い恋を小説にしたのに?結婚しようよー!」

「話変わってない!?」

「というわけで、結婚しよっ☆」

「しない。」

「燈先輩、私のこと嫌い?」

「そういうバカみたいに正直なところは好きだよ。」

「えっ!?結婚する!?佐倉家にあいさつに来ちゃう!!!?」

「しねぇよまだ。」

「なぁんだーっ!」

(まだっていうとこには気づいてないんだ…。)

はじめまして、こんにちは


今回はな、なんとラブストーリーです(震え声

主人公の千風ちゃんは本当に馬鹿な子ですがその分素直ないい子です。

名前がかの有名な「千の風になって」と似ていることは全く関係ないです。

ホントです。


それではまたどこかで

さようなら!

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[一言] 千風ちゃんおもしろいわ
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