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母さんは神様だった 2

もうサイコー、


「ご主人様、お次は体洗いますね」

「ありがとう」


母さんありがとう。私今幸せだよ。心のなかでそう思わず呟いた。猫が優しく背中を布でこすってくれる。


「ほんとに気持ちいいよ」

「そう言っていただけるのは嬉しい限りです。」


そうして体もお湯で流し終わるとまた風呂に入った。はーー、いい湯


「ご主人様、そろそろ上がらないとのぼせますよ。」

「それじゃあ上がる」


猫がそういうならそうしよう。しかし服がない。どこを探しても服がない。


「私の服知らない」


「それなら捨てましたよ」

「捨てちゃったの!!!!!!!!!!!!!!!!」



思わず叫んでいた。私のたった一つの服が。少し怒っていると


「あまりに臭かったもので、すいません。しかし魔女様にいったら私の服を着せといてといわれましたよ。」


そんなに臭かったのか私。まぁ、気にする余裕なんて全然なかったから仕方ないか。あれは毎日が生きるか死ぬかの戦いだったもんな。

しみじみするなぁ。


「これですよ」

「ありがとう」


そうして受け取ったのは黒いワンピースだった。............もしかして魔女様このタイプの洋服しか持ってないのか。どんだけこの洋服好きなんだよ。

心のなかでそう突っ込んでしまった。しかし着心地は最高である。


「しあわせ」


ぎゅるぎゅるぎゅる

..........お腹減った。ってか猫が居るのに恥ずかしいよ。ここんところあんま食べ物にありつけなかったからなぁ


「私もお腹減ったんで一緒にご飯を食べますか。」

「そこまでしてもらっていいの」


そうは言っているがきっと目が欲しいといってしまっているだろう。けど欲しいのだ。


「はい、では行きましょうか」

「ほんとに、ほんとに、ありがとうね」


そして甘い香りのする丸い形のものお勢い良く口のなかに入れる。


「あまーい」

「そこまで喜んで貰えるとは思ってなかったよ」


だれだか知らない声がした。くるりと振り替えるとそこには黒いワンピースのフードをかぶった顔の見えない人がいた。


「だれ?」

「私は死神です。名前はサキ。あなたは」

「あ、私の名前はないよ」

「声きれいだね」


そのなにげない一言に心は揺さぶられた。嘘だと叫んでしまいたかった。しかしこの人に言っても意味はない。だから一生懸命笑った


「そんなことないよ」


お腹がキリキリと痛む。私の声が汚すぎて思わず声きれいだねと、同情してしまうぐらいの私の声だとしてもだ。


「本当にきれいだよ髪も翼も。まるで天使みたいだ。」


私は天使と言う言葉を聞いたらいてもたってもいられなくなってしまった。私は耳を塞いで走った。


「ご主人様お待ちください、ご主人様」


私はみんなと同じになりたかったのに。


「なにしてんのー、あ、名無しちゃんどうしたのー。」


名無しちゃんって。


「なんでもありません」

「まぁいいやーーでもさ聖女って知ってる。」

「知っている。みんなの憧れ」

「私も教会行けば一応聖女なんだよね。」

「えっ」

「だってさ聖女と魔法使いの差は教会に仕えているか仕えてないかだーよー。」

「そんなこと初めて知った。」

「名無しちゃん、この箱にさーなんか命令してみてごらんよーー。」

「?、はい、動け」


するとひょこひょこと箱が動き出した 。そしてやってきた強烈な痛み。


「うっあっがああ、いああああああああいいいあ」

「どうしたの」


私はあまりの痛さに倒れた。


「サキ早く来て。私治癒の魔法かけるから。」


痛みで良く聞こえない。なにをしようとしているのだろう。


「サキは名無しちゃんの口塞いで、この子に魔力私は分け与えるから」

「はい」


なんか温かいものが体に流れてきた。なんか気持ちいい。眠ろう


起きてみるとふかふかなベッドの上だった。気持ちいいな。


「お、起きたよ、起きた」

「ほんとーー!!!!」


騒がしいなそれにしても体が軽い。ふわふわしている


「ごめんね、天使の力を不用意に使わせちゃって。」

「許してやってくれ。まさかお前が魔力食って生きてたとは思わなくて」

「いーーーーーーー」

「今日は喋らないでおけ、しかし食べて体力つけろ」


そうしてパンとクッキーをくれた。どっちもおいしい。サクサクしている。心配してくれるのは嬉しいのだがどんよりとした空気を流さないでください

美味しいものが美味しくなくなる。食べ物は食べられることだ

けでも幸せで一杯だけどももう少しぐらい温かい空気でもいいんじゃないのかな。それともそれは贅沢なことなのかな。そんなことを考えているといきなり睡魔が襲ってきた。


そこは白い部屋だった。


「久しぶり、マナ。声を出していいよ」

「母さん、会いたかったよ。」


私は母さんに抱きついた。母さんは笑って抱き返してくれた。甘い香りだ


「私の愛娘、ずっと会いたかったよ。」


あ母さんも私を抱き締めてくれる。私のことを愛娘っていってくれた。うれしい


「みんながあなたを嫌ても、母さんはあなたのことが大好きよ」


しかし母さんは死んだはずだ私の目の前で息を引き取った。私はその事を忘れてはいない


「母さんはね実は神様なの。この星を創りありとあらゆるものを創った存在。信じられな

いかな。でもね本当のことなの。」

「信じる」


いきなり言われても意味がわからないから言葉として言ってみる。


「信じてくれてありがとう。それでねお願いがあるの魔王を助けてあげて。」

「どうすればいいの」

「それはね邪魔な勇者を倒すの。勇者は強いわ憎らしいぐらいにね。」

「強さの秘訣みたいなのはあるの。」

「あるわよ、超回復ね 。まず勇者がこの星に入れられるときに相当体が苛められるの。もう瀕死の状態までね。そっから1日寝込むと最強の完成」

「そうなんだ」


私にそんなやつらたおせるだろうか。


「大丈夫できるよ。私の愛娘だもん。」


そう自信満々にいわれてしまったからにはやるしかない 。私は母さんのことが好きなんだから。


「あと私からのささやかな贈り物のとして印と腕輪をあげる。」


そういうと私の手の甲に軽いキスをした。すると手の甲に美しい魔方陣が浮かび上がった。あまりにきれいでまじまじと魔方陣を見つめた。初めてのプレゼントだ


「私からも母さんになにかあげたかったのに」


しかしあいにくプレゼントできるようなものは持っていない 。かなり残念だ。


「いいのよ、マナが勇者を倒してくれたら母さんはとても嬉しい。」


母さんはそう言って私の腕を握った。すると腕に美しい銀の腕輪がはめてあった。


「それは魔法を使うときマナを助けてくれるわ。」

「それじゃあ、寝込んでいるとき襲うね。」

「ごめんマナ、私たち長く話しすぎちゃったせいでもうその1日過ぎちゃったんだよね。もした倒せないと判断したらあとは自由に生きていいから」


母さん、私必ず勇者倒すから。そう心に誓った。


「後は任せたわ、母さんまた一から星を創るから今度はいい星にしてみせるから」


星を創るって簡単にいっているけどかなり大変なはずだ。母さんはやはり偉大すぎる。しかし勇者とはどのような存在なのだろうか。


「母さんもし私が勇者の味方になると言ったらどうします」

「その時はマナの意志を優先してあげる。ただ人間に復讐したいなら魔王に付きなさい。私はあの時マナを守れなかった。だから復讐のチャンスをあげる。」


その顔には強い怒りでいっぱいだった。だから少し怖くもあった。


「母さん」


そう優しく呼ぶと母さんは我に返ったように表情を和ませた。


「なにかしら」

「母さんは新しい星造り頑張って」

「わかったわ」


母さんはこの星を捨てるつもりなんだ。なんだか母さんの思惑が分かってしまって複雑な気分だ。


「マナの星造りも上手くいきますように」


神様だと言うのに母さんは誰かに私のことを祈ってくれた。だから私も同じように祈った


「母さんの星造りが上手くいきますように」

「さようなら」

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