僕はおじさんでした
静まり返る協会内に女神像が光り全身に浴びる7才児、そう『ぼく』です。
僕はキャルリバ王国辺境伯次男アルスター・フォン・クロスフィールド。家族や親しい人には『アルス』って呼ばれてます。現在、最初の貴族様特有の行事であるスキル授与式&お披露目会の最中です。そこで早速目立ってした。
スキル授与式とは満7才に神々よりスキルを与えられる人生の中でもかなり重要なイベントになり貴族は王都に集まり大聖堂の中、貴族位の低い順番から女神像に祈りを捧げスキルを貰う儀式それが将来を左右するので周りの子達も真剣な表情で緊張しながら順番待ちしている。
スキルには戦闘系や生産系など多種多様な種類があり中でも特別な個人のみに与えられるユニークスキルもある。それらが将来の就職や結婚などに関わってくるので貴族最初で最高の難関と言っても過言ではない。特に貴族には領地を領民を守る戦闘系スキルが好まれているが必ずしも授かれる訳ではないから悩ましい所です。
「でも僕の場合は関係ないのです。」
実は地球から転生した日本人で当然並んだ列の目の前に御座します女神像にもなっている女神様に転生させて頂いた時にスキルを選ばせて貰いました。「だからドキドキ感がありません。」とりあえず女神様に御礼と近況報告させて貰います。
グリルベル王国貴族は王族・公爵・侯爵・辺境伯・伯爵・子爵・男爵・準男爵・騎士爵という爵順だ。「僕の実家は辺境伯だから上から4番目だね。」当然、並んだ列の後ろには上位貴族の御曹司&ご令嬢ばかり。絡まれたら面倒くさいので存在感を消して最前列に意識を向けてみます。
やはり重要儀式だけあり無駄口を開く者も少なく大司祭様から告げられる言葉だけが会場に響きその結果に対して歓喜やたまに泣き出す者も。その中で突然のざわめきがあったのはある子爵令嬢。僕の実家である辺境伯領の近隣に領地があり寄親・寄子関係になるグレッグ子爵家長女ミレイ・フォン・グレッグ子爵令嬢だ。髪がピンク色のポニーテールをした小柄な少女で整った顔立ちにパッチリした目の将来美人さん間違いなしの少女だ。当然、僕の幼なじみであり婚約者候補でもある。候補というのもこのスキル授与式後に決める事が多いため。そのミレイが祈り捧げると突然女神像が輝いて本人を明るく照らす。会場がピンク色の髪を美しく輝かせ跪く少女に見とれて時間が止まったかのような静寂が支配した。いち早く我に返った大司祭様から伝説に残る聖女のユニークスキルと剣術・盾術スキルが告げられ会場が沸く。告げられた本人は理解出来てないのかポカンとした表情で女神像を見ていた。「ミレイ、良いスキルおめでとう」女神像前てポカンとした姿でこちらを見てたから口パクで祝うと満面の笑みで舞台から降りていつた。
興奮状態の会場で更に順番が進みいよいよ僕の番になった。大司祭より「クロスフィールド辺境伯家アルスター君前へ」壇上に上がり女神像前で跪く。
「女神様、転生させて頂きありがとうございます。毎日、楽しく過ごしてます。」と目を閉じて心の中でお祈りを捧げると後ろの会場からざわめきがあり目を開けるとミレイの時より輝かせた女神像が前に。「えっ、やばい。」後ろの列に並ぶ上位貴族の御曹司からは妬ましい視線が。令嬢からは獲物を狙うハンターのような視線が向けられいた。二度目になる光り輝く女神像にまたもいち早く我に返った大司祭様からスキル名が告げられた。
エクストラスキル『ファミリア』と。転生前に選んだスキルであり、この異世界を楽しく生きる為に選んだ僕の相棒になるスキル。ようやく使えるようになった喜びと先行き不安を抱えて壇上を後にした。
この後も数回輝かせた女神像に腰を抜かしながらも頑張る大司祭様が今日のMVPだろう。




