第3話 トラブル爆発
第3話は、ようやくの人間接触回!
森の余韻を引きずりつつ、冒険者たちに導かれ街へ!
名前を明かした瞬間から空気が変わり、天使の街で予想外の波乱が……。
スローライフの扉は、意外な形で開く!?
「こんにちは、アスモ デウスです。」
俺はレンチン術を使って溶かしたゴブリンの残骸を目の当たりし……あまりのグロさに……
10分くらい硬直していた。
生き物が目の前で溶ける瞬間って。
見ちゃあかんやつだから!!
「こ、このレンチン術スキルは、ちょっと練習というか、理解するまでは、ふ、封印だな!うん!緊急事態のアルテマウェポンという設定にしよう!うん!」
俺はもっとレンチン術に対して、理解し、使いこなせるようになるまでは封印を誓ったのであった。
検証も兼ねて、ゴブリンの骨を無限収納にて回収してみる。
シュルンっ!と。
「おぉっ!なんか!これは!気持ちいいなっ!」
そう、それはまるで蒟蒻ゼリーを食べた時のチュルン。みたいな感覚で、ものが空間にある次元に吸い込まれたのであった。吸い込んだものは骨だけど。
ゴブリングロテスク事件の余韻は、無限収納のおかげですっかり無くなり、俺は意気揚々と道を進もうとした時。
そこに現れたのであった!!
奴らは武器を持っていた。
打撃が効かなそうな鎧をまとい、すぐにも戦闘を行えるような雰囲気。
リーダー格らしき先頭にいる奴も、立派な大剣と盾持っていた……
そう!
冒険者っぽい人たちだ!!
「はわわわわわ。か、かっこいぃぃぃ…」
俺は恋したBL男子の如く尊敬の眼差しで見つめていた。
アニメで見た憧れの冒険者のまんまだった!
冒険なのかはまだ分からないけど。
憧れの冒険者っぽい、かつ、俺はやっと人間に会えた喜びから、反射的に
「おぉーーーい!」と満面の笑みで声をかけた。
冒険者っぽい人達の1人が「大丈夫ですかー?」
と声を掛けてくれた!女性の人だった。
女性の人だった(大事な事だから2回)。
「あ!はい!大丈夫です!ゴブリンと戦ってたんですが、なんとか倒せました」
あ、やべ、ゴブリングロテスク事件思い出しちゃったよ。
女性の!冒険者
『えぇ!ゴブリンと戦ってたんですか!強いんですねー!あいつらすばしっこくて、なかなか倒せないんですよね!』
『あれ?でもゴブリンの死骸がないですよね?』
「死骸ならここにっ!」
シュルんっ(気持ちぃぃぃぃ…出したの骨だけど)
女性の!冒険者っぽい人
『えっ!………』
「ん?」
沈黙がながれているぅぅぅ
そして女性の冒険者っぽい人がフリーズしているぅぅぅ
いきなりゴブリンの化石みたいなの見せたら、そりゃそーなるか!
「す、すみませんっ!気持ち悪いですよね、こんなゴブリンの白骨死体なんて見せられたらっ!」
慌ててシュルんっして戻しといた。
女性の!冒険者っぽい人
『今の収納魔法ですか!?』
『は、初めて見ました!すごいですね!』
あ、そっち?
あ、あれー?なんかマズったような気がしてきたのは気のせいかなぁぁぁー?
収納のスキルって、珍しくて重宝されてます的なやつー?
「あ、これ珍しいんですね!じゃ内緒にしておいてください!」
てへぺろ。みたいな感じにしてみたけど、全然ごまかせなそうにないわぁ……
普通に収納魔法発表会みたいになっちゃって、他の冒険者っぽい人たちがオーディエンスになっているぅぅぅ
そしてみんな「マジかよ」みたいな顔してるぅぅぅ
「そ、そういえば!皆さんって冒険者の方達なんですか?」
華麗に話を逸らしてみる!
女性の!冒険者
『あ…はい!冒険者です!みんなで討伐の依頼をこなしてきて、セラフィム・ヴィルという街に帰るところなんです!』
本物冒険者だったぁぁぁぁぁ!しゃぁぁぁーっ!
あざぁーーーすっ!
「冒険者かっこいいですねー!!俺憧れてるんですよ、冒険者!」
女性の!冒険者
『私達のパーティはまだランクが低いので、受けれる依頼が少なくて、あんまりいい稼ぎでは無いんですけどね!』
恥ずかしそうに言ってる時点で、はい!かわいいです!
「俺、遠くから来て、ここら辺のこと分からないので、もし良ければ一緒にその、セラなんちゃらビル?という街まで、ついて行っても良いですか?」
かわいい女性の!冒険者(旧:女性の!冒険者)
『セラフィム・ヴィルですよ。フフフ』
あ〜ん、もぉ〜かぁーわぁーうぃーいー
……
ん?セラフィム?
あれ?セラフィムってなんか聞いたことあるよーなー……なんだっけ?ま、いっか!
俺は冒険者パーティの方々と一緒に、セラフィム・ヴィルという街に向かうことにした。
道中、リーダー格の男性から話しかけられた。
そう、これが事件のきっかけだった。
リーダー的存在冒険者
『よぉ!俺はゲイルって言うんだ、よろしくな!』
『兄ちゃん見慣れない格好してるけど、どっから来たんだ?』
俺はなんて言おうか、その刹那に考え、AIの如く一瞬で閃いたのだった。
「え、えーとぉ、」
…
「なんかぁ、あの、言いにくいことなんですけどぉ…
」
…
全然一瞬ではなかった。はい、すみません。
とりあえず超曖昧な感じにしとくか。
「すごく小さな村で、名前もない村だったんですが、途中で方向が分からなくなっちゃって、その村もどっちにあるのかが、もう分からないんですよねぇ…ハハハ」
…
「ハハハハ…」
…
雑女神の「ワハハハハ」が、とても愛くるしく感じてきた。
ゲイル
『そ、そうなのかぁ!そりゃ大変だったなぁ!』
『まずは街に行って、落ち着いてから村を探しみりゃあいい!困ったことがあったらなんでも聞いてくれっ!』
ヤバい、ゲイルかっこいいわぁ(はわわわわわ)。
ゲイル
『ところで、兄ちゃん名前はなんていうんだ?』
おぉっ…つ……
偽名とかありなのかなぁ。なんか街で調べられて嘘でした。みたいになるのもなぁ。嘘ついてバレた時の空気考えたら、言うしかないよなぁ……
「えっ…と、なんか変な名前ってからかわれててぇ、あんま好きじゃないんですけどぉ」
ゲイル
『大丈夫だ!街には何百人と人間がいるんだ!いろんな名前がいんだから、あんま気にすることなんてねぇぞ!』
はい、言わなきゃいけないフラグ確定!
「あの、えっ…と、アスモ デウスて言いますぅ〜」(名前のとこだけ超小声)
ゲイル
『ん?なんだって?もうちょっと大きい声で』
はい、小声禁止令まで出ましたぁっ!
「アスモ デウスって言います」諦めてキッパリ
冒険者一同
『えっ…………』
ん?
俺も真似して「えっ?…………」
無限収納発表会の時より、長い沈黙ぅぅぅぅ
「あ、やっぱり変な名前ですよねハハハハハ」
ゲイル
『いや、それ。第7悪魔の一角と同じ名前だぞ……』
……
う、うそぉぉぉーーん!
こっちの世界にも悪魔とかなんか、そんなんあんのぉぉぉぉ、しかも悪魔の名前って共通なのぉぉぉぉ!?
かわいい女性の!冒険者(旧:女性の!冒険者)
『さっき、ゴブリン出した時、白骨死体だったよ…』
と、他のメンバーの人にコソコソ言っているのが、沈黙すぎて聞こえているぅぅぅ
悪魔がゴブリン溶かした。みたいな空気になってるぅぅぅ!
「お、俺は悪魔じゃないんですよ!ほんと!名前だけがこんな変な名前なんですよ!」
とりあえずごまかしてみよう。
「両親がなんか、神から天啓を受けたとかなんとかで、この名前にしなさい。って決めたみたいなんですよ!」
女性冒険者(まだ名前聞いてない)
「神様が悪魔の名前を子供につけろなんて言う?」
「なんか怪しくないこの人?」
(脳内:きゃぁぁぁぁぁぁぁっ)
きゃわたんだった女の子が、さっきまで心配した優しい目で見られていたのに、嫌われたパワハラ上司を見ているような目で見られているぅぅぅ
「す、すみません!なんか!ほんと気持ち悪い名前で」
ゲイル
『……なんかお前のお袋さんにも、色々事情があったのかもしれねえな』
『みんな!こいつは悪いやつじゃねぇ!俺の感がそう言ってる!邪険に扱うんじゃねぇぞ〜』
(脳内:はわわわわわわ、ゲイルしゃま〜)
新しい扉が開くんじゃないかと思うくらいゲイルがカッコよく見えた。
ギリ開いてないけど。
女性冒険者
「でも、その名前だと。もしかしたらセラフィム・ヴィルで暮らすのは、大変かもしれないですねぇ」
相変わらずコソコソとメンバーに話ししとる。
ん?大変?
なんでだろ?
そんなこんなで、道中気まずい雰囲気になりながらも、無事セラフィム・ヴィルに到着したのだった!
いや、到着してしまったのだった!
きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!
門の上のとこにある、すごく、すごーーく象徴してます!みたいな像が!
像がぁぁぁぁぁ(パオーーーン)
天使の像だぁぁぁぁぁぁ!………
そう。セラフィムは、天使の名前だったのだ。
神を崇める宗教団体の一角。セラフィム教。
大天使セラフィムを崇める街だったのだ!
大変って……
そぉぉぉぉゆぅぅぅぅことぉぉぉぉーーーーっ!!!
誰か助けてぇぇぇぇぇーっ!
(第4章に続く)
第3話、いかがでしたか?
「シュルんっ」の快感に共感した人、
ゲイルの漢気に惚れた人、
天使町での名前トラブルにニヤリとした人……
あなたの「ここが面白かった!」をぜひ聞かせてください!
第4話への「町でどうなる?」予想も一緒にコメント待ってます!




