11話 仲間再会
あまりに更新しなかったので本日2回目の投稿です。
チュンチュンと小鳥の声が聞こえる。妙に暖かい、そして何か地面が柔らかい。...ここは、何処だ?っていうか俺、何してんだ?ヤケに眠いな。どうなってる?.........そうだ、俺はあの暗殺者をとり逃して、その後眠くなってそのまま倒れたんだ。......ここは暖かいな、もう朝だからか?でもこの柔らかい地面は何だ?草のベッドではないな。妙にふわふわだ。こうなんていうか、まるで普通にベッドの布団のような......。
「はっ!!!!」
慌てて飛び起きたライツェル。急に起きたせいで眩暈がしており、頭を抑える。寝ぼけ眼で前を見て、タンスがあることに気づく。そんなに広くは無い部屋だが質素で嫌いではない雰囲気がある。自分が寝ているところを確認しようと手で触るライツェル。木製で、ふかふかの布団が敷かれたベッドだった。
窓からは明るい日光が差し込み、ベッドの反対側の壁には机と椅子が置かれていた。ここは何処かと思いながらベッドから降り、ゆっくり息を吐くライツェル。見た感じは村の宿泊所の部屋のようにも思えるレイアウトだが、それにしてはベッドが少ない。ならばここは何処なのだろうと考えるライツェル。自分を運んでくれたのは誰なのか。
もしそんな人が居るなら感謝を述べるべきところである。無防備に倒れたらいくら元勇者といえどどうしようもないのが実情である。山賊にみぐるみを剝がされる危険性もあれば、山や森に生息する獣に襲われる危険性もあるのだ。
魔物と同じく野生動物であるクマやトラは一般市民からすれば脅威である。そういう奴と戦った事もあるライツェルからすれば、あんな森の前で寝ていたのは自殺行為だったとあっさり思える。そう考えると命の恩人に間違いないと思ったライツェルはこう思う。まずはしっかり感謝してその上で話を聞こう。
そう思ったライツェルが一先ず扉に手を掛けると、丁度扉のドアノブが動いた。ここに運んでくれた人かもと思ったライツェルはすぐにドアから離れる。ドアが開き、そこに居たのは。
「あら、もう起きて大丈夫ですか?」
ライツェルの元仲間にして僧侶・「アーリエ・ベル・フォスティア」である。彼女が食事を持って立っていた。
「アーリエ!?...俺を運んでくれたのはお前だったのか。...ありがとう、なんて言ったらいいか。」
「いえいえ、礼には及びません。それに、気づいたのは私だけじゃないんですよ。ほら。」
その言葉の後、アーリエが後ろを振り返る。するとそこには。
「おいおい!!久しぶりじゃねえかライ!!!ちょっと痩せたか!?ははははは!!!!!」
大笑いしながら入ってくるライツェルの元仲間の戦士・「ガルブ・ディコダイン・ロンガ」であった。ガルブはひとしきり笑うとライツェルを見る。
「ガルブ!?二人が俺を助けてくれたのか。...ありがとう、助かった。」
素直に感謝するライツェルを見てお互い微笑む二人。
「相変わらず気持ちのいい奴だなお前は!!」
ガルブはそう称賛する。そんな二人にライツェルは尋ねた。
「なあ、何で俺を助けてくれたんだ?たまたまなのか?」
それに対し答えるアーリエ。
「いえ、たまたまではありません。この前買い物に出た時にライツェル様をお見かけしたのですが、何やら慌てたようだったので事件かと思い追ってみると、色々なお店でお話をしては断られていたようでした。なので何か難しい話なのかなと思いましたが、私が首を突っ込んで事を大きくするのは良くないと考え、その時は何もしませんでした。しかし......。」
そう言いかけたアーリエを遮ってガルブが続ける。
「んでその時にアーリエから何か知らねえかって聞かれたんだ。でも俺ァそういうの聞かなかったからよぉ、同じ騎士団の仲間とかに聞いてみたんだ。そしたら勇者が再就職をしようとしているが、色んな店に断られて笑いものになってるって聞いたんだよ。なんだそれ、ざけんなよ!!!!って思ってよ、すぐに色んな奴から聞き込みをしたんだ。お前、ジョブが無くなって酷い目にあってるらしいな。」
ガルブにそう言われ、ライツェルは口を閉ざす。そんなライツェルを見た二人は心配そうに聞く。
「なあ、別に俺らはお前をどやした奴を殺そうとかそういう訳じゃない。俺らはお前が心配なだけだ。俺らの唯一無二の仲間でリーダーだったお前が苦しんでんなら話を聞きたいんだ。お前は優しい奴だから、例え自分が笑いものになっていると思っても傷つけたいとは思わないのを知ってる。だから俺らもやらない、ただ話を聞くだけだ。」
「そうです、私たちは貴方の今まで功績を知っています。ライツェル様が今までどれだけ世界に貢献してきたか、ずっと覚えています。そしてそんな貴方に着いてきた私たちは貴方が傷ついたまま苦しんでいるのを無視できません。どうか、お話ししては頂けませんか?」
ライツェルはその二人の真剣な眼差しと言葉に驚いたような顔をするが、すぐに元の顔に戻るとこう言う。
「いや、大丈夫だ。...心配してくれたことはありがたいが、俺は特に何も無いよ。きっとその噂も噂程度だろ。大丈夫さ、お前たちに心配をかけさせるような事なんてない。」
そうは言いつつも、ただ今頑張っているであろう元仲間たちに心配をかけさせるのは良くないと考えたライツェルの嘘を見破れない仲間では無かった。
「それ、辞めてください!いつも私たちが心配してもそうやって心配かけさせないように振舞いますが、本当に苦しいなら頼ってください!!私たちは貴方からみて頼れないような人間なのですか!?もし私たちに悪いと思うなら、これ以上心配させる方を悪いと思ってください!素直に話して頂いた方が、私たちも心配しません。」
「いや、だから、何でも無いって...。」
「何でも無いのか、じゃああの森で倒れていたのは何なんだ?俺たちの前でも、冒険中でも滅多に倒れなかったお前が倒れるような相手があの森に居たのか?それとも、毒か何かを盛られて倒れていたのか?どちらにせよ、もっと俺らを頼ってくれよ。何でも自分一人で背負い込むのはライ、お前の悪い癖だぜ。」
思わず黙り込むライツェル。彼自身あまり意識はしていなかったが、ライツェルは勇者であるという自負からあまり人には頼らないという姿勢があった。その中でも特に仲間には心配をかけさせたくないと思っていたため冒険中でも同じように言われた事があった。彼は思い出す。
かつてとある村に泊った時。そこの村長の子供が近くの川にとんでもない怪物が居ると言った。しかし、その少年のいった事は子供の言った事だと信じられておらず、それを不憫に思った彼らはその怪物を調査する。しかし川に怪物など居らず、何も無いと判断した彼らはその村を後にすると決めるが、ライツェルだけがその子供の瞳に映る悲しみに気づいていた。
結果彼はその村を発った後こっそりその川へとテレポート魔法を使って移動し調べていた。しかし、仲間に言えばきっと調べてはくれるだろうが、これは俺の独断だから彼らを巻きこむわけにはと思い一人で続けていた。
結果、彼はとある時に遂にその少年が言っていた怪物・その名も「リバー・オーガ」に遭遇する。魔物の一種だが変異しており、圧倒的な強さを誇るその魔物に苦戦したライツェルはなんとか勝つも傷を負ってしまう。その日仲間の元に帰った彼はその日の道中に倒れてしまう。
仲間たちは傷に驚き、どこでこんな傷をと彼に聞くも彼ははぐらかす。その時、アーリエとガルブがそれぞれ今と同じような事を言った。彼らとてライツェルと同じく、苦しんでいる人たちを救うためにパーティに入ったのだ。例え誰も信じず、実際見つかれなかった怪物だったとしてももしライツェルがその少年の瞳に残る違和感を確かめたいというならついていくつもりだった事を話した仲間たちは、その後全員で村へと戻りそのリバー・オーガの群れを各個撃破する。そしてその村の危機を救ったのだった。
そのことがあった事から、仲間たちは彼を本当に苦しいときや何か気にかけた時は言わない奴だという暗黙の了解のような仕組みが出来てしまったのだった。
ライツェルはまだあきらめていなかったのか、さらっと嘘をつく。
「ああ、いやその。森で採取をしてたんだけど、気持ちよくて気が付いたら寝てしまっていただけなんだ。いや~俺、よくないな。山賊とかだっているのに、森の前で堂々と寝ちまうなんて。ははは。」
しかし、彼らはそんなライツェルを強い目で見つめる。その視線にバツが悪そうにそっぽを向いたライツェルは観念したかのように口を開いた。
「......実は...。」
ライツェルは素直に全て話した。
就職が出来なかった事。ジョブを失った事がバレて色々な人から蔑まれている事。ギルドにも仕事は無く、日ごろ食べるモノにすら苦労すること。自分が救えなかった者たちにも恨まれているらしいこと。そして、暗殺者のこと。
その過程でガルブはこう聞いた。
「なあ、そもそもこんなことになったんだから、報酬貰えばよかったじゃねえか?なあ、アーリエ。」
「ええ、こうなっては平和もありません。確かにライツェル様の民衆の為にと慮った行動が悪いとは思いませんが、こう言ったときは別です。また何か脅威が訪れたら私たちが行くことになるかもしれないのに、そんな中の1人が苦しい生活をしている。元々勇者様の報酬を先送りにしただけですし、ここで貰うと言っても何の罪になりましょう。頂いてはいかがですか?」
アーリエもこう続けたので、ライツェルは王子と王女の話もした。
ライツェルと王を恨み続け、結果として王を殺して成り上がったフィリウス。そんな彼は、ライツェルの事を嫌っており、殺さない程度に色々仕掛けてくるようだった。
そしてリンネ。彼女もまた暗殺者をけしかけてきた。一体何の理由でかは分かっていないが、王子に指示されたのが一番大きな理由なんじゃないかとライツェルは推測する。
フィリウスはライツェルに報酬を与えたふりをして世間からの敵意を逃した。だが事実としてライツェルは貰えるはずだった報酬を貰えていない。ただの一つもである。
王子は誰もお前のことなど信じない。ジョブ無しの元勇者の事などというようなスタンスだった。結果彼は職も金も飯も何もかも無いまま一人ぼっちになってしまったのだった。
それを聞いたガルブは当然のように怒った。
「はぁ!?あのクソ王子、なんてことを!?実の父殺し、しかも王殺しなんて重罪だぞ!!!そして挙句世界を救ったライツェルに一閃も渡さず嘲笑うなんて!!!!クッソ、許せねええええええ!!!!!!ライツェルにジョブが無ぇのを良い事に好き勝手しやがるッ!!!!!」
ガルブは頭を抱えて叫んだ後、腕を壁に叩きつける。
「乱暴になってはいけませんよガルブ様。といっても、こうも悪意を見せつけられると流石に私も不快ではありますが。神の前に等しく平等である命。それを自分勝手に奪い、挙句世界を救った一番の英雄に何も与えぬとは。救えないですね。」
アーリエもそんなガルブを抑えつつ、不愉快そうに眉を顰める。ライツェルは自分が想われている事実に嬉しそうではあったが、ただこのヘイトが向かう事態は彼らにとって良くないと判断した。
「ああ、まあ確かに辛いが、だけど何とかなると俺は思ってる。今までだってそうだったしな。俺のことを想って色々言ってくれるのは嬉しいが、その為にお前らが自分の人生を棒に振ることは無い。俺の事は良いから、王家に何かするとかは辞めておいたほうがいいぞ。」
そう宣告すると、ガルブは怒鳴った。
「お前な!!!!!!!いいか、俺はお前がどれだけいい奴か知ってる!!!!!だから俺はお前が好きなんだ!!!大事な仲間だと思ってるんだ!!!!ソイツが傷つけられてんだぞ!!!!黙ってみてろってのか、俺にィ!!!!!!俺は立ち位置とか職業とか役職より、仲間の方がずっと大事だ!!!!!うおおおおおおおおおお!!!!!!!」
そう叫びながら出ていこうとするガルブ。突っ走って教会の扉を出ようとしたがそこで拘束魔法がかかり、勢いよく転ぶ。
「......全く、彼はすぐ頭に血が上りますね。確かに苛立つことではありますが、ここはだからこそ落ち着くべきです。勢い余って王家に押しかけた所で、あちらがシラを切ることなど当然でしょう。今はまだ何も出来ません。むしろよりライツェル様を大変な目に遭わせてしまうかもしれませんしね。一旦ここは現状を整理して、その上で行動するべきです。」
魔法を使ったのは勿論アーリエ。やれやれと言わんばかりに立ち上がった彼女は、そう話すとライツェルに向く。
「ですが、私もガルブ様と同じ意見です。私も貴方を強く、優しいリーダーだと尊敬しています。そんな方を傷つけた事、後悔させてさしあげましょう...いつか。」
そんな彼女の意見をはははと小さく苦笑いしながら返すライツェル。
「ああ、まあ程々にしておいた方が........。でも、アーリエがそんな風に言うのは久しぶりだな。ありがとう、俺の代わりに怒ってくれて。」
「ええ、本当ですよ。あまり怒るのは好きじゃないんですが、今回ばかりは。とはいえライツェル様もライツェル様ですよ。」
「え、俺?」
「はい。魔王討伐までずっと冒険を続けてきた仲間に隠し事が出来るとお思いですか?ましてや、隠し事が下手な貴方が。.........そして、貴方は棒に振ると言いましたね。ですが私はそうは思いません。命を預け合った者のピンチに命を掛けられないのなら、仲間として失格です。何より大事な事は、誰かを守る事です。私は弱き者を守りたい、ですがそれと同じ...それ以上に仲間も守りたいのです。棒に振るのではなく、コレこそが本懐なのです。お判りいただけますよね?誰より人を守ってきた貴方ならば。」
そのアーリエの言葉を聞いたライツェルは、今度こそ本当に諦めたような顔をすると笑った。
「...そうだな、そうだ。はは、確かに仲間は大事だしな。ありがとう、恩に着る。...じゃあ、迷惑にならない程度にお願いするよ。...俺を助けてくれ。」
ライツェルはそう言って頭を下げ、アーリエはそれに答えた。
「ええ、当然です。こちらこそ、守らせて下さい。今度は。」
2人の間にほんわかとした温かい空気が流れる。そこで緊張とストレスが解けたのか、ライツェルの腹からぐーと音が響いた。空腹の虫が早く食べ物を寄こせと文句を言っているようだった。
アーリエは持ってきた皿を置き、それをライツェルに食べるよう促す。ライツェルは久しぶりに、しっかり料理されたものを食べて感激していた。
話し込んでいたため料理は冷めていた筈だったが、ライツェルはこの時の食事をいつまでも温かいと感じていた。
なお、ガルブはこけて以降拘束魔法のせいで起き上がれなかったため、ライツェルの食事が終わるまで放置されており文句を垂れていたのは後の話である。
「ひとまず、就職先が見つかるまではこの教会に住んでください。部屋に余りもありますし、この区画には孤児院が隣接されているのできっと子供も喜びます。むしろお願いしたいくらいです。」
そうアーリエは言った。ライツェルは当然頷く他無かった。というか、彼にとってはありがたい申し出だった上一応子供という理由もあった為断る理由もなかった。
許可を得る事が出来たライツェルはひとまず安心できる家を手に入れた。するとガルブが言った。
「てかさ、お前宝売って金にすればよかったじゃねえか?確かにお前はジョブ無しではあるけど、ちょっと遠出すれば俺らの事を知ってる奴らだっている。ウォース家とかヴェナンダイ姉弟とかは高く買い取ってくれんだろ。」
確かにガルブの言う通り、ライツェルたちには冒険の最中に知り合ったコレクターやハンター、あるいは秘宝専門家などが居た。そんな彼らに売れば二束三文で買い叩かれる危険性もなかっただろう。しかしライツェルにはあまり売りたくない理由があった。
「確かにそうだな、彼らに売ればよかっただろう。ヴェナンダイの弟の収集力は凄いし、すっごい感謝されたしなあの戦いの後は。彼らならばきっと秘宝を大切にしてくれるし、買い叩くことも無いだろう。だけど、俺に預けられた秘宝は全て俺らが命がけの戦いで手に入れてきた金では換えられない代物がほとんどだ。魔石なんかは売ってしまってもよかったから売ったが、その場所にしか無い秘宝は売れなかったよ。俺たちの大事な記憶まで売ってしまう気がして、どうしてもダメだった。これだけは簡単に売ったら良くないって思ってしまったんだ。」
そう言うライツェルの横顔は、あの時を思い出すかのような表情だった。喜びと、苦痛と、感動と、満足感。その全てが集約されたかのような顔をしたライツェルに納得の表情を浮かべるガルブとアーリエ。
「確かにきつかった戦いが多かったもんな。砂漠の墓、雪原の洞窟、天空に昇る大樹に海底に眠る遺跡。どれも大変だったな。確かに、喜びも苦しみも味わった戦いでの報酬をそうカンタンに手放すのは惜しいな。よく分かったよ。」
「ですが、そうも言ってられないでしょう。分かりました。ではその中で、とりあえずこれは売ってしまってもいいというものを選びましょう。みんなで選べば、いいでしょう?」
そう言うアーリエに救われた想いを感じながら、ライツェルたちは宝を取り出した。
「あ、そういえばラズリーベは来ないのか?今更だけど。」
そう言ったライツェルに対し、ガルブが苦虫を噛み潰した上に一緒に舌まで噛んだような憎々し気な顔をして言った。
「あんにゃろー、俺たちがライツェルのことを知らせた時言いやがったんだ。(あーライツェルが倒れてた?まあなんか盗賊とかと戦って眠らされたとかじゃない?まあ大丈夫っしょ、腐っても勇者だし。え?来いって。嫌だよ今大事な研究してるんだもん。本当にヤバそうだったら行くけど、今のところ普通に寝てるだけなんでしょ?じゃあパス)だとよ!!!!!アイツ、仮にも仲間のリーダーだぞ!!ふざけた事言いやがって!」
「私も呆れましたね。確かに寝ているだけかもしれませんが、だとしてももう少し心配する意思くらいはあってもと思いました。人の命より自分の研究とは、全く......呆れてモノも言えませんね。」
2人はそう言って同時にため息を吐いたが、俺は笑ってしまった。
「ははははははは!!!!!!......なんか、アイツらしいじゃないか。昔からそうだしな。マイペースで、自分のやりたいことに一直線って感じ。本当にやばいんだったら来るのもアイツらしいし、らしさがあって俺は悪くないと思うよ。」
そう言うライツェルに二人が冷たい目を向ける。
「そうやって優しくするから調子に乗るんだぞ!!!」
「一回くらいガンと言い聞かせてもいいと思います!!」
その二人の剣幕に、ああ、貯め込んでるなと一人苦笑するライツェルであった。
売る宝を決めた後、他愛のない話を少しの時間する3人。秘宝はガルブが売りに行くと宣言し、楽しみにしておけよと笑った彼はそのまま帰っていった。
アーリエはこれからここに住む上で守って欲しい事があるとルールブックをライツェルに手渡した。教会として当たり前らしいシンプルなルールブックを読みながら、彼は安心するかのようにベッドに転がる。
久しぶりに仲間と出会い、そして助けられた。彼らは勇者としてずっとライツェルが引っ張ってきてくれたと信じて疑わないが、ライツェルはむしろ彼らが自分を支えてくれたからここまでこれたと思っている。
彼らはやはり自分のヒーローだと心の中で思ったライツェルは満足げに手を頭の後ろへとつけ、目を閉じた。
こうして彼は一時的に家と食べ物を得る場所を手に入れたのであった。
やったねライツェル、家とご飯が手に入ったよ!!




