表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/23

「えっ、ジョウ君とイヅル君小学校からの幼馴染なの!?」

「今更だな。元々俺が住んでたアパートの隣がジョウの家だったんだよ」

「だってそういう話してなかったし。ていうか幼馴染っていいな~!」

「……それはどういう意味でだ?」

 つい質問してしまった。これでジョウ君の幼馴染羨ましいっていう意味なら、ちょっと、いやだいぶ嫌だと思ったからだ。

「イヅルくん顔怖っ! どうもこうもないけど、あたし幼馴染とかいないからさ~。憧れるっていうか」

「ふぅん」

「イヅルお前、いつもより機嫌悪ぃな~。どうした?」

 ジョウが心配しながら俺の頭をグシャグシャとかき回す。やめろ、セットが乱れる。

 ……だがまぁ、許してやろう。

 始業式の日から一ヵ月ほどが経っていた。あんなに美しかった桜並木はもうすっかり青々としているというのに、未だに夢は二日に一回くらいのスパンで見るし、小野木がよく教室でジョウと絡むようになった。趣味が合うわけではないが、二人は根っこが合うらしく、よく隣同士で話をしては笑っている。

 昼休みも三人で食べるようになった。

 女子で俺とジョウの二人と食べたことがある人物が小野木以外にはこれまでいなかったため、既に話題になっている。俺とジョウが小野木取り合ってるとか、むしろ既にジョウと小野木が付き合ってて俺が邪魔してるとか、俺とジョウで萌える小野木腐女子説とか。

 腐女子説は小野木本人に攻めの反対語は? と問うたところ守り! と元気いっぱいに答えてくれたので違うだろう。単純に腐女子を隠すためにあえてそう答える可能性もなくはないが、小野木は腐女子特有のあのオーラ的な何かを感じないし、白だ。

 しかしジョウとデキてるとか小野木を取り合ってるとかそういう噂が俺は気に入らなかった。夢で煽られてから起床して学校では噂されて、挙句に俺の席は一ヵ月経っても、まだ誰も来ない。どうなってるんだ。

 俺が自分の隣の席を見たことに気付いた小野木が、口を開いた。

「そういえばさ、イヅルくんの隣の席、明日来るみたいだよ?」

「……マジで?」

「うん。本当は始業式当日にちゃんと来るはずだったんだけど、色んな手違いで一ヵ月遅れになっちゃったんだって」

「へぇ。ていうか小野木が何でそんなこと知ってんだよ」

「ほら、あたし女子だし?」

「……それは答えになってんのか?」

「じゃあトウコは男か女か、どっちが来るのかも知ってんのか?」

「女の子だって~」

「どんな子だろうな、楽しみだなあイヅル!」

「おう」

 ……さらっと聞き流してしまったが、今ジョウは小野木のことを名前呼びしてなかったか?

 ジョウが女子を名前呼びするのは相当レアなのだが、一ヵ月でそんなに仲良くなってたのか……。そうか……。

 登下校時とか俺の家に来るときの二人の時には小野木の話題を出さなかったし気付かなかった。

「女の子で男女二対二になるし、遊びにとか行きたいよね!」

「おっいいなそれ!」

 良くねぇだろ。お前何でそんなに小野木に心開いてんだ? 俺より仲良くなるの早くねぇか?

 第一性別が分かってたって性格は分かんねぇだろ。仲良くなれないタイプだったらどうするんだよ。という俺の心配をよそに二人は話を展開させていく。

 小野木が実はメンタリストで、心理掌握が得意だったりするのか? とまで考えて一度はっとなる。俺は何と馬鹿馬鹿しいことを考えていたのか。

 けれどメンタリストの線はないとしても、小野木は何か他のクラスメイトとは違う部分があるといえばあった。基本元気でテンションは高いが、ふとした時のジョウを見つめる視線が違うのだ。惚れているといえばそれで終わりだろうが、そこからもっと上へ行く何かな気がするのだ。俺にはまだ分からないけど。

 何を真面目に考えているんだ俺は。もし小野木がそうだとすれば……。

 くそ、最近はどうにもペースを乱されがちだ。この際転校生のパワーで流れを変えてくれと思いつつ、二人の話をぼんやりと聞きながら、購買で買ったパンをかじった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ