表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/84

ヒロイン登場も甘くない。

(おお……)


その外壁のスケールに颯汰は、圧倒されていた。


高さ30メートルほどの巨大な石づくりの壁は、いびつな曲線を描きながら、何処までも続いている様に見える。


初めての海外旅行で興奮している一般人の様に、颯汰は、ペタペタと壁を触っていた。


(プッ。このじじい、……あたま大丈夫か⁉)


【陽炎】のメンバーは、あきれた様子で笑っている。ジョーが、こらえきれずに声を掛けた。


「ダッハッハッ! 爺さん、そんなんで驚いていたら、街入って腰抜かすぜ!」


そんな中、副団長のロイだけは、真剣に蒼汰を見ている。


やがて門番との手続きが終わり、一同は、ゆっくりと巨大な門をくぐり抜け始めた。


「……う!」


一瞬ピリッとした感覚を颯汰は、感じ取る。


(なんだ? この感覚……)





やがてミズリでもっとも有名な名所である、【女神の噴水広場】を通りかかる。


「すごい!」


思わず声を上げた颯汰の前には、女神をモデルにした巨大な石像と噴水の公園、そしてその奥に広がる美しい街並み。


計画的に設計された大通りには、人が溢れ、騒がしくも生活の営みが確かに息づいていた。




そんな街並みの……とある屋根の上。




大通りを進む一向の馬車を見つめる者がいた。


スラッとした容姿に整った顔立ち。少女とも女性とも言えない年頃の彼女は、ポニーテールに結んでいる紅い髪を風になびかせながら、一点を見つめている。


「……フン!」


不機嫌そうに見える彼女は、馬車から身を乗りだして騒いでいる老人を見て、いっそう不機嫌に目を細めると、何処ともなく姿を消していた。



ーーーーーーーーーーーーーー


ミズリの冒険者ギルドは、3階建ての巨大な建物だ。冒険者用の宿泊施設に食堂、夜に酒場も利用できる。そんなギルドは、今日も賑わいを見せている。


そのギルドのある部屋の中、Sランク【陽炎】のメンバーに囲まれた颯汰は、1つのピンチを迎えていた……。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ