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32/84

初めての……。

ブクマ&評価ありがとうございました!

PV4000いきました。


これからもよろしくお願いいたします。

「おそい…… 」


ガヤの街、南門の前で私たちは待っていた。


もう予定の時刻を2時間もオーバーしている。多少の遅れはよくある事だが、何かあったのは間違いないだろう。


焦り始めた大人達は救出隊を組み、もうすぐ出発するみたいだ。



「う……うう……」



「大丈夫よ、おばさん。 ……きっと帰ってくるわ」


「ありがとう。 シャリー…… 」


ジルーのお母さんは、涙ぐんでいる。


無理もない。 最近では予定より〈大きく遅れて帰ってきた〉採取グループがいないからだ。


でも私は……


(アイツは絶対帰って来る!)


そんな漠然とした、自信があった。




「馬車だ! 帰って来たぞ! 」



遠目に馬車と、それに付き従う護衛組の人達が見えた。歓声が上がり、みんな馬車へ向かって駆けてゆく。


私はジルーのおばさんと笑顔で抱き合い、ゆっくりと迎えに行った。



(あれ? あの二人の姿が見えない……)


出発する時は歩きで行ったはずの二人は、馬車の周辺にいない。


(あ…… )


おばさんが走り出した……



(え……)


(うそ……)


おばさんは護衛隊長に詰め寄ったかと思うと、声を上げて泣き出している。


(そん……な…… )


私は足が震えてその場にへたり込み、顔を手で覆った。







「……シャリー。 帰ったぜ! 」



「……⁉ ……ばか! 」



「……なんだよ。 大変だったんだぜ! 」


「……ばか! 」



私の手は急にはぎ取られ、涙で霞んだ目にはカールの顔がよく見えなかった……。



「……⁉ 」


……でもいつも素っ気ない、カールの唇は優しくて。



嬉しかった……。




ーーーー



「守備隊長! 只今戻りました! 」


「護衛任務、ご苦労。 ……よく帰って来てくれた 」


ガヤの街の守備隊長である〈ラウル〉は、守備隊本部にある自分の部屋で部下をねぎらい、イスにすわる様に促した。


「50匹だと⁉ 」



「大体ですが…… そのくらいじゃないかと」


「それと1匹、明らかに身体の大きな……」



「ホブゴブリンか……」


ラウルは目を閉じ、今後の護衛計画の変更を決断する。〈ホブ〉ともなれば戦闘経験の浅い者達では、多数の犠牲は避けられない。



「その、ホブゴブリンをカールが…… 仕留めました……」


「……⁉」



ーーーー



……くそ!


最近、人使いが荒いぜ。やたら俺を〈採取護衛〉に指名してくる。


まあ最近はゴブ野郎の数も減ったみたいだし、臨時収入で親父も喜んでるからいいけど……


ガヤの街の守備隊長でもあるラウルは、シャリーの親父だ。やたら「才能がある」なんて誉めてくるから、俺も調子に乗ったけど……。


「カール! 仕事は済んだのか!」


「もうすぐ、終わる……です!」



全く親子で口が悪いぜ……


俺は残りの農作業を手早くすませ、ラウルに振り返った。



「……あらカワイイ 」 「まだ子供じゃないか…… 」



誰だ? この二人……。


ラウルに付き添って現れたのは、身なりの良さそうな中年男女の二人。



「カール! 挨拶しろ。 この方はミズリから来たアストレイ夫妻だ 」


あ~面倒くさ……


「……カールです 」


「よろしくカール。 歳は幾つかね? ……娘のティアと同じくらいかな?」




まったく……面倒くさいぜ。





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