3 再開
新しい仕事が見つかった燐だったが・・・。
「よし、次だっ次! ハローワークいこっ」
地元でやらかしちゃった燐は上京して、石田銀行の面接を受けたが玉砕。
その後 なんか、公園で可愛い少女にやる気を貰って燐はハロワへ向かっていたのだが。いきなりお姉さんに声をかけられた。
「すいませーん お兄さん! もしかしてお仕事探してます?」
「ん?え?お姉さん俺の心読めるの? 超探してます!」
「やっぱりー! でしたらココ!オススメですよ!」
そう言って、知らないお姉さんはチラシをくれた。
「お世話本舗 何でも屋? 怪しすぎだろ!! なになに?給料は歩合制で、最低月収200万・・・。 200万!? いやいやいや、怪しいって 笑 こんなあからさまにヤバそうな所誰が行くんだよ! 笑」
「初めまして! 高橋 燐です。 面接受けに来ました!」
俺だった。
「ようこそ、お世話本舗 何でも屋へ!」
給料に目がくらんで行っちゃったよ・・・。
しかも、あっさり合格。 やっヤッター 笑
まあいいや、取り敢えずやってみよう!
仕事内容としては、お客様から仕事の依頼が来てそれをこなすという仕事らしい。
その中には掃除、おつかい、子守りなど様々だそうだ。
依頼が来るとお店から連絡が来て出勤するらしい。
取り敢えず後日ちゃんとした説明があるらしい。
プルプル プルプル。
「お待たせしました!お世話本舗 何でも屋です! はい、少々お待ちください。 店長! お電話です!」
「おう、 もしもし? あー石田さん、お世話になっております。 今日面接に来たので、即採用しときましたよ。 あんな若い男で大丈夫ですか? え?黒鬼ってあの!? わかりました、人数もだいぶ揃ったので近いうちに決行します。 でわ。」
後日、燐は店に呼び出された。
どうやら、緊急の依頼が入ったらしいのだが、現在夜の9時半である・・・。
ブラック企業だった。
「こんばんはー 高橋 燐! はいりまぁーす! って あれ?」
燐が店に着くと、店内は夜にもかかわらず同僚らしき屈強な男どもがうごめいていた。こいつらも緊急依頼で呼び出されたのか?
暫くして、店長が現れた。
「皆さん 夜分遅くに集まってくれてありがとう。 実はメールで知らせた通り緊急で掃除の依頼が入った。 仕事開始時間は深夜0時、時間が無いので詳細は現地で主任に説明して貰う。 それと、彼は高橋 燐君だ新人だからかわいがってやるといい。 以上!直ちに出発!」
大人数で深夜の掃除か、デパートとかか? なるほどな 笑
燐と屈強オッサンズ11はバスに乗って移動を開始した。バスの後ろをもう一台トラックがついて来ている。 お掃除道具でも積んでるんだろうな。
移動時間暇すぎるので、隣のオッサンに話しかけてみることにした。
「あのー この仕事ながいんですか? やっぱ掃除って大変ですか??」
いきなり話しかけてきた燐に隣のオッサンは静かにキレた。
「新入りが、話しかけんじゃねえ 殺すぞ。」
「あっ はい。」
どうやらオッサンは大掃除に向けて精神統一していたようだ。
これは、すまないことをした。
ごめんね!オッサン!
そうこうしている内にバスが止まった。
窓の外を見てみると、森じゃん! ジャスコじゃねーじゃん! 木しかねぇーんだけど!?
燐の驚きわ完全無視で意気揚々とバスを降りるオッサンズ11
「奴ら、ジャスコを知らないのか?」
「おいっ!新入り! 早く降りて準備しろ!」
怒られたので、燐もさっさとバスを降りて機材が積んであるトラックへ向かった。
「あのー 俺初めてなんですけど、何使えばいいですか? ってこれ何ですか?」
燐はトラックに積んである掃除道具を見て驚愕した。
トラックに積んであったのはホウキでもちりとりでもなく、刀や銃など様々な武器だった。
え?掃除道具って これが? は?意味わかんね これで掃除ってもしかして、掃除ってそうゆう意味なのか?
「集まれ! 任務の説明をする。」
ヤバい、主任が集合かけている。
燐は取り敢えず近くにあった長刀を手に取り集合した。
「いいか!今回の標的は天王洲組の組長の一人娘だ!情報によると、娘は赤鬼と言う報告がある。 我々はこれより屋敷に潜入し標的を殲滅する! 屋敷には娘の護衛で数十人いるそうだが、お前たちなら問題ないだろう。 今回の依頼主は太っ腹だ!楽しみにしておけ! 屋敷はこの先だ!行くぞ!!」
最悪やん ヤバい感じはしてたけど、まさか人殺し集団だったなんてな。
しかも、赤鬼って確か吸血鬼だよな!?
ここに居るとまずい、コッソリ抜け出そう。
「おい新入り どこ行くんだ? 俺らの秘密知っちまったんだ、逃げたら殺す。」
この餓鬼が黒鬼だと?ただの腰抜けじゃねーか。
はい、主任来たー 笑
よし、現地までおとなしくついて行って 戦闘が始まったら乱戦に紛れてドロンしよう!
燐とオッサンズ11は屋敷にたどり着いた。
これから忍び込んでっ・・・。
ピカッ!!
秒でバレた。
屋敷の入り口のライトが燐達を照らした途端、中から大勢の黒服が出てきた。 情報より敵の数が多いな。
「行くぞーー!」
主任の掛け声で一斉にオッサンズ11が黒服と戦闘を開始した。
おっぱじめやがった! 今のうちに逃げよう!
そうこうしてる間にもオッサンズ11はガンガン進軍してもう屋敷の中に乗り込んでいる、ガチムチは伊達じゃなかった。
オッサンズ11の猛攻により、屋敷の外の黒服は数分で無力化された。
オッサンズ11は次の獲物のを求めて、屋敷の中へ進んでいた。
「興が乗らんな。 これじゃただの弱いもの虐めだ。」
燐は隙を見て逃げ出すつもりだったが、見てられなくなったのだ。
その時、屋敷の奥の方で数人の黒服に囲まれた少女が見えた。
燐はその少女に見覚えがあった、遠目でもわかる美しい銀髪に深紅の瞳。間違いない、あの日公園で出会った超かわいい女の子だ!
「おい、嘘だろ! じゃあ標的の娘ってまさか・・・。 クソ!!」
燐は乱戦状態の屋敷に飛び込んだ。
「お嬢!早くこの部屋に隠れてくだせぇ!」
「駄目だ! 外の皆も一緒に!」
「賢さん!お嬢を頼みますよ! ここは、俺が守るっす!」
「篤史。 すまねぇ頼んだ!」
「うすっ! 任してください!」
燐は一直線に少女の方へ走った。
ん?あの金髪チャラ男は!あの時の奴だ!もう数人のオッサンと戦ってるが、ボロボロじゃねーか。 一人で扉を守る気か!
「おい、若いの! お姫様はその奥なんだろ?そこどけよ、雑魚が!!」
「うるせぇ! ここは死んでも守るっすよ! おめぇーらなんかにお嬢は渡さねぇ!!」
「ヒッヒッヒ!! そうかよ 笑 もう、死ねや。」
オッサンのドデカい斧が金髪篤史に振り下ろされた。
ガキイィン!!
しかし、斧は篤史に届く前に止められた。
「なんで、あんたは・・・。」
ギリギリだった、オッサンの斧を止めていたのは篤史の前に滑り込んだ燐の長刀だった。 そのまま、燐は斧を弾き返した。
覚悟は決まった、敵を間違うな!
燐は敵に、オッサンズ11に刀を向けた。
「新入りぃ てめぇ 裏切るのか? いくら黒鬼でもこれだけの精鋭部隊を一人でしのぎきれるとでも?」
「やかましいわ、ブラック主任。 この女は俺の獲物だ、お前らには渡さんよ。 てめぇら全員俺が粛清してやる。」
燐は扉を開けて、篤史を中に放り込んだ。
一瞬、少女と目が合ったが今は外のオッサンズ11が先だ!
「姫さん、大将の首とられたら戦は負けだ。 お前らは黙ってそこに居ろ。」
燐は扉を閉め、敵に向き直った。
「行くぞ!おらぁ!」
暫くして、外の音がやんだ頃 空はうっすら明るくなって来ていた。
外の様子が心配になり、様子を見ようと優姫が扉を開けようとしたその時!
ガラッ!
急に開いた扉に驚いた優姫だったが、すぐにホットした。
そこには、乾いた返り血で全身真っ黒に染まった燐が立っていた。
良かった、生きててくれた。 フフッ
「また会えて嬉しいぞ、黒鬼くん さぁて私の物にしてやるぞ」
「呑気なヤツだなー 俺はアンタを殺しに来たんだぜ?赤鬼?」
「そうだったね 笑 仲間割れしたみたいだけど大丈夫か? 黒鬼くんが勝ったみたいだけど、私はまだ死にたくないぞ」
「さぁね、取り敢えず新しい職場はクビ確定だな 笑 心配ない俺は弱い者いじめは趣味じゃない」
「じゃあ!! 私の物になってくれるのか?」
「え? なんで?どうゆう意味なんだよ」
お嬢・・・。 話がかみ合っていやせんぜ・・・。
優姫の暴走に賢は我慢の限界になり、状況を聞くことにした。
「お兄さん、つまりは お兄さんはあっしらを、お嬢を殺す気はないという風に理解していいんですかい?」
「そうゆう事だ そんじゃ俺は帰るよ。早くしないと追手がかかるかもだし。 そうだ、外の連中、まだ息があるから急げば間に合うぜ。」
そう言って、燐が帰ろうとすると。
優姫が声をかけて来た。
「帰ってどうする? 仕事も無くなっちゃったんだろ? 追手もかかって、いく当ても無いんじゃないか?」
「まぁ 何とかなるやろ 笑」
「だったら、家に来ないか? 笑 取り敢えず、仕事内容は私の護衛って事で!」
い ま は な笑
「マジで!?」
こうして、なんか超展開で新しいお仕事が決まった。
不思議な少女だけど、朝焼けに染まった笑顔はやっぱり 美しかった。