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赤鬼ちゃんと黒鬼くん。  作者: 太刀花
1/4

0 プロローグ

「また会えて嬉しいぞ、黒鬼くん♡ さぁて私の物にしてやるぞ」

 「呑気なヤツだなー 俺はアンタを殺しに来たんだぜ?赤鬼?」


 

  「初めまして!高橋 (りん)と申します。 精一杯働きます!よろしくお願いします!」

 俺の名前は高橋 燐。長崎から東京に出てきて絶賛就活中の21歳、彼女募集中の一般ぴーぽーだ。今日はとある銀行の面接を受けに来た。

 

  「えーっと 高橋 燐さん、先月まで大手企業に勤めていらっしゃったようですが何故そちらをお辞めになって弊社にいらっしゃったのですか?」

 

  「そっそれはですね・・・。 色々ありまして。」

 やばいなー やっぱりそれ聞かれるよなー。適当にごまかそう!

  「実はでs」


  「聞くところによると、前のお勤め先で暴力沙汰を起こしてクビになったとお聞きしたのですが?」


 なんだよ、知ってるんなら聞くなよ。

 一人の面接官がメガネクイッしながら聞いてきた。この話題が出ると不合格になるのは経験済みだ。

  「あははー」



 


  「あーあ こりゃまた面接おちたなー」

 はぁー、前の職場クビになって何か所も面接行ったけどことごとく不合格だよ。

 確かに前の職場でやらかしてしまったけど、あれは正当防衛だった。 

 噂がそこまで広がらないだろうと思って、全てを捨てるつもりで上京してきたのになー。

  「もうやばい、心折れそう。」

 俺は面接会場から出て近くの公園のベンチで一服していた。


  「離せ! 無礼者!痛いぞ」


 突然、公園に大きな声が響いた。女の子の声と男の声だ 何かもめているのか?


  「駄目です!もう逃がしませんよ!今回ばかりは何が何でも連れていきます。」


  「さあ、行くっすよ!」


  「ん? 真昼間から誘拐か?治安悪すぎだろ。」

 なんか知らんが女の子が黒ずくめの男たちに囲まれている。

 金髪チャラチャラ系のグラサンと色黒パンチパーマのグラサンだ。なんかヤバそうだなー 迷惑事はもうごめんだけど、流石にみすごせねーよなー。 よし!

  「おい待て! その子を離しなさーい!」

 勇気を振り絞り放った一言だった。


 「なんですか?お兄さん? あっしらに何か御用ですかい?」


 ヤバいってーパンチパーマめっちゃ怖いんですけどぉー


 「ぁんだコラ! やんのかコラ!」


 金髪の方はチョロそうだ。いくぞ!必殺!

  「おっ お巡りさーん! 変なオッサン達がーー!」


  「あっ!アニキ! あいつお巡りさん呼びやがった!」


 効果は抜群だ!

  「さぁどうする?誘拐なんてやめてとっととお家に帰りなさい!」


  「誘拐?何言ってるんすか?」


 ん?あれ?誘拐じゃないのか? さっきから女の子めっちゃこっち見てるし、可愛いなあの子。


  「すいやせん、お兄さん 驚かしてしまったようですね。」


  「フフッ 確かに知らない人から見たらそう見えそうだな。 誘拐ではない問題ないぞ こやつらは私の部下だ!」


 女の子がいきなり変な事を言ってケラケラ笑っている。

 え?なに?誘拐じゃないの? うそ?じゃあ俺これ、超ハズイやつやん!ただのイタイやつやん!

  「あっすいません。勘違いでした。 でも、嫌がってるみたいだから無理やりはよくないと思うけどな」


  「しかしお兄さん、これはあっしらの問題でさぁ 口出しはよして貰えやしませんか?」


 ヤバい、パンチパーマがピキピキしてる! 俺がピキピキパンチパーマに喰われそうになっていた。その時。


  「止めんか! (けん)篤史(あつし) すまなかったなお兄さん。でも、ありがとな!助けようとしてくれて。 嬉しかったぞ!」


 嬉しかったぞ!

女の子のその一言と笑顔が これまでの嫌なことが吹き飛んでしまいそうな程 美しかった。


  「行くぞ 賢、篤史。」


 そう言って女の子は去っていった。 


  「お嬢・・・。 お兄さん勘違いさせてしまって申し訳ございやせん。 では、あっしらも失礼しやす。」


 


 なんか色々あったけど、明日からまた頑張ろうと思った俺だった。

  「東京やべーな・・・。」 








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