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才能発揮は異世界で  作者: 山崎航
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第7話 解析記憶

 


 まずは試しに適当なもので、解析記憶を発動してみるか。保存先はひとまずスキル内にしよう。これから夕食なので脳内記憶にして何かあったら大変だ。


 〝解析対象:教科書、資料、保存先:スキル内、解析開始〟


 と持っていた教科書全てと先程もらった資料を対象に指定し、心の中で唱えてみた。すると、


 〝解析開始、対象をロード、完了、スキル内に保存します〟


 と一瞬で返ってきた。分析と解析にかかる時間はコンマ数秒レベルだ。タイムラグはほとんど存在しない。


 そういえばどうやって解析結果を見るかわからないなと思い、解析記憶に問いかけてみる。


 〝解析結果はどうやって閲覧するんだ?〟


 〝ステータスを開くように解析記憶と念じながらの空間タップで表示可能です〟


 と言われたのでやってみると、ステータスとは違う画面が表示された。

 そこには、先程解析したものの名前が五十音順だろう順番で縦に並んで表示されていた。俺は教科書と書かれた欄をタップする。すると、解析した教科ごとに分かれて表示されたので、物理と書かれた欄をタップした。

 直後、物理の教科書の構成要素やら何やらと教科書の情報と内容が表示された。スクロールしてみると、教科書の内容がまんまコピーされていた。

 書物はコピーすることが可能なのか。

 凄いなこのスキル。


 そして俺はふと疑問に思った。本はコピーできたが電子辞書ではどうなるのだろう。

 気になった俺は早速電子辞書も解析する。

 解析後、電子辞書の欄をタップすると、電子辞書を開いた画面と同じものが表示された。

 なので、表示されたキーボードに適当に文字を打ち込んでみた。

 するとどうだろう。これまた完コピである。

 凄いなんて通り越して完全にチートだなこれは。


 だが、まだまだ応用が効きそうだ。

 先程解析記憶に閲覧方法を聞いて答えが返ってきたことで、俺はこのスキルはAIの様なものではないかと感じていた。また、解析記憶の詳細説明にこのスキルは様々な情報を蓄積することで進化するとあったので、こういうこともできるのではないだろうか。


 〝解析対象:スマートフォン、保存先:スキル内、解析開始〟


 〝解析開始、対象をロード、完了、スキル内に保存します〟


 〝スマートフォンの検索画面と解析記憶をリンクし、スキル内に保存した情報をスマートフォンの検索により調べられるようにすることは可能か?〟


 〝可能です。実行しますか?〟


 〝あぁ、実行しろ。それと解析記憶を表示する時、メイン画面に表示するのはスマートフォンのホーム画面にし、操作できるようにすることも可能か?〟


 〝可能です。しかしその場合、現在のスキルの性能を越えるため、使用時本来より少し多く魔力を消費することになりますが、実行しますか?〟


 〝かまわない、実行だ〟


 上手くいった。これでスマホのように使えればっと、時計、アラーム、電卓、メモなどネットに繋がないものは問題なくこの画面上で使えるようだ。カメラもこの画面を動かして使うことができる。

 検索画面は電子辞書を元にしても良かったが、スマホを操作する方が慣れているので、こちらを元にした。また、魔力を少し多く消費するということだったが、基本的にこういった自分自身に作用するスキルはそもそもの消費魔力が少なく、このスキルに関しては限りなくゼロに近い。そのゼロに近い消費魔力が多少増えたところで実害はないだろう。


 そんなこんな検証しているうちに40分ほど経過していたので、俺は早めに食堂に移動することにした。


 メイドに案内されながら食堂まで来たが、この城は想像以上に広かった。なんのガイドもなければすぐに迷ってしまいそうだが、解析記憶を保存先をスキル内に指定して発動中なので、1人でも部屋までは戻れる。一度城全体を見渡すことが出来れば、全体構造を把握できるのだが。


 食堂には生徒の人数分の席が用意されており、既に人がちらほら座っていた。

 その中に翔太と正悟の姿があり、2人並んで座っていたので、俺は正悟の隣の席に座った。

 座る直前俺に気づき、2人ともこっちを見て「おうっ」と声をかけてきたが、それ以降は何も言わなかった。正悟は色々と警戒しているのだろう。翔太は場の雰囲気に緊張しているのだろうか。2人ともステータスを見ているのか、今は空中をタップしている。


 取り敢えず俺はこの2人には自分が思っている本当のことを解析記憶を使い伝えておくことにしよう。多少のリスクを負ってでも意思疎通はしておくべきだと思ったからだ。

 解析記憶の画面表示はステータスの詳細を確認するのと同じく、あくまでステータス画面の延長であるため、他人からは見れないはすだ。

 他人のステータス画面は相手に見せる意思がない限り見れないというのを完全に信用したわけではないが。


 俺は解析記憶の中からメモを開き、解析記憶に命令しながら伝える内容を書き込んでいく。

 画面でキーボードを操作して書き込んでもよかったが、ただタップしスクロールするのとは手つきが明らかに違うため、怪しまれないように意識だけで書くことにした。


 〝今俺はスキルで翔太と正悟だけに画面をメモのようにして表示してる。やり方については今は触れないでくれ。俺たちは監視されてるかもしれないから反応せず見てほしい。

 今はまだこの世界の情報が少ない。正悟はわかっていると思うが、女王も信用できるかわからない。だから女王に目をつけられたりしないように出来るだけ目立たないように行動して欲しい。

 3人で今後の方針について話すのは、ある程度自分たちの能力を把握して、会話を聞かれるリスクを減らしてからにしよう。勝手に決めて悪いけど、今は従ってほしいり

 あとこれから出される食べ物なんだけど、俺が確認して合図するまでは食べないでほしい。by雨宮〟


 こうメモに書き、一度読み直し確認して、2人のも見えるように意識した。

 すると、一瞬ビクッとなっていたが、読み終えるとこちらを見て軽く頷いたので、こちらも頷きで答えた。


 そんなやり取りをしているうちに5分程が過ぎ、続々と生徒が食堂に入ってきた。


 人が増えるにつれ、近くの席の人同士でおしゃべりしたりする人も増えた。

 部屋凄かったね、ステータスどうだった?、夕飯なんだろうねなどまちまちだ。どうやらみんな順応してきたらしい。


 全員が揃ったのは集合時間の5分前だったが、揃うと同時に夕食が運ばれてきた。


 配膳された夕食はステーキ、パン、サラダにスープ、それ以外はよくわからず、何という食材なのかも分からなかった。

 ということですかさず解析記憶を発動した。

 流石に1個1個確認するのは面倒くさいので、何か人体に有害な物質が入っているかだけスキルに尋ねた。答えは〝入っていない〟だった。

 俺はすぐにメモを起動して食べても大丈夫だということを書き、翔太と正悟に見せた。


 ちなみに何故俺がこの2人にしか教えないのかというと、単純に信用の問題だ。このクラスの中で確実に信用がおける人物はこの2人しかいない。全員に伝えてもリスクが上がるだけだし、面倒を見きれない。


 オッケーサインを見た2人は食べ始めた。

 俺も一歩遅れて食べ始める。

 料理はどれも美味しかったが、何か物足りない感じがした。気になりはしたが、取り敢えず全部食べることにしよう。


 夕食を食べ終えた俺たちは部屋に戻った。

 まだ9時過ぎだったが、今日はもうやることもないので、お風呂に入って早めに寝よう。

 俺は入浴を終えすぐベットにダイブしうつ伏せになった。ちなみに今は部屋に用意されていた服を着ている。明日は7時から朝食らしいので、6時半にスマホのアラームをセットする。

 学校に着いてすぐ転移され、転移されたら夕方で起きてから6時間程度しか経っていないが、色々とに疲れていたのか俺はすぐに眠りについた。



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