第4話 勇者と称号
「本当ですか!?」
レイロアはテーブルから身を乗り出し、目を輝かせながら木村を見つめる。
「いや、失礼、少々取り乱してしまいました。まさか伝説に伝わる真の勇者様がいようとは。セバスティアン説明を」
「はっ!実は先ほどの皆様に申し上げた準勇者が最強というのは真の勇者様がお伽話や古代の資料などの中で伝説の存在として語られていたからでありました。過去に真の勇者様の存在は数件確認されておりますが、未だに謎に満ちております。前回確認されたのも1000年ほど前という記録しか残っておりません。その力は準勇者の比ではなく、都市を一撃で壊滅させられるほどとされています。〜〜〜〜」
セバスティアンの話によると、
準勇者→正規勇者
勇者→大勇者
とういようにクラスアップするらしい。
正規勇者と勇者を比べても勇者の方が強く、正規勇者が束でかかっても大勇者には及ばないようだ。
勇者チート過ぎね?
セバスティアンの説明が一区切りつくと、レイロアは木村にステータスを見せて欲しいと頼んでいた。
木村は爽やかスマイルでいいですよと答え、得意顔でみんなも見ると言い空中をタップする。
こいつ頭良かったはずだよな?
普通こういうのって隠しておくものじゃないのか?と疑問に思いながらも何かの参考になるかもしれないので一応目を通しておく。
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木村隼也
年齢:17歳
種族:人間
性別:男
個体レベル:1
〈称号〉勇者
〈適性〉魔術、剣術、槍術、弓術、付与
〈属性〉火、水、風、土、聖、闇
HP:258/258
MP:311/311
物攻:186
物防:180
敏捷:178
魔攻:192
魔防:173
〈スキル〉
〈固有スキル〉
言語理解1、鑑定、聖天撃Lv1
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全属性対応してる上に光の上位の聖まで持ってるとか……
しかも俺と被ってるし!
HPやらMPやらは基礎スペックが違うな。
ん?敏捷は俺の方が上か。
なんでだろう?
そんなことを考えていると、木村は称号勇者の部分をタップする。
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〈称号〉勇者
効果:全ステータス 2.5倍、成長率 1.5倍、
身体能力向上
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ちなみに、ステータス内の称号やスキルなどはタップする事で詳細が表示されるのだ。
そしてそれを他人が見ていた場合は同期され、他の人も同じ画面を見ることになる。
また、他人のステータス画面を操作することはできない。
なんか凄そうだな。と感じつつ、自分の称号も確認する。
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〈称号〉魔導師
効果:全ステータス 2倍、
魔力操作向上、【特殊技能】魔素変換
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ん?なんか俺のも凄そうじゃない?
資料には準勇者って全ステータス1.5倍と身体能力向上って書いてあったよな?
準勇者ステータス倍率たかいんだけど。
っていうか魔導師って資料にはなかったけどなんなんだよ。
まぁ取り敢えずそれは置いておいて、質問の返答はもらったし、クラスで話し合いをしなければ。木村を絶賛中のレイロアに話しかけるは躊躇われたが、話さなければ進まない。
でも、やっぱり面倒くさいので、落ち着いてからにしよう。