番外編 フィアー・エレガドリー〜支配された女騎士〜
話はノスガ自治区までさかのぼる。
ひとりの女騎士の戦いだった。
フィアーはクライシスを見て驚きを隠せなかった。
「か、可愛いな。。」
幼女のような振る舞い
純粋無垢
いくらノスガ自治区の長が認めた強力な魔法使いであっても
まだあどけなさの残る少女という印象だ。
それが今隣で寝ているのだ。
いくら向こう側の人間より大気に慣れていようが自分が心をかき乱されるのがわかる。
「クライシス、起きて?」
ソラが目をさまさないように気を付けてそっと囁き身体をゆする
瞬きをしたので手を握ると握り返してくれた
「どうしました?エレガドリーさん」
「いや、その、今日は助かったな
改めて礼を言う」
「あ!エレガドリーさんと手繋いでる!」
「いや、これは寝ぼけてしまって!」
とっさに手を離すとクライシスはいたずらっぽく笑う
「クライシス手繋ぎたいですよー?くすり、、、」
クライシスが手を握ってくれた。
しかしエレガドリーの親指が上だった
「こ、この繋ぎかた、嫌だ。」
「あ、恋人繋ぎがしたいんですか?くすり、、、」
「い、いや!そうではなくてだな!」
顔を赤らめるエレガドリー
大気のせいか動悸が激しくなる。
こんな可愛い少女とキスがしたい。
クライシスはエレガドリーに口を近付ける。
エレガドリーがハッと息を飲むのがわかった。
エレガドリーはもうクライシスの息と自分の吐息が混ざっている事に動揺を隠しきれていない自分が恥ずかしさでおかしくなりそうだった。
「エレガドリーさん、今自分がどんな顔をしているかわかりますか?」
頬を赤らめた自分しか想像できない。
クライシスはそっと口を更に近付ける
エレガドリーはキスをしようとしたがその瞬間クライシスは顔から離れた。
恥ずかしい。
口が近いとは言えキスをするとは誰も言ってないのだ。
それに少女である。
ただその大きな目で顔を覗きこんだだけかもしれない。
しかしまたもクライシスはいたずらっぽく笑った。
「どうしたんですか?口を近付けて何をしようとしたんですか?くすり、、、」
「いや、その、昔の傷がうずいてな」
「キスしたかったんじゃないんですね。」
エレガドリーはドキリとして後悔した。
会話が止まりこれ以上進まないであろうことに。
意を決してクライシスの顔へ顔を近付ける。
クライシスは真顔だった。
「この距離じゃ、口がくっついてしまいますねくすり、、、」
「つ、つまりそういうことだ、、」
「じゃあ、してほしいんですね?くすり、、」
クライシスの口がエレガドリーの唇に近付く。
そして、ほっぺたにキスをされた。
もう一度離れた唇が近づき、あごにキスされる。
近付いては離れ近付いては離れ
沢山キスをされるが唇にはしてもらえない。
恥ずかしさのあまりエレガドリーはもうやめてくれと言った。
クライシスは顔を赤らめ息の荒いエレガドリーを確認すると笑い上唇を舐めあげた。
ついに望んでいた場所へキスをされたエレガドリーは小さなクライシスの頭へ手を伸ばすと更に小さなクライシスの唇を吸う
甘い吐息が混ざり合い互いの息で息をしあう
唾液が糸をひきながら顔を離すとクライシスが言った
「北部は粒子無いのに過激ですね。」
「もう顔見ないでぇ!」
あどけない少女に翻弄された女騎士団長は顔を背けると自分のベッドで全てを忘れたい一心で眠りにつくのであった
「くすり、、、、」