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シンビアン百合戦争  作者: 旬華
7/11

シンビジウムの花たちのサプライズ

クライシスはカメラをかざして城内をしらみつぶしにまわった

しかし写るのは普通の壁ばかり

あとは宝物庫くらいだ

フィネロードの部屋へ行く


「フィネロードさま、探しましたがこの城にはやはり王蘭は見当たりません、、宝物庫だけは開かないので調べていませんが」


「クライシスさん宝物庫には代々受け継がれたファベルジェの卵がありますが・・・」


「ファベルジェの卵とはなんですか?」


「ファベルジェの卵は時計が出てきたりガラスでできていたりする特別な美術品です」


「気になります!探したいです!」


「だいぶ時間は経っていますが試してみる価値はあるかもしれませんね衛兵クライシスさんに宝物庫を開けて差し上げてください」


クライシスは扉の開いた宝物庫を見て驚く、様々な装飾をされた卵が軽く千個はあるのだ


「これ、ひとつひとつをカメラで写すのは時間がかかる。。でも、やってみよう!」


クライシスは並ぶ卵を順番にカメラで撮影し始めた



こちら側の世界へ戻るとソラはタブレットを充電して寝た

通知音で目覚めると懐かしい名前があった〔お嬢様K〕

スムーズデバイスを教えてくれた張本人だ

もしかしたらこの子が王蘭を持つ存在かもしれない

久しぶりの連絡にもお嬢様Kからはすぐに返事がきた


「久しぶり!お嬢様!!なたも向こう側の世界へ行ったことがある?」


「向こう側の世界?なんのことですの?」


「もしもスムーズデバイスを使っているなら、これだけでわかるはずなんですが。」


「ああ、あれは使い方がいまいちわからないんですのこの国ではややこしいのですわ」


「そう言えばお嬢様ってどこに住んでるの?」


「イタリアですわ」


「そう・・・イタリア!?」


なんとなく返事が遅い理由と価値観が合わない理由がわかった気がした


「とにかく何かあなたにゆかりがあるものか神聖なものに王蘭というツルツルした玉を探してみてほしいの!昔から変わらずにあるものの中にある可能性が高いわ!見つかったら連絡すぐにください!」


チャットに既読がつくと返事は来なくなった。きっとお嬢様は探してくれるはずそう考えながらソラはまた眠りにおちていった



王蘭を探してみて

遥か彼方日本からのメッセージにお嬢様Kは一人笑みをこぼした

スムーズデバイスについて先に知っていたお嬢様Kはあえて世界へアクセスせず王蘭を探していたのだ

昔から変わらずツルツルした玉その情報こそお嬢様Kが探していたヒントだった

お嬢様Kには思いあたるふしがひとつだけあった、凱旋門。一番目に付き変わらずにあるもの

すぐにお嬢様Kは動き出した、日本かぶれのイタリア人としてロリータ服で過ごしてきたのだ、幸いにして金髪碧眼なので様にはなっている


一時間車を飛ばすとそこに凱旋門はあった意外に小さいと言われるその凱旋門はフランスのものとそう豪華さは劣らない

モバイルバッテリーを差し込むとそれらしきものを探す

彫り込まれた彫像にそれはあったが手が届かない

しかしお嬢様Kは知っていたモバイルバッテリーを装着したスムーズデバイスには自然に王蘭を引き寄せる力がある

スムーズデバイスを接続し登録を始める


名前

キズナ・气更氣キサラギ


年齢

17


性別

女性


登録完了


チャットへ返信を送る


「私が来たからにはもう安心ですわ、じゃ、向こう側の世界で」


キズナは打ち終わると光に包まれた


「こ、ここはなんですの!」


改め調べていた世界もいざ来てみると実感する。想像と違う事に

手にした王蘭はモバイルバッテリーに変わっていた、しかし既に手に持つ槍には尖端がないし肩に現れた黒い盾も槍も黒になっては透明になるのを繰り返す。ただそびえたつ城壁がかの自由の国フォルエナ城であることは明白だった



お嬢様Kからの返信はソラがぐっすり眠っている間にきていた

返事がきてからそれほど時間は経っていない

鏡を見るとここ最近見ていなかった本来の自分だった

髪の色も平凡でポニーテール、目はあまりにも印象が違いすぎて不思議な気持ちになる


時を同じくしてソラもまた光に包まれた



クライシスは998個目、最後のファベルジェの卵をカメラにおさめた

すると内部に球体のものが存在することがわかった

おもいっきりファベルジェの卵を床に叩きつけると王蘭が中身から出てきた

フィネロードに宝物を破壊してしまったのを詫びなければいけない気持ちとこの発見に昔の自分を思いだし一人誰にも悟られないように宝物庫の奥で涙を流した

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