ステルスレズビアン
先祖とドラゴンの時代から500年後→現代
フィアー達の世界はドラゴンの魔法により世界線のずれたドラゴンから500年後の現代
「お前が来た世界なら完全な変身ができる王蘭が手にはいるはずだ。
見た目はボール状の鉄の塊で蘭の模様があしらわれてツルツルとしている
簡単に見つかるとは思えないが
さいわいにもここ最近は敵に動きがない。
しかし西のイリアたちやヴァトキア国軍はいつやってくるかわからない」
「イリア?ヴァトキア国軍とはどんな人たちなんですか?」
「王蘭と対になる鵺蘭の最強の使い手イリア・イロードを筆頭に
鵺蘭を装備した人間と
生き返った人間からなる軍団だ
我々は僅かな戦力でなんとかラインストーン国軍と強力しながら戦っている」
我が国の兵士はほとんど残っておらずラインストーン軍を実質私が指揮している。
あまり時間はない
向こう側の世界の力をこちらに持って帰られれば強力な戦力になる」
「戻ってどこを探ばいいですか?」
「そうだな。。お前にゆかりがあるもの、家族或いは先祖
何か先祖から受け継いでるものはないか?」
言えない。。先祖代々男が早く死ぬくらいしか受け継いでないなんて。。
「とりあえずしばらくは敵も来ないだろう演習の余裕があるくらいだ
早く行くんだ!」
「は、はい!わかりました!」
「。。。」
「元の世界にはどうやって戻ればいいんですか?」
肩を揺さぶりながら騎士団長が慌てる。
「そ、そうだったな!
何か理由があるはずだ」
「デヴァイスシールドにどれくらい力があるか試してみよう
私と手合わせをしろ」
「盾だけでですか!?」
「ただ私の攻撃を防げば良いだけだ」
「無理ですよ!私戦った事なんてないし」
「大丈夫だ悪いようにはしない」
騎士団長が全く信用できない・・・
さっきまで鎖で繋がれた女を意味なく拷問していたのだ。
「まあここの案内もかねて色々見ながらホールへ向かおう」
そういうと騎士団長は扉を開け階段を登り始めた。
後ろに私が続く。
赤い絨毯がひかれた大きな階段だ。
外に目をやると城壁の上で大砲が並んでいる。
その横にはゲームでよく出てくるマントを羽織った魔法使いのような人たちがならんでいる。
そこで私はあることに気付いた。
「みんな女の子だ。。。」
髪色やスタイルは違えどみんな女性なのだ。
「あのすみません
何故皆さん女性なんですか?
男性は戦わないのですか?」
「我々の世界の男は短命だ。
先の大戦でドラゴンが古の魔法を使ったからな
ドラゴンは七日間炎を吐き続けお陰で空は曇り女同士が交ざり合う媚薬のようなものが大気中にとどまり続けている。
向こう側の世界の者は身体の傷はすぐに癒えるがその分この大気に影響を受けやすい
結果男は短命の宿命を背負い女は大気の粒子を吸い女同士交わる事でエネルギーを得ている」
だからか、身体が変な反応をするのは
私は一人火照る頬を感じた。
私が最初にこの世界に来てあの庭で目を開けると見えたのは分厚い淀んだ雲
そびえたつ城壁と雷だった。
城壁や兵士の女性
騎士団長の鎧を見ながら階段を登っていく。
「さあここだ、まずは防具だな」
三階へ着くとひらけた部屋についた。
剣や鎧が置かれている
さすがみ大砲はないものの練習するための部屋だとわかった。
「お前は身体が小さいから訓練生の鎧が合うだろう
胸当てに右手にガントレットこれで大丈夫だな」
「え!?それだけ!?
あの、もっと鎖だらけの中に着るやつみたいなのとかつけないでいいんですか?」
「私の鞭は正確かつ手数も多い
最低限の装備でなければ素早く攻撃を防ぐのは難しい
それくらいの装備で大丈夫だ」
なんか上手く言いくるめられたような。。。
「よしいくぞ!」
薔薇のような蕀の鞭が容赦なく襲ってくる
デヴァイスシールドが軽いからなんとか防げてはいるけどやっぱり戦い慣れしているみたいだ。
なんどか防いでるうちにお腹が温かくなってきた。
傷は治っても背中の痛みが疼く。
エレガドリー騎士団長の容赦ない連撃とその場の緊張感が自然と鼓動を早くした。
「ま、まって、腰抜ける。。。はあはあ
やめて、、、」
腰が抜けて私はへたり込んでしまった。
妙に高揚して鞭の連撃に同調するように胸がドキドキする
たぶん媚薬の粒子のせいだ。
「そんなものでは敵に勝てないぞ!」
騎士団長が紅い唇を舐める。
「だめです私、、」
ガクッ
私は立ち上がろうとしたがうまく力が入らない。
「少々やり過ぎたか
媚薬の効果も効きすぎているようだな
私たちとはここまで違うとは。」
私はもう頭が狂いそうだった
キスをして欲しい。。。
腰が震えているのがわかる
恥ずかしさよりも先に口に出てしまった。
「あの、キスして、、」
「貴様そんな事をよくこの国の騎士団長に言えるな
言い方ってものがあるんじゃないのか?」
「お願いします、、キスしてください、、」
「聞こえないな声が小さくて」
「お願いします!キス、、してください、、」
「エレガドリー騎士団長様が抜けているぞ」
「え、エレガドリー騎士団長様お願いします、、キスをしてください、、、」
ニヤリと笑いながら騎士団長が近付いてきた。
私は鎧を着たエレガドリー騎士団長様に腰を支えられながら立ち上がり顔を近付けられた。
胸の高鳴りが止まらない。
「私の名前を呼べそして願いを言え」
「フィアーさまキスをしてください」
「よくできた」
そう言うとニヤリと笑いながらフィアーは私の両唇を舌で舐めあげるとくわえ吸いだした。
胸の高鳴りが絶頂を迎える
僅かな優しさと甘い空間
その瞬間デヴァイスシールドが輝きだした。
「これって、、あの時の、、」
「さあ行ってこい必ず見つけて帰ってこい」
何かを知っていたような顔で見つめられながら私はもといた世界へ戻った。
現実で目覚めた私は何よりもまず下着を着替えた。
「ついでにお風呂に入りたい」
タブレットの充電時間を考えるとたっぷり時間はある
ご飯を食べて久しぶりにおばあちゃんに電話をすることにした。
「おばあちゃん久しぶり!元気だった?」
「そら!久しぶりね電話嬉しいわ
お勉強のほうはどうですか?」
少し雑談をしてから私は本題に切り替えた。
「ねぇおばあちゃん私の家系ってご先祖様って有名?」
「うちはお侍の家系だったのよ
なんでも昔妖怪を退治したって有り難がられてここいら一帯の土地はみんなうちの土地だったらしいの」
「その話詳しく聞きたい!」
「妖怪を退治してまわりの人は有り難がって土地や作物をくれたそうなの
でもその後で呪いがかけられていた事がわかって時和家は男が先に死ぬという宿命を背負う事になったの。
近くの、ほらよくお散歩した林の近くに神社があったろう
あそこにはご先祖様がまつられているから今度お参りにでも行きなさい
きっと喜ぶわよ」
ありがとうと言って私は電話を切った。
ご飯を食べ終えるとタブレットを持ってすぐに私は神社に向かった。
家から自転車で十分走ると林がある。
そこを抜けるとお地蔵様が並んでいて
狛犬が二体構えている少し立派な神社だ。
「ここを探すかしかないか」
来てみたものの全く見当がつかない
王蘭、丸い硬貨、狛犬はたまをくわえているけどまさかとれるわけでもない。
ご先祖様のお墓
墓荒らしをするわけにもいかないし
今度は私はお賽銭箱の前に来た。
「この中に、無いわよね。。」
とりあえず小銭をいれてカランカランと鈴をならし私は祈った。
あれ?鈴で昔からあってもおかしくなくて中身がわからないとしたら?
私はおもいっきり麻縄を引っ張った。
がしゃんという音がして鈴が落ちてきた。
神様とご先祖様に謝りつつ中を見ると蒼い玉のようなものが見えた。
「たぶんこれだ!」
よく見ると鈴は裏側が陰陽の形になっていて
そこを紅い紐で固定されているだけで切れば二つに割れるようになっている。
私はメイクポーチからハサミを取り出すと紐を切った。
鈴はいとも簡単に二つの破片になった。
中から王蘭を取り出すと
そっとお賽銭箱の後ろに鐘と綱を隠し
後ろ髪をひかれながら私は神社をあとにした。
目を覚ますとエレガドリー騎士団長の部屋に向かった。
手合わせの前に横切った部屋がそうだと案内されていた。
エレガドリー騎士団長がよくやったなと笑う。
「はい!王蘭手にいれました!」
私は右手を差し出す。
「あれ?モバイルバッテリー付きのタブレットケース、、?
来る前は確かに王蘭だったのに」
「いやそれで良いんだ、向こう側の世界から来た電子機器はこちら側で姿を変える
よし、デヴァイスシールドにそれをつけてみろ」
私は言われるがまま慣れない手つきでモバイルバッテリーを挿入した。
すると左手のデヴァイスシールドが輝きだし大きくなった。
そして左肩に花柄のレースのマントが現れる
と同時に右腕に二つ折りの持ち手が華の形をしたクナイが挟まった蒼い刀に蒼いレースのガントレット
蒼い花柄のレースのマントが右肩から垂れ下がる。
「成る程ソートソードか
モバイルバッテリーを媒介に魔法を使う者もいるが
お前は武器を具現化するタイプのようだからそのままバッテリーが耐久力に変わる
しかし珍しい、伝説の武器を二つ装備するとは。
よし、これでお前は重要な戦力になれるだろう
明日から稽古を始める
お前には部屋を用意した」
「でも、一日なんて長い時間ここにいられませんよ!?」
「王蘭のバッテリーがあれば長くこちら側の世界にいることができる
伝説の武器に深刻なダメージがない限りはな」
私は用意された部屋に着いた。
装飾品の豪華さにびっくりする
王女様みたい。
近くにあったドレッサーに座って鏡をみた。
右目は蒼く左目は白
私のツインテールの髪は片方が真っ白で片方は蒼い
でもツートーンではない
白い髪に何本かの白と蒼いラインが入ってる
まるで自分だとは思えない
布は背中で陰陽のマークで繋がれマントのようになっていた。
刀を置き
私はベッドに横たわった。
今日は長い一日だった。
明日から稽古だ。
そんな事を考えていると甘い匂いのするなかで私は眠りにおちていった。
起きるとメイドさんが食事を運んできてくれた
スープにチーズとパン
ゴブレットに入った水。
サラダを食べ終わるとエレガドリー騎士団長に呼ばれた。
「ソラよく眠れたか?
早速だが稽古だ」
最初にエレガドリー騎士団長と手合わせをした部屋へ向かう。
「その大きさのデヴァイスシールドとソートソードの両腕の鎧ならたいして鎧は必要ないだろう
胸鎧だけで充分だ。
ソートソードは二枚の刃にクナイが挟まっている
近距離ならつばぜり合い
中距離ならソートソードを振る事でクナイを発射できる
あまり距離を気にせず戦えるだろう」
「ではいくぞ」
片手剣と蕀の鞭を持ったエレガドリー騎士団長が構える。
私はデヴァイスシールドを身体の前で構えた。
エレガドリー騎士団長の鞭の連撃もこの間とはまるで大きさの違うデヴァイスシールドでなんなく封じる事ができた
ソートソードは少し重いけど使えない重さではない
エレガドリー騎士団長は騎士団長となったのが私でもわかるくらいに身のこなしが軽かった
この長さの剣を片手剣でいとも簡単に防いでいる。
「よし扱いはまずまずだ。
それに加えそちらは殆ど武器の重さに制約されない
私がいくら力をいれた攻撃も簡単に防ぐとは伝説の通りだ」
「クナイを発射してみろ
距離をとって力を込めて振るんだ。
横向きに振れば複数の敵へ同時攻撃ができる
縦に振れば大きな敵にも効果的だ」
「大丈夫ですか!?当たったら危ないですよ?」
「大丈夫だこちらにも盾はある
実戦慣れはお前よりしている私を敵と思え!」
夕方まで稽古は続いた。
どうやらこれだけ動いてもバッテリーは殆ど残っているみたいだ。
クナイは尽きるとすぐに光を放ちまた刀の間に装填される
力の入れ方を変えるとクナイは消え刀になり近接攻撃ができる
なんとかコツを掴めてきた。
疲労はキスで和らぐがお腹の疼きは心臓の鼓動を早めた。
大人の匂いを求めたソラがたどり着いたのは女性しかいないレズビアンの世界だった。
ソートソード
ソラの右側の目と髪を蒼くさせ右肩に蒼いマントを垂れさがらせる蒼い刀
近距離では普通の日本刀だが強く振ることにより刀身が伸び二枚の刃になり間にクナイが装填される
バッテリーを使う事でクナイが装填されるが二つのモバイルバッテリーを持つソラには現実に戻ってしまう危険性はない。
デヴァイスシールド
空の左片方の目と髪、腕の鎧を白くさせ左肩に白いマントを垂れさがらせる重さが殆どないフィアーたちの世界の攻撃に簡単に耐えられる巨大なタブレット
具現化した王蘭により完全な実体となり巨大な三角形の盾へと変化した
ヴァトキア国
南の果てで強力な兵力により繁栄している鵺蘭の国
粒子の対流は火山の熱によりすさまじい量が溢れている
その結果戦士はフォルエナよりも遥かに強い