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二銃士の交戦記  作者: 天竺霽
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第3話 穏やかな日

ルガ王国 城内最上階 明け方


「…あの少女が火炙りの中逃げ出しただと?」


「はい。間違いはありません。ですが逃げ出したのなら協力者がいるはずです。」


「そうだなぁ…協力者、か。」


見るからに威厳がある男の人_ルガ王国の現国王のハルゼムスである。

彼は主に国の政治に関わったり、騎士団の統制、国民の安全を守る役目など仕事が多い。

度々起こる国際問題などにも手助けをし平和へ導く理想の国王である。

そのような状況の中でも勤勉に努めてきた。

しかし、数年前に何者かによってハルゼムスが()()()()

この事に気付く者はいたものの、彼らはなぜか謎の死を遂げている。

王国はその事を必死に隠蔽している。

何のためか誰のためか、ハルゼムスしか知らない。


「一刻も早く犯罪者と協力者を探し出せ。情報も隅から隅まで調べろ。間違えた情報を掴むんじゃないよ。」


「はっ。」


ハルゼムスからの指示を聞くとその場から去りどこかへ向かっていった。


「ふぅ…。」


ハルゼムスは溜息をつくと空を見上げた。

朝日が山の上からこちらを覗くように輝いている。

__このままジッと朝日を見れたらいいのう。

そんな事をぼんやりと考えていた。


「…ハルゼムス。」


「ん?…何だパルカルトか。」


近くの柱の影から抜け出すように現れた一人の女性。

彼女はルガ王国の王妃である。

紺色を基調としたドレスに小さめの帽子を着飾っている。

何十年も前は一目見ただけで惚れる顔だが、今もその面影は残っており心を射抜かれる者も少なくない。


「最近はどうだ?パールの力を使いこなせているか?」


「ええ。今まで以上に使いこなすことが出来ていますよ。ただ有限なので使用には気をつけますよ。」


「そうかい。励んでいるならそれで良い。」


『パール』__日本では魔法と言える存在の力である。

ルガ王国の大半の人が生まれた瞬間から使える。

使えない人は自ら習得しにパールを使いこなす人に力を分け与えてもらう。

もしくは国が年に一度開催する『闘技会』という格闘技の祭りに参加し見事優勝を飾るとパールが貰えるのでそれを目指す。

多くの人は分け与えてもらっているが、闘技会に優勝すると人に貰うより三倍以上の力を得ることが出来る。

しかし、パールの力は有限であり、使い終わってしまうと今後二度と使えなくなる。

なので、パールの量を増やす、使い過ぎないように回数を決める、一時的にパールを貯めれる力を習得するなどの対策をとる必要がある。

そんな中、パルカルトはルガ王国でトップスリーに入るくらいの偉大なパールの使い手であり、あらゆる面で彼女の力は役立っている。


「パルカルトとこうしてのんびり話をするのも久しぶりぶりだからのう…ちょいと技を見せてくれんかね?」


「ええ。分かったわ。では最近習得した技をお見せしますね。」


パルカルトはハルゼムスから少し離れて安全を確認した。

技といっても攻撃ではない。

観賞用の技のため遠くから見ると綺麗かどうかハルゼムスに確認してもらうのだ。


閃光結晶(ライトクリスタル)!」


パルカルトが呪文を唱えると、空に向かって一筋の光が突き抜けていった。

光の先端が見えなくなったところで宝石のような形を形成し大きくなっていった。

大きくなって限界を超えるとパァンと音を出して弾けた。

するとキラキラと光りながら地に降り注いできた。

まるで光を持つ雪のように。

王都付近は幻想的な世界に包まれ見た者は皆、心を奪われていた。


「…凄いのうパルカルト。このような事が出来るとは。」


「まだまだよ。これでやっとの段階なので。」


パルカルトは降り注ぐ数多の光を見ていた。

透明度がとても高く自分が映っているのが一瞬見えた。

__私がパールを使う理由は一つ。


__ハルゼムスを操っている人物を成敗するまでよ。覚悟していなさい。


__時間をかけてしっかり、確実に息の根を止めてあげるわ。


穏やかな顔をしているものの、彼女の内心はハルゼムスを操る者に膨大なる殺意を向けていた。



光が降り注ぐ景色を堪能している者は数多くいた。

そのうちの一人、ルナ・テイルもそうだ。


「空が……綺麗。」


シュラセットの家の二階を借りて今は暮らしている。

一人の指名手配犯としてではなくルナ・テイルとして生活を送っている。


「今日の日記のネタになりそう。」


彼女は手を伸ばし机の上に置いてある一冊の本を引き寄せた。

そこにはシュラセットの家に来てからの日記が毎日綴られており、几帳面に時刻や天気、その日の出来事など事細かく書かれていた。

今日の分は半分書いているがネタが無くなったためちょうど探していたところである。


『空から沢山の光のようなものが降ってきた。初めて見たなぁ。これも何かの自然現象でしょうか。とても幻想的だった。何処かの国ではけーたいというものがあるらしいがそれで景色の一部を切り抜く事が出来るらしい。是非ともそれで景色を切り抜きたい。』


日記にそう記した。


「んぅ…眠い……寝よう。」


昨日から夜更かしをしていたため眠くなってしまった。

仮眠についたところをシュラセットは目撃していた。


「…寝たな。用事があるものの今は起こせそうにねえな。」


また後でいいやと考えその場から去った。

__あくまで俺は国王が操り人形になっている状態から抜け出せさるようにするだけだからな。


人操師(じんそうし)…生き残りが居たか。潰しておくべきだったな。」












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