第三話 いざクライティアへ
神である私は、彼にはクライティアへ向かう前に大事な事を簡潔に伝えている最中であった。
「――と言うわけだがいいかい?」
「はい! 分かりました」
彼は勢いよく頷き、目を輝かせているので私はこの男が本当に話を聞いていたか不安だと思いつつも、転生準備を始める。
小さなステッキを異空間から取り出し、目の前の空間に扉絵を描く。 そして、描いた絵に軽く力を流し込む事で実体へと変化させクライティアへの扉を作成する。 それを両手で押し開き、彼を手招きをする。
「さぁ、ここを通るとクライティアだ」
「行ってきまーす」
彼は手をこちらに向けて振りながら、元気にクライティアへと転生していったが、私は思った。
(やはり、彼が本当に話を聞いていたか不安だ)
~~クライティアへ続く道~~
俺は長きにわたる道を歩き続ける。 一体どこまで歩けば辿り着けるのであろう。 もはや、かれこれ体内時計で1時間以上はあるいている気がする。
最初は周囲は幾銭もの星が流れ、幻想的な霧の道に興奮すら覚えたが同じ景色が続くので既に見飽きてしまっていた。
なので、俺はクライティアに着いた後の美味しい人生を想像しては楽しみながら歩く事にした。
(むふふ、チートでハーレム、チートでハーレム、チーレムチーレム。 美味しい物食べて、豪華な家を買ってって……あれっ? どんな世界なのかそういえば聞いてない、原始時代とか小町美人の価値観世界とかかもと思うと急に萎えて来たわぁ)
そう考えていると、道の最終地点に白く光り輝く扉があるのが見えた。 あそこが最終地点だと全力ダッシュする。
――1時間後
「ゼーハーゼーハー、遠近感がなさすぎて想像以上に遠かった。 しかも、まだ最強ステータスは付与されてないのね」
とはいえ、ようやくクライティアの世界への扉に辿り着いた俺は一度大きく深呼吸をし扉から出る光に向かって飛び込んだ。