第十三話 エリクシール必勝法
港町を出て、近くの森の中へと入って行く。 どんどんと足を進めていくと、やがて自分と同じ位の背丈まで生えている草が無造作に生えている広い草原のような地帯へと辿り着くとルシールは足を止めた。
「この中の1本だけがエリクシール草なのです」
「結構、でかいんだな。 これは想定外だが、他の奴はどうやってこれでエリクシールかどうかを見分けてるんだ?」
俺はルシールにエリクシールと死草の違いを聞くと、怪訝な顔をしつつも説明してくれた。
「……味が違うと言われているです。 3本食してみて1本だけ味が違えばそれがエリクシールなのです」
「そうか、じゃあ――」
俺はそう言って、まずは匂いを嗅いでみるも、よく分からず端から草を食し始める。 取りあえず、5本かじってみたが全部酸っぱく、同じ味がした。
「ペッ! 全部酸っぱい、ハズレだこれ」
「馬鹿! 一滴の汁で致死量だと言うのに、本当に試す奴がどこに……ってあれ? 平気なのですか?」
ルシールは俺の何ともない様子を見て驚いていた。
「あぁ、これは俺にしか出来ないから、絶対真似するなよ? これは真似しても、全然大丈夫とかって言う前振りじゃないからな?」
「そんなの分かってるのです! ……それにしても何であなたは何ともないのです?」
俺はルシールの質問に答えるように、右手の親指だけを立て自身に親指で指し示しナイスポーズを取り答える。
「俺はこの世界の住人じゃないからさ。 この位は平気なんだよね、ってか嫁になるっていう約束、出来るのが分かったからって今更無しっていうのは駄目だからな」
ルシールは俺の事を凝視しているが、応答が無く少し困ってしまったが、やがてルシールはポロポロと涙を流し出し、これまで堪えていた感情が溢れ出したかのように小さな声で泣き出した。 俺はどうしたのか分からず、慌ててルシールのほうへと駆け寄るとルシールは俺の服にしがみ付いて泣き続けていたので俺は納まるまでルシールの頭を優しく撫で続けつつ、ルシールに感づかれないよう頭の匂いをくんくんしていた。




