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ゼファー上空に忽然と現れたロクバードをバンナ達が撃退して、一ヶ月が過ぎようしていた。バンナ達は陸上に配属され、徒歩行軍演習に参加していた。そんな中、カナレ率いる小隊が渡河行動を開始するが予想外のトラブルに巻き込まれる。
ゼナは執務室で報告書に目を通していた。
報告書の内容は、過日にゼファー上空に忽然と現れたロクバードに関するものだ。
事件当日及び前日、前々日の当該区域の探査記録の再調査結果を丹念に読む。
異常なし。
ロクバードのような巨大な魔獣が、幾重にも張り巡らせた探査術式の目をくぐり抜けるなど考えられない。誰かがミスを隠蔽している、そう考えていたのだが、全て整合が取れていた。
まさに、忽然とロクバードは現れたのだ。
謎である。つまり、分からないと言うことだ。
だが、ハルトランサの首都圏の防空を任されている第一飛空団の最高責任者として、この謎を分からないで済ます訳にはいかなかった。
関係者への聞き取りが必要、と思う。
関係者とは当日、ロクバードを撃退した勇者達の事だ。
セリーヌ・ハルファナー
バンナ・ウルナガン
カナレ・ハンプシャー
ファラ・プロミネン
民間人でありながらロクバードを撃退するなど、これも信じがたい話なのだか名前を見て納得してしまった。
皆、魔導十三家だったからだ。
さもありなん、と笑いそうになった。
撃退戦で重傷を負ったセリーヌはゼナの姪なので笑い事ではないのではあるが、このメンバーならばロクバードを倒すのも可能かもしれない。
魔法が持つ十三の属性。その属性のエキスパートを輩出する魔法使いの名門。
それが魔導十三家だ。
ハルファナー家は風。
ハンプシャー家は水。
プロミネン家は火のサーティンズだ。
ウルナガンは一応、無属性のサーティンズにカテゴライズされている。
言い方が微妙になるのは、ウルナガン家が一筋縄では行かない特殊な家系だからだ。
俗に大魔法使いと呼ばれる者の戦闘力は最新鋭の戦艦一隻より高いと言われる。
彼らはまだ、大魔法使いと呼ばれる存在ではないがゼファー学院の卒業生ならば、少なくともなれる可能性は高い。
彼女達が大魔法使いになれるかどうかはひとまずおいて、とゼナは思考を切り替える。
ロクバードがどうやって探知網を出し抜いたか分からない以上、今後も同じ事が起きると考える必要がある。ならば、同じ事が起きたとしても、それに対応出来るように早急に手を打たなければならない。
それが、第一飛空団の団長としての自分の責務だ。
首都圏防衛は今のままでも悪くないが、今回の事で首都圏外縁に空白地帯があることが分かった。
その空白地帯を埋めるのに迎撃部隊の駐留出来る拠点と探知網の設置が必要だ。
必要になる装備、人員、経費をざっくり予想してみたが頭が痛くなる。
経費はともかく、当座の装備と人員はどこからか部隊を引き抜く交渉がありそうだ。
第三飛空団辺りが妥当だろうか?
妹のマナは怒るだろうが、ロクバードが侵入するとしたら第三飛空団の担当区域からしか考えられない。その辺を盾に押せば、マナも断る事はできないと、ゼナは予想する。
娘のセリーヌを味方にするのもよいだろう。とも思った。
たしか、ボルダの軍病院に入院していたはず。
早速、秘書官を呼び、予定を確認する。
さすがに今日は無理だか、明日は時間が取れそうだったので、予定を入れた。
ついでに、他の関係者の聞き取りもできないかと聞いたが、秘書官は顔を曇らせ答えた。
「三人との聞き取りは難しいと思います。
三人とも陸軍の士官に配属し、現在、教練の最中です。」
「予定は?」
「陸軍さんの話なので詳しくは分かりませんが、今ですとガミからテューラ要塞まで行軍演習でしょうか。」
「ならば、テューラで掴まえたい。時間が取れるように調節してちょうだい。
それと、ロクバード事件の対策会議を計画して。」
一礼し出ていく秘書官を見送り、ふたたび報告書に目を通す。
ロクバード出現の可能性についての項目でページをめくる手を止める。
「転移ね。」
報告書は、ロクバードの質量と仮に想定した転移距離から転移は不可能と結論付けている。
「でしょうね。」
と、ゼナは一人呟く。
そんなことが出来る者は今のハルトランサにはいない。
魔女超大国のハルトランサにいないと言うことは、すなわち、世界中どこにもいないと言うことだ。
「いたら伝説級の大魔女ね。」
ふと、自分の言葉に妙な引っ掛かりを覚える。
なんだろうとゼナは考えたが、結局、自分がなにに引っ掛かっているのか分からなかった。
***** サーティンズ クロニクル *****
「あの山がこれで、北がこっちだから・・・」
地図と地形を見比べながらバンナは今いる場所を確認する。
ガミからテューラ要塞迄を四日かけての徒歩行軍。
現在、行軍演習二日目。
小休止中。
一ヶ月前に第107大隊第2中隊第3小隊の小隊長に配属になっている。
階級は準尉。
約半年の研修を無事終えると少尉に昇格して小隊長になれる。
行軍演習はその最初のステップ。
決められたルートを指定された時間に到達して課題をこなす。
オリエンテーリングみたいなものだ。
カナレ、ファラ、パジャも同じカリキュラムをこなしている。
カナレは同じ中隊の第2小隊長。
ファラは同じ大隊に所属しているが、中隊は別。
パジャは師団直下の補給部隊に配属されている。
「軍曹。」
地図をしまうと側で休んでいる軍曹に声をかける。
軍曹は無言でバンナの方を見る。
歳はバンナより10はいっている。ファラよりはずっと暗いが赤毛のショート。背はバンナの肩ぐらいしかないが、横幅は結構ある。兵隊としては良好な体格と言える。
ぽっと出のバンナより遥かに軍隊生活に慣れている。実質の小隊のまとめ役だ。
「休憩終わり。前進する。」
バンナの指示を受け、軍曹は立ち上がり、大声で小隊全体に下達する。
周囲で休みを取っている隊員達が、ノロノロと立ち上がる。
「ぐずぐずするな。シャキッとしろ。」
すかさず、軍曹の怒声がとぶ。
小隊の錬度は低い。
現在、バンナ達の大隊が所属する第14師団は、再編成されたばかりでほぼ半数が新兵なのだ。
今回の演習は、バンナ達の、と言うより師団全体の訓練と言えた。
「マリ、マリ。ねぇ、あんた、どう思う?」
「どう思うって、何をよ。」
マリと呼ばれた女は、右を歩く女に小声で応える。
女の名はイルダという。
イルダは、20メートル程前を歩くバンナの後ろ姿に顎をしゃくって見せる。
「何って、小隊長に決まってるでしょ。」
「小隊長がどうかした?」
「どうかしたじゃないわよ。男よ、お、と、こ。」
「あんた、馬鹿じゃないの。」
イルダに冷たい視線を投げ掛けるマリ。
「何よ、いい男だと思わない?
しかも、あのバンナ・ウルナガンよ。
あり得ない。こんなチャンス滅多に無いわよ。
いいえ、もう一生無いわ。」
マリは可哀想なものを見るような目でイルダを見る。
「な、何よ、その目は?」
「何よ、じゃないわよ。
あんたなんか、相手してもらえるわけないでしょ。」
「わたしだって、家族婚とか契約婚とか、まともな関係何て考えてないわ。
ただね、この演習中に一回か二回位、チャンスがあるかも、って思っているだけ。」
「ない、ない。」
手を横に振るマリ。
「チャンスは自分で作るものよ。」
マリは、真顔で反論するイルダを一瞬、まじまじと見たが呆れたように言う。
「夜這うわけ。
あーー。シングル狙いね。あんた、人生、早まってない?」
「相手はサーティンズよ。
上手くすれば、子どもは魔法使いになるかも知んないのよ。
ひょっとしたら大魔法使いかも。
人生かけたくならない?」
ウーン、とマリは内心で唸る。
イルダの言いたい事は分かる。
マリも子どもの頃は、おとぎ話や恋愛小説を読み、自分だけの王子様とか恋人が現れる事を夢見た事はある。だが、今は、そんな夢はとうに諦めている。女としての魅力なら平均より上という自負はある。しかし、平均よりちょい上では、そんな結婚をするには、ハルトランサでは全然足りないのだ。
ハルトランサの男女の人口比率は、1:9 。
男一人に対して女が九人。
この極端な比率はハルトランサの特異な環境による。
魔素溜と呼ばれる魔素の発生源、それも世界七つある大魔素溜の内の四つに四方を囲まれているハルトランサは他の地域と比べて魔素の濃度が異常に濃いのだ。
アルゼンギルア、バンナ達の世界を示す言葉、の他の国と比較して十倍から千倍違う。
魔素とは魔法を発動させる原料のようなもので、これがないと魔法を使うことができなくなる。だから、魔素がないと不便だが、有りすぎるのも困る。
濃すぎる魔素は人間、いや、ほとんどすべての生き物に害になり、魔素が多すぎると死んだり、魔物化する。
どの程度の濃度に耐えれるかは生物の個体差によるが、種と性別にも依存する。
その種に明確な性別があれば、なのだが一般に雌は雄より魔素耐性が高い。雌雄の耐性比は、これまた種に依ってまちまちだが人間は比較的耐性比が大きい。
それが出生率、幼児期の生存率に関わって、その結果がハルトランサの男女比率だ。
このことからハルトランサでは重婚が男女に認められていた。
原理としては多夫多妻制なのだが、男女比から現実には一夫多妻制になるケースがほとんどだ。一人の男に姉妹で嫁ぐ家族婚とか、複数の女性との契約を結ぶ契約婚等、結婚の形態もさまざまである。正式な結婚ではなくシングルマザーを選ぶ女性も少なくはない。
なんといっても男の数が圧倒的に少ないからだ。
かといって他の国から男を移住させるのも難しい。他の国からハルトランサに移住したとしても、男の魔素許容量が変わるわけではないので、高濃度の魔素にさらされすぐに体を壊す。そのまま、死ぬのならまだ良い。
最悪は魔物化して周囲に多大な被害をもたらす。
なので、ハルトランサへの男の入国は厳しい制約があった。
良いも悪いも、ハルトランサが人口を維持するには、今のシステムを取らざるを得ないのが現実なのだ。
とはいえ、他の国から見るといかがわしい風習であり、ハルトランサが魔女の国、乱行の国、野蛮と揶揄される元凶となった。
「予定じゃ夕方にはケンダの町で補給をうけて夜営でしょ。
そこがチャンスだと思うわけ。」
イルダのお喋りに反論しようとしたマリの目が見開き、表情が凍りつく。
どうしたの、と言おうとするイルダもまた、その言葉を発する事はなかった。
「なかなか、楽しそうだな。イルダ二等兵。」
イルダの耳許で囁くような声。
とたんにイルダの背筋が棒を突っ込まれたようにピンと伸びる。
いつの間にか軍曹が背後に忍び寄っていた。
「余裕があってたいへん結構。
ところで、この先に橋がある。見えるかな。
イルダ二等兵、あの橋が見えるか?」
今、イルダ達が歩いている場所は見晴らしの良い草原で、かなり先を見通す事ができる。遥か彼方に黒い点のようなものが見えた。
「見えます。」
緊張で上ずった声でイルダは答える。
「マリ。あの橋の名前が分かるか?」
「ペア橋で有ります。軍曹。」
慌ててマリが答える。
朝のブリーフィングで行軍の要所は説明を受けており覚えさせられている。
「そうだ。ペア橋だ。良くできた。」
軍曹は、ニッコリと笑う。ただし、目は全く笑っていない。
二人の額にうっすらと汗が滲む。
「イルダ、マリ!偵察を命じる。
ペア橋手前1000に進出。本隊到着迄、周囲を調査。
合流後、報告せよ。
駆け足!」
軍曹の突然の大声にマリとイルダは弾かれたように走り出した。
***** サーティンズ クロニクル だよ(⌒‐⌒) *****
マリとイルダが偵察に出た頃、カナレの小隊はペア橋の上流2キロのところにいた。
川辺の土手に身を伏せ、双眼鏡で周囲を観察している。
「特に怪しそうなものはないねー。
命令はこの辺から渡河可能な場所を探して安全に渡れ、だったよね。」
「はい。そうです。」
隣で、同じく身を伏せているリャン軍曹が答える。
カナレは、突然うつ伏せからゴロリと転がり仰向けになる。
雲ひとつない青空が広がっていた。
「いー天気だねー。」
しみじみと呟く新任準尉をリャンは、戸惑いながら見詰める。
深緑をベースにした迷彩服に身を包む少女がそこにいた。
用意されている軍服の中でも一番小さなサイズなのだが、袖と裾を幾重にもまくり上げてやっと手足が出ている状態だった。
リャンが最初にカナレを見た印象は、何で子供が軍隊にいるんだろう、だ。
言動も外見に似てあどけない。
水色のバンダナを見せながら、これが自分のラッキーカラーなんだよ、と屈託なく笑うカナレを見て、リャンは、実家に預けている十歳になる娘を思い出した。好物のチョコチップクッキーを頬張る時の笑顔とそっくりだった。
だからだろうか、リャンはこの新任準尉を全力でサポートしてやらねば、と思ったのだ。
だが、今は少し違うかなとも思っている。
「準尉、ご命令を。」
一向に指示をしないカナレに痺れを切らし、リャンが問う。
「うーん。めんどい。」
「はい?」
面喰らうリャン。
いたずらっ子の笑みを浮かべながらカナレは言う。
「じゃね。リャンちゃん。
第二分隊で手分けして渡河可能な場所を探して。
ただし、一班は上流の偵察ね。探索より先行させて。
偵察出して、五分位したら探索開始。
第一分隊は土手から第二分隊を援護。対岸と川の水位に特に注意してねー。」
軽い身のこなしで立ち上がるとカナレは指示を出す。
「わかりました。」
指示は理にかなっている。
渡河で注意するのは、まず上流。
水をせき止めておいて、敵が渡り出したら、関をきって濁流で流すとか、油を流して火をつける等々。上流にいる側は色々できる。だから、まず、上流に小細工がないか確認するのだ。
また、半分を土手に待機させれば奇襲にも対応可能。最悪でも半分は戦力を残せる。
リャンが付け加えることは何もなかった。
カナレは子供ぽいが無能ではない。
一緒に行動をしていてリャンは、カナレにサポートなど必要ないのではないか、と思わされる事が何度もあった。
頼もしさ半分、張り合いのなさ半分といったところか。
リャンは、さりげなくカナレの方を見る。
カナレは、相変わらす空を見上げていた。それもあさってな方向だ。
単にボーッとしているだけに見えるが、カナレに関しては油断ができない事をリャンは短い経験で知っていた。
「どうかしましたか?」
「うーん。空がざわついてるなー、って思ってね。
森も。」
翻って目前の川の対岸に広がる森の方を見る。
「なんだろーなーと思うんだけど、よくわかんないや。」
リャンも周囲に目をくばるがこれといった異変は見つからなかった。
さっきより風が強くなり、雲が出てきたぐらいだ。
カナレは小さく唸ったきり、なにも喋らなかった。
30分程で渡河ポイントの特定ができた。
200メートル上流寄りだ。
直ちに渡河準備に入る。
先行は第二分隊。指揮はリャン軍曹がとる。
カナレは第一分隊を指揮して第二分隊の渡河の援護をする。
「第二分隊前進。Go Go Go!」
リャンの号令で第二分隊は一斉に渡河を開始する。
浅瀬とはいえ深い所では膝下まで水に浸かり、かなり走りにくそうだった。
分隊全員が渡りきるのに三分かかった。
第二分隊の体勢が整うのを待って、カナレは号令をかける。
「じゃぁ、いくよー。みんな、渡ってー。」
第一分隊のメンバーが渡河を開始するが、カナレは動かない。
メンバーが半分位を渡った所でカナレも渡り始める。
ジャブジャブと水を跳ねながら、カナレが半分程渡った所で、不意に鳥の鳴き声が響く。
「カァーーーー。」
長く、甲高い鳴き声。
カラスの鳴き声なのだが不吉な感覚に襲われ、カナレは川の真ん中で歩みを止め、鳴き声の方を見る。
対岸の森の方だ。
そして、さすがのカナレも、えっとなる。
対岸の森の木の枝にびっしりとカラスがとまり、カナレ達を見下ろしているのだ。
100 羽、200 羽ではきかない。
カァ、カァ、カァ、カァ、カァ
カァ、カァ、カァ
カァ、カァ、カァ、カァ
突然、カラス達が鳴き始める。鳴きながら羽ばたく。
森中の木が、カラスの羽ばたきが起こす風でワサワサと揺れる。
まるで、黒い木の魔物がダンスを踊っているようだ。
一羽のカラスが飛びたち、それに二羽、三羽と続く。
たちまち空一面が黒く染まる。
頭上を覆うように無数のカラスが飛び交う光景をカナレは初めて見る。
カナレだけではない、小隊全員が初めての経験だろう。
その場にいる全員が浮き足だつ。
「動くなー!」
全員が声の方を見る。声をあげたのはカナレだ。
「急に動いたらダメ。森に近づくのもダメ。
川沿いにゆっくり移動。」
うっかりカラスのテリトリーに入ってしまい、カラスが威嚇に出ているのだろう。
刺激をせずにテリトリーを離れるのが最善とカナレは判断した。
カナレは地図を思い出す。下流方向、1キロ位で森は切れる。
「下流方向へ。
慌てちゃダメよ。カラスさん達を刺激しないように。
ゆっくり歩いて移動してねー。」
パニックになりかけた小隊はカナレの言葉で落ち着きを取り戻し、指示に従いゆっくりと移動を開始する。
その間もカラス達は空を飛び交っている。時計回りに回る群れと反時計回りに回る群れに二分している。その大きな群れから小さな群れが生み出されている。
空のあちこちに時計回り、反時計回りのカラスの集団ができている。じっと見ていると気持ち悪くなる。
目を小隊のメンバーに向ける。みな、不安気な表情でゆっくりと移動している。
あっ、と小隊の一人が叫ぶ。
カラスの一群が不意に襲い掛かってきたのだ。
それを合図にカラスの群れが次々と襲い掛かって来る。
カラスは10羽位の単位で一人に襲い掛かって来た。
まるで指揮された軍隊の様だ。
そこかしこで悲鳴が上がる。
カラス達は急降下からの体当たりや肩や頭に乗ってクチバシでの攻撃を狙っている。
隊員は皆、手や魔装杖を振り回しカラスを追い払おうとするが、的が素早い上に小さいので、なかなか上手くいかない。
その内、一人が魔装杖を空に向けるのが見えた。
魔装杖は1メートルを少し越える位の長さの杖のようなものだ。杖ではない。先端から魔弾を打ち出し相手を倒す武器だ。魔弾は杖の真ん中付近にある引き金を引くだけで発射できるので誰でも扱う事ができた。バンナが使う魔素錬成杖と基本は同じものだ。
空を飛ぶカラスを撃ち落とす気なのだろうが、高速で飛ぶカラスに当てるのはそう簡単ではない。混乱して仲間に当てるのがオチだ。
カナレは発砲禁止の指示を出そうとする。
だが、頭上からカラスの一群が襲い掛かって来ているのにまるで気付いていなかった。
2017/01/16
・誤記を修正しました。
[このならばロクバードを倒す>このメンバーならば・・・]
・記述を変更しました。
[少尉に昇格して中隊長になれる。>・・・小隊長・・・]
2017/02/11 章構成にしてサブタイトルを変更しました。